CIOとは?言葉の定義や役割〜今求められている理由をわかりやすく解説

CIOとは

CIOとは、「Chief Information Officer」の頭文字を取った言葉であり、最高情報責任者と和訳される役職名です。CEOやCOOといった役職と肩を並べ、経営に関与する傍らで、情報に関するプロフェッショナルとして企業の土台を支えています。情報化社会という言葉がすっかり定着した昨今において、CIOという名称の役員を設け、全社をあげて対策を講じていこうという日本企業が増加しています。

CIOの役割

CIOの大きな役割は、自社の経営理念に沿った情報化戦略を立案、実行することです。情報化戦略と聞くと、システム設計による業務効率化というイメージが伴いますが、昨今の日本市場ではIT化による競争率の向上の重要性が高まっています。

ITを駆使した自動化による業務効率化だけでなく、ECサイトの構築による顧客満足度の向上といった課題も、CIOが担当する分野に含まれることも珍しくありません。CIOという肩書をもつものの、CEOやCOOなどをはじめとするCXOメンバーとともに経営に携わるため、役割が多岐にわたることも把握しておきましょう。

いまCIOの存在に注目が集まる理由

昨今の日本市場においてCIOという存在に注目が集まる理由は、経営的な観点からIT戦略の立案と実行を行える人材が不足しているためです。ここ数年のスタートアップ企業やベンチャー企業の増加に伴い、設置率が高まっていますが、総務省が公開している情報通信白書のデータによれば、CIOを設置している日本企業は10%前後とされています。

海外企業のCIO設置率が40%とされているため、その設置されている割合はまだまだ低いことがわかります。情報に関する業務を遂行する部長といった役職名は存在するものの、経営に携わった経験がある、売上や成果にコミットしたことがあるという役職名は決して多くはありません。

CIOとCEO、CFOとの違い

似たイメージを抱きがちな、CIOとCEO、CFOという言葉ですが、次のようにその役割には明確な違いがあります。

  • CEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者):長期的な視点で会社の経営方針や事業計画などを決定し、経営に関する最終的な責任を負う役員。企業理念にもとづき、存在価値の定義や具体的な目標設定を行う
  • CFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者):財務のプロフェッショナルとして戦略の立案や執行、最終的な責任を負う役員。昨今では時価会計や連結会計、キャッシュフロー会計の透明性が企業の信頼につながることからその必要性が増している

ただし、いずれもCXOに属する経営メンバーであるため、CEOの移行によって役割が流動的に変化することも珍しくありません。CIOという役職名がついているものの、その他のCXOメンバーと肩を並べる存在であり、経営をITを駆使して、分析・改変していく役割を担っています。

アメリカと日本のCIOの権限の違い

定着率が少しずつ増加している日本企業のCIOですが、アメリカのCIOとは権限が大きく異なるとされています。先程触れたように、CIOを設置している日本企業の割合は10%前後です。そして、このうちの多くの企業が、CIOを財務や総務を担当する役員が兼務するという形態が用いられています。

一方アメリカではCIOを設置している企業のうち、ほとんどがスペシャリストとして招き、専門的な業務を任せています。日本の古くからの文化であり、もちろんデメリットばかりではありませんが、CIOが独自の判断でIT戦略の立案や実行することが難しい環境であることも事実です。

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CIOの具体的な業務内容とは

ここからは、情報分野のプロフェッショナルであるCIOの具体的な業務内容を解説していきます。先程触れたIT戦略の立案や実行、IT業務遂行による人材育成がCIOの業務内容の一例です。

IT戦略の立案や実行

CIOが決定権をもつ、1つ目の業務内容がIT戦略の立案や実行です。社内のイノベーションや新たなビジネスの創出にITが必要であると考えられる場合には、CIOが戦略の立案から実行までのすべての責任をもちます。そして、IT化が進む昨今では、その分野を次の3つの分野に分け、CIOが進捗管理を行っています。

  • ITマネジメント:企業全体のITをマネジメントする分野。CEOをはじめとするCXOメンバーとの話し合いを通じ、社内のデジタル化による売上向上やコスト削減などの問題解決に取り組む
  • ITリスクマネジメント:情報流出やサイバー攻撃といった、IT技術を駆使することによるリスクをマネジメントする領域。リスクを最小限に抑えるためだけでなく、適切な運用による投資家や取引先の信頼獲得を目的とするケースも多い
  • ITビジネスの創出:ITを用いることによって生まれる、新たなビジネスモデルを立案する分野。社内はもちろん、自治体や教育機関との連携によって、アイデアを創出するケースも多い

IT業務遂行による人材育成

CIOが行う2つ目の業務内容が、IT業務遂行による人材育成です。CIOは情報に関する幅広い知識をもち、CXOメンバーとして確かな権限が与えられています。ただし、先程触れたようなIT戦略を立案したとしても、すべての業務を一人で遂行できるわけではありません。

そのため、CIOには部下にIT戦略を理解させる、コミュニケーション能力やマネジメント力も求められるのです。企業の組織図によることも事実ですが、CIOの意図を各プロジェクトリーダーに伝え、そのプロジェクトに参画するメンバーが業務を形にする当人となります。CXOメンバーの想定を形にするには、リーダーの人材育成を通じた、人間性の構築も必要不可欠なCIOの業務といえるのです。

CIOを設置することで企業に生まれるメリットとは

最後にCIOを設置することによって、企業に生まれるメリットを紹介していきます。繰り返しとはなりますが、情報分野に関するプロフェッショナルであることが、CIOに期待される大きな役割です。そして、そういった分野に関する業務を遂行する責任者を配置することで、経営の意思決定を早められる、組織変革を期待できるといったメリットを手にできます。

意思決定の早い経営を行える

CIOを配置することで企業に生まれる、1つ目のメリットが意思決定の早い経営を行えるというものです。先程触れたように、CIOを配置している日本企業はまだまだ少ない状況ですが、情報分野に関するプロフェッショナルの配置によって、CEOの意思決定を早められるという効果を期待できます。

もちろん、日本企業における社長も各顧問との意見交換を行い、新たな情報を仕入れ、長期的な視点に立った経営判断を行っています。しかし、顧問に意見を求める場合と、社内にCIOを配置する場合とでは、責任の重さに違いがあることも事実です。CXOメンバーとして経営に関与する情報分野に精通した人材を社内に置くことで、CEOの経営判断がより早く、精度の高いものになるといった効果を得られるわけです。

組織変革を期待できる

CIOの配置による組織改革も、企業が手にする大きなメリットの一つです。正確には組織を構成する人員配置の変更が必要になることもあり、CIOの一存で組織改革が始まるわけではありません。ただし、情報に関する最高責任者というポジションによって、組織のあり方が大きく変動する可能性は十分にあります。

先程触れたように役員がIT戦略の立案をし、その意図をリーダーに伝える。そして、各プロジェクトメンバーがリーダーの指示のもとで活躍するという組織が生まれるだけで、企業が活性化するというメリットを見込めるのです。

ITに関するノウハウを社内に構築できる

ITに関するノウハウを社内に構築できることも、CIOを社内に配置することで生まれるメリットです。海外でも情報に関する分野を顧問という形で、アウトソーシングするケースが多くみられますが、社内にCIOを配置するケースとの違いは、上司と部下という関係にならない点にあります。CIOに限ったことではありませんが、一つの業務の最高責任者とプロジェクトを遂行することには非常に大きな意味があるのです。

そして、次のノウハウがCIOを社内に配置することで、リーダーやプロジェクトメンバーが得られる具体的な知識です。

  • ITリテラシー:通信やネットワーク、セキュリティといったITに関する知識。基本的な概念はもちろん、新たな仕組みを構築する能力や、他社の動向を敏感に観察するといった姿勢を含め、ビジネスに必要なITリテラシーの獲得を期待できる
  • 情報セキュリティ:システム開発および運用によって想定されるセキュリティリスクに対応するための知識。システムに関する知識だけでなく、個人情報保護やセキュリティ関連法規といったルールに関するノウハウの蓄積も期待できる

 

まとめ

情報化という言葉が定着し、その必要性が高まっている役職がCIOです。日本ではまだまだ

定着率が低いという現実がありますが、今後の発展にはIT戦略が有効であるという考えから、海外ではすでに一般化している役職と考えられています。また、CIOは情報に関わる業務の最高責任者です。海外でも顧問という形で、社外のエージェントに依頼するケースが珍しくありませんが、CIOとして社内に配置することには大きな意味があります。CIOとして経営に関与しつつ、リーダーやプロジェクトメンバーのマネジメントを行うことで、組織の活性化やノウハウの構築といったメリットを期待できます。

 

  • 経営に関与するCXOメンバーの中で、企業の新しい資源とされる情報を担当
  • 経営だけでなく、ITに関与する分野の人材育成に関与することもある
  • CIOを配置することで、意思決定の早い経営や確かな社内ノウハウの構築が可能になる

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