営業職のスタイルはさまざま
営業職は幅広い業種で採用されており、業種によって営業スタイルにもさまざまな方法があります。営業対象となる顧客や販売する商材によって、以下のように分けることができますので、ぜひ参考にしてください。
1.対象顧客
営業の対象となる顧客は、主に次の2つに分けられます。
- 法人(企業を対象とする)
- 個人(一般家庭や個人事業主、小規模企業の経営者などを対象とする)
法人営業(Business to Business)は取り扱いジャンルが幅広く、取扱額が数千万円から数億円単位に至る可能性もあります。多額の資金を扱うことになるためやりがいを感じやすい一方、交渉者と決裁者が異なるため、個人に比べて成約に至るまでの期間が長引く傾向が見られます。
個人営業(Business to Consumer)は、決裁者に直接会ったうえで商談できるケースが多く、短い期間でアプローチから成約まで進められる点が特徴です。
2.販売商材
営業職で販売する商材についても、次の2つに分けられます。
- 有形商材(形があり、手に取ることができるもの)
- 無形商材(形がなく、目に見えないもの)
有形商材は、顧客に対して商品を手にとって見せられるためイメージがわきやすく、購入につながりやすい特徴があります。一方、無形商材は広告やサービスなどが代表的な商品であり、形がないため有形商材よりも営業が難しいと感じるでしょう。顧客側もどのような商品なのか、イメージしづらいと感じる傾向が強いものです。
3.営業手法
営業を展開する場所やアプローチ法によって、営業手法は次の3通りに分けることができます。
- インサイドセールス(電話やメールなどを使い、内勤で営業する)
- フィールドセールス(インサイドセールスから情報を引き継ぎ、顧客を訪ねる)
- カスタマーサクセス(既存顧客にサービス提供のためのアプローチをしたり、新規 サービスを提案したりする)
上記で述べた営業手法は、販売したい商材に応じた使い分けが重要です。価格が安く、機能の説明も簡単にできる商材には、インサイドセールスが適しています。反対に、価格が高く、複雑な機能を持つ商材であれば、フィールドセールスによって営業担当者によるフォローが必要です。
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営業職への転職で求められるスキル
営業職へ転職して幅広い顧客から支持を得るには、幅広いスキルの習得が重要です。ここでは、特に求められるスキルを3つ紹介します。
1.コミュニケーション能力
営業職では、日々多くの顧客とコミュニケーションを取る業務がメインだといっても過言ではありません。コミュニケーション能力が不足していると、営業職の要である顧客とのやりとりを苦痛に感じるおそれもあります。
営業職に就く前の、転職時の面接で面接官と適切な受け答えを行うためにも、コミュニケーション能力は必須です。当然、日々の業務における社員同士のやり取りにおいても、コミュニケーション能力が欠かせません。このように、コミュニケーション能力はあらゆる場面で要求されるスキルです。
2.ヒアリング能力
営業職では商材を提案するだけではなく、顧客との会話の中でニーズを的確に引き出すヒアリング能力が求められます。ニーズが把握できれば、顧客に対して最適な提案やアプローチが可能になります。
さらに経験を積んでいくと、会話の内容からニーズを予測できるようになり、営業能力の向上につながるでしょう。顧客からの信頼度も上がり、活躍の場をさらに広げられます。
3.マーケティング能力
マーケティングを行う目的は、顧客および市場のニーズを把握することです。これは、上記で紹介したヒアリング能力と共通している点があります。
マーケティング能力が高ければ顧客のニーズを正確に把握でき、営業効率を向上させることができます。一方で、営業の場面で顧客にヒアリングした内容をマーケティングにフィードバックすることもでき、マーケティング精度が高められます。マーケティング能力とヒアリング能力の双方を持っていると、営業の場で相乗効果が発揮できるのです。
営業職に転職するメリット
営業職に転職すると、次のようなメリットがあります。それぞれの内容を詳しく解説します。
1.インセンティブを期待できる
多くの企業では、営業職の給与にインセンティブ(歩合制)を反映させています。営業成績が上がれば、その分給与も上がるでしょう。給与に占めるインセンティブの割合は企業ごとで定められていますが、スキルアップによって基本給とインセンティブのどちらも増額していく可能性もあります。インセンティブは営業職のやりがいとも言える制度です。
2.コミュニケーション能力が向上する
営業職では自社の商品やサービスについて、特徴や価値などを幅広い顧客に伝えることで販売を促進します。このとき、顧客の立場に合わせたセールストークやアプローチが求められますが、それは顧客以外とのコミュニケーションと内容が全く異なります。
日々営業を繰り返すうちに、コミュニケーション能力が向上していくのです。また、「転職で求められるスキル」で述べたように、もともとコミュニケーション能力を備えている人は、未経験からの転職でも採用されやすい傾向があります。必要な商品知識は入社後に学べるため、転職前にどの程度コミュニケーション能力を兼ね備えているかどうかが重要です。
3.比較的どの業種でも必要とされる
営業職のスキルは、業種や業界を限定せず幅広く必要とされます。営業職を経験すると、その後の仕事や転職を考える時にもスキルとしてアピールできます。どの企業でも、売上アップの根幹にあるのは営業職であることを理解しておくと役立ちます。
4.自分の実力が評価される
営業は、一人で行う場合もあれば、チームで取り組むケースもあります。どちらの場合でも、営業成績は数字で表されるため、実力が分かりやすく評価されるのです。実力が評価されると昇給や出世の可能性も高くなり、やりがいにつながっていくでしょう。
5.自分のペースで仕事ができる
外回りの営業では、自分で時間配分でき、自分のペースで仕事ができます。これは、将来独立を計画している人にとって大きなメリットです。営業で得たスキルや論理的思考は、独立に向けた強みとなり、これに人脈を加えるとさらに独立へと近づくことができます。
営業職に転職するデメリット
営業職への転職は、これまで紹介したメリットがある一方で、デメリットも存在します。前向きな転職にするには、デメリットも理解しておきましょう。
1.数字のプレッシャーがかかる
営業は、毎月売上目標やノルマなどが数字で設定されています。達成が厳しくなり、上司から声かけがあると、大きなプレッシャーを感じます。プレッシャーに弱いと、数字の重圧に耐えられないかも知れません。
また、メリットの項目で述べたインセンティブは、売上が少ないと給与に含まれないため、売上次第では給与が大幅に下がります。給与という数字のプレッシャーも、重くのしかかってくるのです。
2.残業が発生する可能性がある
営業は、顧客の予定に合わせてアポイントメントを取る必要があり、自分の時間をコントロールしづらいデメリットがあります。場合によっては残業や休日出勤が発生する可能性もあるでしょう。これはどの業界の営業にもほぼ同じことが言えます。
営業で好成績を上げたいのであれば、ある程度の残業は覚悟しておかなければなりません。
3.取引先と会社の板挟みになることも
営業は、取引先と会社の橋渡しとなる役割を担っています。同時に意見が対立したり、優先順位に迷ったりした場合、板挟みとなる立場でもあります。
例えば、会社の休日に顧客の希望をどうしても叶えなくてはならない場合に、自分以外の社員が出勤する必要があると、社員から非難を浴びる可能性もあるでしょう。非常に気まずい立場ではありますが、営業職では高い頻度で聞かれるやり取りです。
営業職への転職を成功させるためには
ここまで紹介した内容を踏まえ、営業職への転職を成功させるには、どのような点を心がけると良いのでしょうか。
1.自分が就きたい営業の種類を明確にする
ひとくちに営業といっても種類はとても多く、特徴も異なります。自分がどのような営業を行いたいか、希望する営業種類を明確にすると、転職への対策がとりやすくなります。
企業の募集要項には営業の種類が記載されていますので、自分のスキルが活かせるのか、やりたい営業ができるのかなどを見極めた上で応募するようにしましょう。
2.相手に好感を与える話し方や姿勢を身に付ける
営業では、相手に話を聞いてもらうことが第一歩であり、好感を与えられるかどうかが大変重要です。相手が不快感を覚える話し方や姿勢では、話に耳を傾けてもらえないでしょう。
どうしたら相手に好感を持ってもらえるかを常に考え、話し方や姿勢などを考慮するようにしましょう。
3.自分に向いている業界を探す
先に述べた、自分が就きたい営業の種類を明確にすることと合わせて、自分に向いている業界を探すのも重要です。自分が興味のある分野であれば、営業によるやりがいも強く感じられます。
業界によっては、興味があっても営業職として働くことが難しい場合もあります。自分に向いているかどうか・営業職として働けるかの両面から、業界について調べていきましょう。
4.営業職に強い転職エージェントに登録する
転職エージェントは、それぞれ得意な分野を持っており、企業と提携してあらゆる情報を入手しています。企業の紹介に加え、書類選考や面接に向けての対策、入社後のサポートなど、転職に関してトータルで支援するサービスです。
営業職に強い転職エージェントでは、希望する営業の種類やこれまでの経歴などに合わせて、キャリアアドバイザーと打ち合わせした上で適切な企業を紹介してもらえます。キャリアを活かした上で営業職への転職を希望する場合は、転職エージェントの活用がおすすめです。
最後に
営業職への転職に必要なスキルは、自分自身の努力や取り組みによって習得できるものばかりです。転職によって、自分がしたい仕事や将来のビジョンなどを明確にすると、希望に合った企業への転職が実現できるでしょう。
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