未経験でも転職して海外に行くことは可能か

結論からいうと、未経験でも海外で働くことは可能です。ただし、一口に「未経験」といってもその意味や経験者との線引きは、業種や業界により異なります。ここでは、未経験での海外転職事情について解説します。

未経験でもOKな求人もある

海外勤務・海外駐在の場合、専門分野での知識、経験、語学力などを有したハイスペックな人材が求められる傾向がありますが、未経験可の求人もあります。また、一部の企業ではポテンシャルも考慮して採用しているところもあります。若手であっても「業界や業種に問わず高いポテンシャルがある方」、「何かひとつでも自分の武器がある方」、「リーダーシップや主体性を持って仕事ができる方」であれば、チャンスがあるでしょう。

企業によって「経験者／未経験者」の分類は異なる
未経験といっても、海外勤務未経験の場合、職種未経験または業種未経験の場合があり、それぞれで状況は異なります。いずれにせよ、これまで遂行してきた仕事のなかで、積み上げてきた経験・実績に秀でる部分があれば、未経験でも海外勤務できる可能性は十分にあり得ます。

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語学力がなくても海外で働ける？

語学力不問の求人は少ないとはいえ、英語が話せない方でも海外で働くことはできます。ここでは、英語を話せなくても海外でできる仕事について解説します。

コールセンター業務

海外でのコールセンター業務は、英語を話せなくてもできる仕事として有名です。カスタマーが日本人であるため、英語を話せなくても問題ありません。また、コールセンターといっても、旅行業界から通信業界までさまざまな担当分野があり、返品交換の問い合わせを発注センター内で受付する仕事もあります。

日本人向けツアーガイド

日本人観光客が多く集まる観光地では、日本人観光客専門にサービスを行う日本人を採用している企業があります。日本人はより高いサービスを求める傾向にあるため、きめ細やかなおもてなしができる日本人スタッフの需要は決して低くはありません。具体的には、ホテルやクルーズ船、ツアーガイドなどの仕事があります。接客業の仕事がほとんどであるため、「旅行が好き」「接客業が好き」という方におすすめです。

ウエイターやウエイトレス

日本食レストランのウエイターやウエイトレスも英語が話せなくても働ける職種のひとつです。なぜなら、日本食レストランではたくさんの日本人が働いており、日本語環境である場合が多いためです。「飲食業に興味がある」「現地で日本食の良さを広めたい」という方は、ぜひ挑戦してみてください。

日本語教師

現地で、日本語を教える仕事は人気のある職種のひとつです。現地の言語ではなく、日本語を使って教えるケースがほとんどであるため、英語力やその他現地の言語が話せなくても問題ありません。また、日本語を教えた経験や教師経験が不要な場合も多いため、まったく経験がないという方でもチャレンジできる仕事です。具体的な仕事内容としては、現地の語学学校や大学などの教育機関において、日本語の授業をするのが主な業務となります。

日系企業の事務

海外にある日系企業の事務職では、日本語を使ってパソコン業務を行う、日本のオフィスとほとんど変わらない仕事があります。こういった仕事の場合、オフィス内では普段慣れている日本の環境とそれほど変わらずに働けます。

海外転職を実現させる方法とは

海外転職を実現させる方法は、主に「海外で日本人が設立した企業に応募する」「外資系企業などに転職してから駐在員になる」「海外企業の現地採用枠に応募する」「海外勤務の求人に強い転職エージェントを活用する」の4つです。ここでは、それぞれの方法について詳しく説明していきます。

外資系企業などに転職してから駐在員になる

海外で働きたい人のなかで、希望者が多い働き方が海外駐在員です。グローバルに展開する外資系企業で採用された後、海外に赴任します。任期は3〜5年程度が一般的で、「社長」「営業部長」「工場長」などマネジメントに関わるケースが多くなっています。難点としては、働いている企業からすぐに海外へ行けたり、希望の国へ行けるわけではないため、社内でアピールし続けることが必要になります。

海外企業の現地採用枠に応募する

2番めの方法は、海外企業の現地採用に応募し採用される方法です。現地の企業もしくは現地に進出している他国の企業であるケースですが、自身で国や仕事内容などを選択できます。給与は現地の水準で決定されますが、基本的に住宅手当などの福利厚生がないことが多くなっています。また、取引先や販売先が日本絡みでない場合は、高い語学力が求められるケースが多く、ビジネスレベルの英語や現地語の習得が必要です。

海外勤務の求人に強い転職エージェントを活用する

海外勤務の求人に強い転職エージェントを活用することも、効果的な手法のひとつです。海外勤務の求人は、求人情報で提示されている雇用条件と、現地で提示される雇用条件が異なるリスクがゼロではありません。一方、転職エージェントを介した求人では、雇用契約に関するリスクを大幅に減らせます。また、国際的な感覚をもつキャリアアドバイザーのアドバイスを受けることで、より良いキャリア形成につなげられる点も、転職エージェントを利用するメリットです。

海外転職後に後悔しないためには

海外で働くことには、プラス面もあればマイナスの面もあります。転職後に後悔しないためにも、ここで海外転職の注意点について理解を深めておきましょう。

転職して海外で働きたい理由を明確にする

「どこでも良いから海外で働きたい」という、転職理由があやふやな状態では、転職先を適当に選び、準備が不十分なまま渡航してしまうおそれがあります。そのような場合、理想と現実の違いに落胆したり、転職を後悔してしまったりすることになりかねません。そのため、転職時には海外で働きたい理由を明確にしておくことが重要です。

語学力を身につけておく

業界や担当する業務により求められる語学力は大きく異なるものの、相手の言っていることを理解し、自分の主張を伝えるレベルの会話力は最低限必要です。職種によっては語学力がまったく問われないケースもありますが、現地での日常生活を考えたときには、ある程度会話のキャッチボールができなければ大変なことの方が多いものです。そのため、渡航前から基本的な語学力は身に付けておきましょう。

給料を確認しておく

「現地の物価・生活水準」「転職後の業種・ポジション」「インセンティブの有無」などについても、事前に確認しておくことが重要です。特に、現地採用の場合は、その国の物価や生活水準に左右されることがあります。アジア圏や中南米などでは日本に比べて年収ダウンとなるケースが少なくなく、将来帰国して働くことを考えた場合、あまりにも大幅な給与ダウンは避けた方が良いでしょう。

もちろん給与は、職種やポジションによっても変わりますが、日本国内と比べてその差にメリハリがあります。専門性が高く、経験を要する業種ほど、高収入が望めるのはいうまでもありません。また、マネジメント職や営業職などの成果が求められる仕事では、インセンティブが設定される場合があります。年俸などのほかに、自身の年収アップを考えるのであればインセンティブの有無や条件についてもチェックしておくべきです。

海外転職に踏み切る前に別の方法もある

海外転職といえば、ワーキングビザを取得して本格的に働くことをイメージするかもしれませんが、ワーキングホリデーやアルバイトという選択肢もあります。ここでは、海外転職に踏み切る前に知っておきたい、2つの方法を解説します。

ワーキングホリデー

ワーキングホリデーとは、海外で一定期間生活ができる特別なビザ制度のことです。ワーキングホリデーでは、滞在資金を補うために現地での就労が認められており、渡航してから仕事を探せます。また、ワーキングホリデー期間の終了後に、現地で就職することも可能です。

アルバイト

ワーキングホリデーの協定がない国で働きたい場合や、留学先の国で働きたいという場合は、アルバイト先を探すのがおすすめです。アルバイト自体は、主に学生向けのものであることから、留学生がアルバイトするケースは少なくありません。

ただし、学生ビザではアルバイトすらできない場合もあります。アメリカのように学内のみアルバイト可の国もあれば、オーストラリアのように2週あたり40時間まで可など、国によって規定が大きく異なるためです。まずは、渡航する国の就労条件を確認しておくことが重要です。

最後に

今回は、未経験から海外転職を実現させる方法や、海外転職後に後悔しないためのポイントについて解説しました。海外転職は、そのハードルの高さから一部の限られた人だけに与えられたチャンスだと思われがちです。しかし、国際化が進む今の時代は、日常会話程度の英語力と強い意志があれば、未経験でも海外に転職できるチャンスがあります。本記事が「海外で仕事がしたい」という夢を叶えたい方や、「海外移住に興味がある」という方の参考になれば幸いです。

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