転職に伴い現職場で行う手続きとは
転職が決まってから行う手続きは多数あるため、計画的に行動することが重要です。転職が決まった際に、現職場で行うべき下記3点について説明します。
- 退職届を提出する
- 必要な書類を返却する
- 必要書類の受け取り
退職日間際までに必要な手続きをしないなど、会社に迷惑をかけないようにしましょう。
退職届を提出する
現職場に退職の意図を伝えていない場合は、早急に退職願や退職届を提出して、退職日を決定する必要があります。退職届は会社指定のフォーマットや、指定がない場合はWebにある様式を参考に作成しても良いでしょう。退職日については、引継ぎ期間を加味して上司と相談しながら決めます。この際、転職活動と並行して自分の業務を整理し、引継ぎ書などを作成しておくと円滑に進められます。
必要な書類を返却する
退職をするにあたって、現職場に主に以下6点の必要書類を返却します。
〇健康保健被保険者証(保険証)
会社の健康保健組合に加入している場合、退職を機に脱退となるため返却が必要です。会社によっては、全国健康保険協会から脱退するケースもあります。
〇身分証明書(社員証やIDカード、社章など)
会社に帰属していることを証明するものは、すべて返却対象です。
〇名刺
自分の名刺はもちろんですが、業務を通じて受け取った名刺も返却対象となる場合があります。
〇通勤定期券
通勤用の定期券を会社から支給されている場合は、退職日までに清算し返却します。
〇勤務先の経費で購入した物品
経費で購入した文具や書籍などは、会社の備品となるため返却します。
〇書類やデータ
自分が作成した書類やデータであっても、会社の機密文書を持ち帰るとトラブルになる可能性があります。業務で扱った書類やデータは、すべて返却しましょう。
必要書類の受け取り
こちらから返却するだけではなく、退職時に現職場から受け取るべき書類もあります。書類の手続きは、会社によって日数を要することがあるため、退職日に間に合わない場合もあります。そのため、必ず事前に担当部署に確認しておくようにしましょう。受け取りが必要な書類については、次項にて詳しく解説します。
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現職場で受け取る書類
前述のとおり、現職場での退職に向けて、必要書類を受け取る必要があります。主に以下の5点です。
- 雇用保険被保険者証
- 離職票
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 退職証明書
会社員であれば、会社側が厚生年金や各種保険・税金を納めているため、今度は必要な書類を転職先へ提出する必要があります。
1.雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証とは、転職先に提出が必要な書類のひとつで、雇用保険の被保険者であることを証明するものです。入社時に交付され、基本的には会社保管ですが、各自で保管するケースもあります。万が一、紛失してしまった場合は、住所地を管轄するハローワークで再交付が可能です。ただし、再発行には「被保険者番号」が必要となるため、事前に会社に確認しておきましょう。
2.離職票
転職先が決まっている際は必要ありませんが、これから転職先を探す方にとっては、雇用保険の失業給付を受ける際に必要な書類です。退職理由によって失業給付の開始時期が異なるため、退職理由が正しく記入されているか確認しましょう。また、離職票の発行の手続きには時間がかかるため、退職後に郵送で受け取る場合もあります。
3.年金手帳
年金手帳は、転職先に提出が必要な書類で、厚生年金の加入者であることを証明するものです。これから転職先を探す場合は、自分で国民年金への加入が必要です。年金手帳を自分で保管していて紛失した場合は、自身の住所地を管轄する年金事務所において、「基礎年金番号通知書」の再発行手続きをしてください。
4.源泉徴収票
源泉徴収票は転職先に提出が必要な書類で、転職先の年末調整に使用します。ただし、転職時期により転職先での年末調整に間に合わない場合は、自分自身で確定申告をする際に必要です。
5.退職証明書
退職証明書は、会社から任意で作成される退職を証明する書類です。転職先企業に提出を求められる場合があるため、必要な場合は担当部署へあらかじめ伝えておくのが良いでしょう。
転職先に入社するまで一定の期間が空く場合の手続き
転職先が決まっていない、もしくは転職先へ入社するまでに期間が空く場合は、公的な手続きを自分で行う必要があります。主な手続きは下記の3点です。
- 失業保険の手続き
- 健康保険の手続き
- 国民年金加入の手続き
どのような手続きであるか内容を詳しく見ていきましょう。
失業保険の手続き
転職先が決まっていない場合は、住所地を管轄のハローワークで失業保険の手続きを行い、失業手当を受給できます。転職先が確定している場合、入社までの期間が空いていても受給することはできません。
実際の受給日は、退職理由が自己都合か会社都合かによって異なります。どちらも最初にハローワークへ行った日が起算日となるため、離職票を受け取ったらすぐに手続きを行いましょう。前述の通り、離職票は発行手続きに時間がかかるため、手元にない場合は代わりに退職証明書を利用します。
健康保険の手続き
転職先が決まっていても、入社まで一定の期間が空くときは、健康保険の切り替え手続きが必要です。下記2点のどちらかの方法で手続きを進めましょう。
1.国民健康保険に加入する
今まで加入していた健康保険を脱退し、国民健康保険へ加入します。住まいの各市区町村役所で、退職の翌日から2週間以内に手続きを行う必要があります。
2.健康保険の「任意継続被保険者」としてそのまま加入する
今まで加入していた健康保険を「任意継続被保険者」として、そのまま継続します。退職の翌日から20日以内に、申請書を会社へ提出する必要があります。
国民年金加入の手続き
20歳以上60歳未満の方は、国民年金への加入が義務付けられています。会社員で厚生年金や共済組合に加入している方は、第2号被保険者として加入しています。そのため、転職先が決まっていても、会社に在籍していない期間があるときは、第1号被保険者に切り替えましょう。役所から届く書類に、退職から2週間以内に必要事項を記入し、住所地のある各市区町村役所や年金事務所で手続きを行います。
転職先に提出する書類
次に、転職先に提出する書類について、解説します。主な提出書類は下記の4つです。
- 源泉徴収票
- 年金手帳
- 雇用保険被保険者証
- 健康保険被扶養者異動届
すぐに転職先へ入社する際は、転職先の会社で各種公的手続きを行います。そのため、事前準備をして、漏れがないように必要書類を提出するようにしましょう。
1.源泉徴収票
源泉徴収票は、転職先で年末調整に必要な書類です。現職場からの交付には時間がかかるため、入社後すぐに提出できなくても問題ありませんが、できるだけ速やかに提出できるよう現職場の会社に掛け合いましょう。
2.年金手帳
年金手帳は、転職先で厚生年金への加入手続きに必要な書類です。年金手帳のほかにも、基礎年金番号通知書などを求められるときがあるため、事前に準備しておきましょう。
3.雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証は、雇用保険の被保険者であることを証明するもので、転職先に提出します。転職先へ一度提出した後は自分で保管することが多いため、紛失しないように気をつけましょう。現職場から退職時に受け取り、転職先に提出することで、失業時に備えることができます。
4.健康保険被扶養者異動届
健康保険被扶養者異動届は、被扶養者(扶養家族)がいる場合に提出が必要な書類です。書類には必要事項を記入して提出しますが、被扶養者全員のマイナンバーが必要となるため、事前に確認しておきましょう。
転職時の手続きをスムーズに行うコツ
ここまで具体的な転職手続きについて説明しました。最後に、スムーズにすべてを終わらせるために、押さえておくべきコツを紹介します。
- 余裕を持ったスケジュールをたてておく
- 必要書類に漏れがないかチェックリストを作成しておく
では、具体的なコツの内容について見ていきましょう。
余裕を持ったスケジュールをたてておく
ここまで説明してきた通り、転職する際には多くの手続きが発生するため、余裕を持ったスケジュール管理が重要なポイントです。転職する前の最低2か月前には、会社に転職の意思を伝えておくのがベターです。スケジュールをたてる際には、転職の手続きに必要な書類や流れを理解し、いつ何をすべきかを把握しておきましょう。
必要書類に漏れがないかチェックリストを作成しておく
転職に必要な書類は多いため、現職場だけではなく、転職先においても手続きや書類のやり取りが煩雑化するおそれがあります。手続きに漏れがあると、現職場や転職先へ迷惑をかけてしまったり、その対応のために自分の時間を無駄に使ってしまったりする可能性があります。必要な手続きや書類のチェックリストを事前に作成し、そのリスクを回避して円滑に進めてください。
最後に
この記事では、転職時に必要な書類や手続き、よりスムーズに行うコツについて紹介しました。転職時には、自分自身で行う手続きと会社に行ってもらう手続きがあるため、計画的に進める必要があります。本記事を活用して、「立つ鳥跡を濁さず」円滑な転職を成功させましょう。
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