転職エージェントは企業と転職者をマッチングさせる人材紹介サービスです。本記事では、現在転職活動をしている人に向けて、転職エージェントの概要と効果的な使い方を紹介します。ぜひ自分に適したエージェントを見つけるための参考にしてください。

転職エージェントの役割

転職エージェントは、転職を検討している方と採用を考えている企業の間に立って、転職成功を支援するサービスです。求人動向や転職ノウハウに長けている専任のキャリアアドバイザーが、求職者の転職活動を全面的にサポートします。まずは、転職エージェントの具体的な役割について見ていきましょう。

1.求職者へのヒアリングと情報整理

インターネットから登録を完了したら、キャリアアドバイザーとの面談を実施します。この際、転職に関する希望や不安などをありのままに伝え、キャリアアドバイザーとともに転職に対する思いや情報を棚卸しします。

2.求人情報の収集・紹介

次にキャリアアドバイザーが選定した企業の中から、気になる求人をチェックします。気に入った求人がなければ、無理に申し込む必要はないため、引き続きキャリアアドバイザーからの紹介を待ちます。

3.面接・書類添削指導

転職エージェントは履歴書や職務経歴書といった応募書類の書き方の相談にも対応してくれます。また、面接対策に不安がある場合は、面接で伝えるべきポイントについても客観的な視点でアドバイスしてもらえます。

4.日程や採用後の条件の調整

応募する企業の面談の日程調整は転職エージェントが行ってくれます。また、年収や雇用条件についても、依頼すればキャリアアドバイザーが企業に直接確認・交渉してくれます。仕事が忙しくて転職活動に時間を割けないという人も多いため、転職に関わる作業時間を短縮できる点も転職エージェントを活用する大きなメリットです。

5.転職後のアフターフォロー

転職エージェントによっては内定後・転職後にもフォローがあり、転職者・企業側ともに納得のいく転職になるように徹底支援してくれます。さらに、入社後もエージェントから退会せず連絡を受け取っていれば、再転職の時も、面識があり経験やスキルを把握しているアドバイザーが担当してくれることでしょう。

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転職エージェントを使うメリット

転職エージェントを利用することで、どのようなメリットがあるのかと疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。ここでは、転職エージェントを使って転職活動を進めるメリットについてまとめました。

1.豊富な求人を紹介してもらいやすい

転職エージェントは、通常の求人サイトなどでも募集される一般求人のほか、一般には公開されていない「非公開求人」や、その転職エージェントでしか応募できない「独占求人」も扱っていることがあります。 自分にマッチする仕事を見つけるためには、多くの選択肢があるに越したことはないため、この非公開・独占求人に応募できる点も、転職エージェントならではのメリットです。

2.プロの目から面接・書類の指導をしてもらえる

はじめての転職の場合、履歴書・職務経歴書がうまく書けているかどうかを不安に感じる人も少なくないかと思います。転職エージェントでは、これらレジメの書き方のアドバイスや添削も行ってくれます。長年の経験に基づく適切な指導によって、転職サイトや企業の採用ページから自分で直接エントリーするよりも、書類選考の通過率が高まります。

3.転職市場の情報を教えてもらえる

担当するキャリアアドバイザー自身が、その業界・職種出身者であることも多く、実際に働いてみないとわからない内情や、転職市場の情報を教えてもらえるケースもあります。自分で調べるだけでは手に入らないような、業界の動向や企業ごとの特性など、リアルな情報を聞くことができ、さらに企業の実際の業務内容や雰囲気も教えてくれるため、就職後のミスマッチを防げます。

4.条件面の交渉の代行を依頼できる

内定が決まれば、給与や入社時期などの細かい条件交渉が行われますが、これから就職する企業に直接要望をぶつけることは、なかなかできないものでしょう。また、企業対求職者では、どうしても企業のほうが主導権を握り、求職者は弱い立場となってしまいがちです。それに対して、転職エージェントが間に入ってくれることで、直接言いづらい年収や福利厚生面などの交渉もスムーズに行うことができます。

転職エージェントを使うデメリット

転職エージェントは、本人に代わって企業に求職者を売り込んでくれる非常に便利な存在ですが、デメリットがないわけではありません。転職エージェントの代表的なデメリットとしては、下記の3つが挙げられます。

1.キャリアコンサルタントとの相性が合わないことがある

転職エージェントは、人が間に立つサービスであるため、担当のキャリアコンサルタントとの相性がとても重要になります。担当者が丁寧に相談に乗ってくれるか、紹介される求人が希望条件と合っているか、サポートやアドバイスが満足できているかなどを考慮し、相性の見極めが必要になる場合もあります。相性が合わなければ「思うように転職活動できない」「希望にマッチする求人を紹介されない」といった不満が生じるかもしれません。

2.転職エージェントによっては紹介数が少ないことも

それぞれのエージェントで、取り扱っている求人数は異なります。転職エージェントによっては紹介数が少ない場合もあり、当初の希望を叶えるまでに時間がかかってしまう可能性は0ではありません。

3.自分のペースで転職活動を進めづらい

転職エージェントは、自分のペースで転職活動を進めづらいという側面もあります。たとえば、目先の売上やノルマのために、転職者の意向をあまり考えてない提案をしてきたり、逐一連絡を取ってきたりと、やや強引に転職させようとしてくるキャリアアドバイザーも少なからず存在します。

気乗りしない求人に応募する必要はありませんが、エージェント側も活動の進捗や今後の意向を随時確認しなければならないため、ゆっくり時間をかけてマイペースに転職活動をしたいという方にとっては、対応が少々煩わしいと感じられるかもしれません。

効果的な転職エージェントの使い方とは

はじめて転職エージェントを利用する場合、使い方が分からずに、登録しただけで終わってしまう方も多いものです。せっかく登録したことが無駄になってしまわないよう、ここで効果的な転職エージェントの使い方について理解を深めておきましょう。

1.最初は複数の転職エージェントに登録する

転職成功のためには、複数を比較して転職活動を支えてくれる転職エージェントを見極めることが欠かせません。キャリアアドバイザーには、スキルや考え方のバラつきがあります。また、万が一、相性が悪い人が担当としてつくと、自分が意図しないような転職になってしまうリスクも生じます。まずいくつかのサービスに登録して、いろいろなアドバイザーに相談したうえで、最も自分と相性の良いエージェントを選択しましょう。

2.志望する業種・職種に特化したエージェントを選ぶ

転職エージェントには「総合型」と「特化型」という2種類のタイプが存在します。タイプによって、保有する求人や強みに違いがあり、正しく認識しないまま利用してしまうと希望に沿わない求人を紹介されてしまいます。

特に、自分の志望する業種・職種に精通していないエージェントを使い続けている場合、活動期間が長期に渡ってしまう可能性が高まるため、「なかなか理想通りの求人がない」という場合には、思い切ってエージェントを変更してみることをおすすめします。

3.キャリアコンサルタントが合わない場合は変えてもらう

キャリアアドバイザーも人であるため、求職者とウマが合わないといったことが往々にして考えられます。もし相性が良くないと感じたら、担当者を変更することも検討しましょう。また、担当者の変更を申し出る際に重要になるのが「変更理由をしっかり伝えること」です。

転職エージェントは求職者からの変更依頼メールをもとに次の担当者を決定するため、変更理由を伝えることで、より自分に合ったキャリアアドバイザーに巡り合いやすくなります。仮に担当者を変えたいと申し出たとしても転職活動が不利に働くようなことは絶対にありません。むしろ次の担当者は、変更理由に沿った対応を取ってくれるはずです。

4.自分の意志は最初にはっきりと伝える

転職エージェントを効果的に活用するには、最初の面談時に転職の意向をしっかりと伝えることが非常に重要です。採用が決定しなければ転職エージェント側の成果にはならないため、転職意欲が低いと判断されてしまえばサポートの優先順位が下がります。

反対に転職の意向をはっきりと伝えることで、優先的にサポートしてもらえる確率が高まります。担当キャリアアドバイザーとの最初の面談では、転職の意向や希望時期、志望している業界など、自分の意志をしっかりと伝えましょう。

5.難易度の高い給与交渉は転職エージェントに任せる

転職後の年収を上げたいのであれば、コンサルタントへ給与交渉を依頼しましょう。多くの人が転職後に年収を上げたいと思いますが、給与交渉は難易度が高く、実際に不安や苦手意識がある人も少なくありません。

転職エージェントでは給与交渉のようなデリケートな部分を代行してくれるため、年収を上げたいものの自分で言い出しづらいときは、コンサルタントに任せることもひとつの手段です。

最後に

今回は転職エージェントの役割や転職エージェントのメリット・デメリット、効果的な転職エージェントの使い方について紹介しました。転職エージェントは、上手く活用することで、求職者の転職活動を成功に導いてくれる頼もしいパートナーになります。「はじめての転職活動でなにからスタートすれば良いのか分からない」「転職に関する悩みや疑問を相談できる相手がほしい」という方は、ぜひ転職エージェントを利用してみてください。