英文事務とは、英語を使った事務仕事全般を指します。一般的な事務作業などのオフィスワークに、英語のスキルを加えたものと考えればよいでしょう。その仕事内容や必要なスキル、心がけるべきポイントについて解説します。

英文事務の仕事内容とは？

英文事務とは、英語を使った事務仕事のこと。英語のスキルが求められる一般事務や秘書、受付といったオフィスワークと考えて差し支えありません。

具体的な仕事内容は、どんな企業に転職するかによって違ってきます。書類作成、メール作成、電話対応、ファイリングなどといった一般事務だけをすればいいケースもありますが、簡単な翻訳作業やときに通訳をするケースもあるでしょう。営業事務であれば、海外支社とのやり取りをすることにもなります。

働く場所としては、外資系企業や、国内企業の海外部門に配属されることになります。社内でのコミュニケーションで英語を使うこともあると思っていてください。

英文での書類や資料作成

どんな企業でも、英文での書類や資料作成はすることになるはずです。その名の通り、英語を用いて、書類や資料を作成します。業界の専門用語もたくさん出てきますので、基本的な英語力を持っていたとしても、最初はハードルの高い作業になるでしょう。

海外企業と電話やメール応対

海外の企業と電話やメールで応対することも英文事務の仕事に含まれます。書類を作成するときと同じように、ビジネス英語が堪能でなくてはいけませんし、業界特有の専門用語も押さえておく必要があるでしょう。継続して学んでいく姿勢を持って、コミュニケーションスキルを向上させていきましょう。

翻訳、通訳業務

日本人向けに英文を翻訳、通訳したり、逆に外国人向けに日本語の文章や会話を翻訳や通訳することもあります。ただ語学力があるだけでは務まりません。相手に正しく意味を伝えられるように、コミュニケーションスキルを磨くことが必要です。

貿易事務との違いは？

英文事務の仕事内容を知って、「貿易事務は英文事務とどう違うの？」と思った人も多いのではないでしょうか？英文事務と貿易事務は確かに似ているところもありますが、以下の点で大きく違っています。

・貿易事務：貿易のみの事務に関わる

・英文事務：企業・業種に関係なく事務作業を担当する

貿易事務の仕事内容は、貿易に特化した専門的な業務に限られます。そのため、場合によっては英語の能力が求められない場合もあります。英語スキルがない人は、そちらを検討してもよいかもしれません。

英文事務は、貿易を扱う企業だけでなく、あらゆる企業・業種の事務仕事が含まれます。貿易事務には必要ないこともある、高度な英語スキルが求められるという違いがあります。

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英文事務によって身につくスキルやキャリアの広がりは？

英文事務によってどんなスキルが身につき、またキャリアはどう広がっていくのでしょうか？以下で詳しく見ていきます。

英語スキルが高まる

まず語学力が身につき、業界の専門用語など語彙力の向上が期待できます。英文事務として経験をしておくことで、語学力が身につきます。それに加え、その業界で使われる専門用語など、特殊な語彙力も向上するでしょう。

資料やメールには、日常会話ではあまり使用することがない語彙が使われていることがあります。また、辞書的な意味では全く意味が通らない単語もよく見かけることに。専門的な語力がつくため、同業界での転職が有利になります。

海外文化への理解が深まる

また、文化理解が深まるというメリットもあります。海外から送られてくる資料などには、日本ではあまりしない独特な言い回しが使われることも。それが使われている背景を知ることで初めて内容が理解できるので、おのずとその国の文化や歴史を調べることになり、文化理解が深まります。

スケジューリングスキルが身につく

国内企業間のやりとりと違って、海外とやり取りをすると、思うように仕事が進まないことも少なくありません。時差もありますし、文化の違いもあり、大事な連絡だとしてもすぐにメールの返信があるとは限りません。

そのため、期限までに仕事を遂行するためには、余裕を持って行動する必要があります。時差や文化の違いに応じた計画を立て、それに沿って行動することが大切です。そうやっているうちに、スケジューリングのスキルが向上するはずです。

英語スキルが高まりキャリアが広がる

英文事務として経験を積むことで、貿易・国際事務や通訳・翻訳になれる可能性が高まります。貿易事務でも英語を使用することがありますが、貿易・物流を取り扱う業務です。持ち前の英語力を使って英文事務よりも専門的な事務スキルを修得したいという人に向いていると言えます。

英文事務の中でも特に「翻訳・通訳」に特化した仕事にキャリアアップする可能性も高まります。より高度な英語を使った仕事がしたいという人に向いているでしょう。

英文事務に求められるスキルは？

転職先となる会社によっても異なりますが、英文事務の仕事では、英検2級以上／TOEIC600点以上の英語力が求められます。また、パソコンの基本操作ができるとより職探しの幅が広がるでしょう。

英語力

転職先の企業でどのような仕事をするかによって、求められる英語力は違ってきます。英文の読み書きに抵抗がない程度の英語力が求められるような企業であれば、英語力は英検2級以上、TOEIC600点以上あれば十分でしょう。

高度な内容の英文を読んだり、英語のビジネスレターを書いたり、電話で交渉したりといったことが求められる企業の場合、より高い英語力が必要になってきます。その場合は、TOEICで700～800点以上が必要になると思っておくと良いでしょう。

パソコンの基本操作

事務作業では、パソコンスキルが不可欠です。タイピングする能力や、マイクロソフトOfficeを使いこなせる能力があれば、転職により有利になるはずです。MOS資格を持っていれば、相応のスキルがあることを伝えることができます。

MOS資格とは、「マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト資格」の略称です。WordやExcelをはじめとする「マイクロソフト・オフィス」製品を取り扱うスキルを証明する資格で、マイクロソフト社が公認しています。「スペシャリストレベル（一般）」と「エキスパートレベル（上級）」があり、どちらも実用的な能力が試されます。

MOS

最近はWebカメラを使ってオンライン会議をすることも増えてきました。そうした状況にも順応できるような幅広いパソコンスキルを身につけておきたいところです。

英文事務に向いているのはどんな人？

英文事務に向いているのはどんな人なのでしょうか？以下で詳しく見ていきましょう。

英語力を活かした仕事をしたい人

まずはこれといって資格がないけれど、留学経験があり相応の英語力があって、それを活かした仕事をしたい人と思っている人にはうってつけです。仕事をしながらさらに英語力をあげることができるからです。

柔軟性や謙虚さ

また、英文事務の仕事には、どんな業務を任されても喜んで引き受けられるような柔軟性や謙虚さが求められます。英文事務をしていると、英語とは関係ない仕事や英語力が必要ない仕事を任されることも少なくありません。どんな仕事も進んで引き受けられる謙虚な姿勢で、取り組めることが大切です。

外資系の場合は、自発的に仕事ができる人

外資系企業の場合、主体的にコミュニケーションを取りつつ、相手が求めるような行動ができる人が向いています。日本企業の場合、英語を使用した仕事の多くは読み書きとなりますが、外資系では、自発的に仕事を進めることが求められるのが一般的です。

最後に

この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

英文事務は英語や事務のスキルが求められることも多く、専門性が高そうですが、実は英文事務の未経験でも目指せます。
英語能力がどの程度必要なのかは会社によって異なるので、英語を上達させたい方や英語が好きな方であれば、まずはさまざまな求人を見ることをおすすめします。

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