転職を繰り返すことはダメなのか
「転職を繰り返す」と聞くと、いかにもネガティブなイメージをもってしまいそうです。
ですが、一概にNGであるとは言い切れません。
目標やキャリアプランをもち、前向きな理由で転職するならば、それは良いことではないでしょうか。
また上記とは別の意味合いですが、ハラスメントが横行している職場などからは、早く逃げ去ることも重要です。
転職を繰り返すことにはどのようなメリットとデメリットがあるのか、またなぜ繰り返すことになるのか、解説していきます。
どの程度で「繰り返している」と思われるかは状況による
そもそも、どの程度の転職回数であれば「繰り返している」と思われるのでしょうか。
一つの指標は、4回以上の転職です。
終身雇用型の旧来の雇用システムは崩壊しており、転職することが珍しくなくなりました。とはいっても、40代前後で概ね3回程度の転職回数が平均的といわれています。
40代以前にそれを超える4回以上の転職を経験していると、繰り返していると感じられるかもしれません。
もう一つは、在籍年数が短いうちに転職してしまうことです。
在籍1年以内で転職することが連続すると、たとえ2回目の転職でも「繰り返している」という印象を与えてしまうでしょう。
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転職を繰り返すことのデメリット
ここからは、転職を繰り返すことのメリットとデメリットについてお伝えします。多くの方が、転職を繰り返すことはデメリットのほうが大きいと認識しているのではないでしょうか。
まずは、イメージしやすいデメリットのほうから解説します。
繰り返すたびに採用で不利になる傾向が強くなる
真っ先に挙げられるのが、採用で不利になる可能性が高まることです。転職を繰り返していると、またすぐに転職されるのではないかと採用担当に思われてしまうかもしれません。
転職を繰り返すほどに、不利になる傾向は強くなります。
ある程度転職回数が多くなると、採用面談で特別な理由を説明することが必須となっていきます。対面で説明すれば納得してもらえる内容でも、書類選考の時点で落とされてしまうことも増えていくでしょう。
転職回数が多いことは、少なくとも採用においては有利に働くことは難しいと考えておくのが無難です。
収入面が伸びにくい
転職するたびに、一社のなかで長期的な目線で年収をアップさせていくことが難しくなります。
そのため、転職で会社を変えることによる年収アップに頼る以外、収入アップを見込める機会が減ってしまう可能性が高くなります。
大きく収入を上げるためには、上位の職種を任されるようになるのが簡単な方法です。同じ会社内での職種変更やキャリアアップならば、社内制度で面倒を見てくれることがほとんどではないでしょうか。
ですが転職時にキャリアアップを図ろうとすると、転職先は「上位職種の未経験者を採用する」ことになります。それは不安なので「まずは実績のある下位職種で採用」という話になりやすく、結果的にキャリアアップによる収入アップが難しくなるのです。
長期的にスキルを育成しにくい
会社は社員のスキルを長期的なスパンで育成しようと計画しています。長期的なスキル育成計画が中途採用者に適応されることも多いのではないでしょうか。
ですが転職を繰り返すと、会社が提供してくれるスキル育成計画にうまく乗ることができず、体系立てた計画に則って成長することが難しくなります。
会社が提供してくれる育成計画は、過去の事例などから導き出された合理性があるものです。自分で自分のスキルを高められる人であれば問題ありませんが、長期的な計画から外れ続けてしまうと、段階を踏んで成長しにくくなってしまうかもしれません。
転職を繰り返すことのメリット
少し意外に思う方もいるかもしれませんが、転職を繰り返すことにはメリットも存在しています。
どうしても会社に合わないなら、心身を壊す前に辞める判断をするのが重要なのは言うまでもありません。
転職に対するハードルや世間の見方が、比較的緩やかになっていることも事実です。
ですがそれらを加味せずとも、いくつかの条件はありますが、目的をもって挑めば転職は非情に価値あるものになります。
どのようなメリットが生まれる可能性があるか、解説していきます。
天職や理想の働き方に出会える可能性がある
業務内容や待遇・働き方を調査したうえで転職していけば、天職ともいえる職種に出会えるかもしれません。自分が思う最適な働き方を提供してくれる、働きやすい会社に出会える可能性も高まります。
万人に最適な働き方はありません。通勤が嫌いな人もいれば、出社して顔を合わせる働き方が好きな人もいます。マイクロマネジメントを嫌う人もいれば、しっかりと管理してくれる上司に安心感を覚える人もいます。
働き方一つとっても、人の数だけ最適な働き方があります。ましてや業務内容については、簡単に自分が思う最適な業務と出会うのは難しいでしょう。
少しでも自分の理想に近い会社に転職し、その後に内部からも働きかけることで最高の職場を見つけることができるかもしれません。
多くの業界や企業を知り視野を広くもてる
一つの会社しか知らないと、一つのやり方や考え方にしか触れることができません。そうすると、考え方が硬直してしまう可能性があります。
職種や業界に関しても同じです。
幅広い経験を積むことは、確実に自分の視野を広くしてくれます。また、思わぬところで過去の経験が活きてくることもあります。異業種に由来する知見で起こったイノベーションは、枚挙に暇がないほどです。
人脈を広げることにもつながる
最近では、辞めていく社員を引き止めず、大事につながり続けるような会社も増えています。
OB会や同窓会と称して、過去に辞めていった社員たちを招き、近況報告をしあう交流会が開催されることもあります。
また、転職者を再度雇用する「アルムナイ」と呼ばれる制度も注目されています。転職者は一定期間、外部で修行しているようなもので、会社の魅力を磨き続ければいつか帰ってくるかもしれない、という考え方によるものです。
当然ながらこれらは、円満に退職した人と送り出してくれた会社同士の関係であることが大前提です。
ジェネラリストとして成長できる可能性がある
会社が変われば、同じ業界・同じ業種・同じ職種でも、まったく異なる働き方になることもあります。
ましてや、業界や職種を変えればその違いは大きなものとなります。
多様な現場で経験を積んでいけば、何か一つのプロフェッショナルではなく、なんでも万能にこなせるジェネラリストとして成長できる可能性が高まります。
目的をもたずに転職を繰り返す人の原因と心理
転職を繰り返すことにも一定のメリットがありますが、目的がない転職はメリットを消してしまいかねません。そうなると、デメリットだけを受けることになり、自身のキャリアにとって不利になってしまうでしょう。
ここでは、目的をもたずに転職してしまう人の心理を解説します。
不満を転職で解決しようとしている
会社に不満があるなら、まずは社内への働きかけで解決を目指すのではないでしょうか。それでも改善しなかった場合、ようやく転職が選択肢に挙がるものです。
ですがそれをしないうちに、転職によって不満を解決しようとする人がいます。
いくら理想に近い会社に就職できても、何かしら不満はあるものです。そういう人が別の不満を見つけたとき、解決の選択肢として挙げるのは「社内改善」ではなく「転職」です。こうして、不満を見つけるたびに転職を繰り返してしまう人がいるのです。
自分を分析できておらずどうすれば満足なのか分かっていない
自分が何をしたいのか、どうなったら満足なのかを把握できておらず「なんとなく」で転職してしまう人がいます。
そういった人は「3年は辞めないほうがいいと言われるが、3年たったし、なんとなく転職する」といった、定期的な転職を繰り返してしまうのではないでしょうか。
転職に際して軸がないため満足できる職場に出会うこともなく、転職先にも自分の希望を説明できません。ですが現状に満足できているわけではないので、また転職してしまうのです。
理想が高く妥協できない
高い理想をもち、どこかにその理想を叶えられる職場があるはずだと考えている人がいます。個人の望みは千差万別のため、すべての理想にピッタリの会社と出会うことは奇跡に近いことでしょう。
こういった人は、理想に限りなく近い会社と出会っても妥協できず、まだまだ上があるはずだと思い、転職を繰り返してしまいます。
待遇悪化のスパイラルに陥ってしまっている
これは、目的意識をもたずに勢いだけで転職してしまう人が陥りやすい状態です。
待遇への不満で転職したものの満足できず、その結果また不満が募ってしまいます。またすぐに勢いで転職活動を行い、採用してくれた会社に飛びつきます。
ですがしっかり調査していないため合っていないことが多く、また待遇が悪化したと感じてしまうのです。
転職回数が増えることで、採用してくれる会社もだんだんと「今すぐ人手が欲しい、人が辞めやすい企業」になる傾向が増していきます。
このような状態にある人は負のスパイラルに陥っているため、どんどん転職を繰り返してしまうのです。
目的意識をもって転職活動を行おう
転職によって叶えたいものは何か。
それを叶えるために転職するという目的意識をもつことで、1回の転職の質を向上させられます。満足できる転職ができれば、そもそも転職回数が増え続けるということはありません。
もし何かのきっかけで転職を繰り返し、採用上不利な転職回数になったとしても、目的意識があるならしっかりと理由をつけて説明できます。
具体的には、職務内容/職場環境/待遇の何が不満で、何を解決したいのか、どうなったら満足なのかを言語化しておくことが重要です。
一人の力で実践するのが難しいなら、友人や知人などの第三者を頼る、転職エージェントなど知見がある人を活用するといった方法も効果的です。
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
この記事のポイント
・転職を繰り返すことは必ずしもデメリットばかりではなくメリットもある
・何も考えず繰り返すとメリットを得られず、デメリットばかり被ってしまう
・目的意識をもった転職を行うことで、転職を繰り返す悪循環を断ち切ることができる
理想を叶えるために行動することは、決して後ろ向きな行動ではありません。理由や意図を説明できる転職であれば、繰り返していても問題ないのではないでしょうか。
問題は、繰り返したくないのに繰り返してしまう、という状態に陥ることです。
そうならないよう、しっかりと準備し、目的をもった転職活動を行っていきましょう。
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