資格を保有していれば、専門的な知識やスキルの証明になり、企業からも信頼されやすくなるため、持っていて損はありません。今回は転職に必要な資格について解説していきます。また資格を取得するときに注意したいポイントについても触れています。
目次
転職における資格の役割とは?
資格は、保有しているだけで「転職活動に有利になる」と思われがちですが、必ずしも有利に働くとは言い切れません。なぜなら、資格にはさまざまな種類が存在していて、保有している資格が転職先で求められているものと一致するとは限らないからです。
そのため、資格を取得する際には、「なぜその資格が必要なのか」「転職先の企業で求められているものなのか」ということを見極めることが重要です。以下では、資格の役割を大きくふたつに分けて説明します。
必須の資格
まずひとつ目は、職業に就くのに必ず求められる「必須資格」と呼ばれるものです。国家資格に多く、「業務独占資格」と呼ばれるものがこれにあたります。必須資格を持つ代表的な職業には、医師や弁護士、美容師などがあります。いずれの職業も専門性が高く、資格を持っていないと業務が成り立たちません。
有利に働く資格
ふたつ目が就職や転職に有利に働く「必置資格」です。必置資格とは、事業を行う際にその企業や事業所にて特定の資格保持者を必ず置かなければならないと法律で設置が義務づけられている資格のことで、設置義務資格ともいわれます。代表的な必置資格には、「宅地建物取引士」「管理業務主任者」「衛生管理者」などが挙げられます。
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資格があると転職に有利か
職業によっては、資格を持っていれば大変有利に働きます。なぜなら、資格の取得は、知識やスキルがあることの証拠になるためです。ここでは、資格があると転職においてどのように有利になるのかを説明します。
資格のみで未経験でもOKな場合もある
資格を持っていれば未経験でも転職可能なケースは決して少なくありません。特に、20代での転職は、チャンスも多いうえに経験やスキルについては重視されない傾向にあるため、気になった求人には積極的に応募することをおすすめします。
特定の資格取得が必須の求人もある
必須資格をはじめとする特定の資格取得が必須の求人もあります。このような求人は、資格必須の仕事であるため、資格が取れるまでは助手(アシスタント)業務や別の職種からのスタートを提案される可能性が高くなります。
転職したい業界で有利な資格は強い武器になり得る
資格があれば、採用担当者からモチベーションの高さや知識を評価してもらいやすくなります。更に、希望する業界で有利となる資格があれば、取っておくと強い武器となるでしょう。
転職におすすめの資格(理系編)
ここからは、転職におすすめの資格を紹介します。まずは理系編です。
1.電気主任技術者
電気主任技術者試験は「電験」とも呼ばれており、電気系の資格の中で最高ランクとされる資格です。電気主任技術者の資格を取得していると、電気設備の保安監督として活躍することが可能になります。この保安業務は電気主任技術者の独占業務と法律で定められているため、高いプロ意識をもって仕事に取り組む方が多いことも特徴です。
2.危険物取扱者
危険物取扱者資格とは、危険物を取り扱うために必要な資格です。危険物取扱者の資格が役立つ職種は数多くあり、代表的なものには、「ガソリンスタンド」「化学系メーカー」「石油会社」「自動車整備工場」「薬品会社」「消防士」などが挙げられます。中高年や女性も就職しやすい資格であり、学生でも取得可能なため、気になった方はぜひ挑戦してください。
3.管理栄養士
食品メーカーへの就職を希望する方におすすめしたいのが、管理栄養士です。管理栄養士は栄養に関する知識はもちろんのこと、食品全般に関する基礎知識を備えているとみなされています。そのため、品質管理や品質保証、商品開発などの場でも活かすことができる資格です。また、食品業界以外にも、栄養管理のスペシャリストとして医療業界や介護業界のほか、出版業界やマスコミ、スポーツ業界などでも活躍の場があります。
4.食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品製造に携わりたい方にとっておすすめの資格です。食品衛生責任者の主な役割は、食品の製造や加工、調理、販売などを行う施設において、食中毒や食品衛生法違反を防ぐために、衛生上の管理や指導を行うことにあります。資格取得には、2日間の講習に出席し、講習後に行われるテストに合格する必要があります。東京都では月に5回以上講習が実施されており、テストの難易度もそれほど高くないため、比較的取りやすい資格といえるでしょう。
転職におすすめの資格(文系編)
続いては、転職におすすめの文系の資格を見ていきましょう。
1.日商簿記検定
企業の経営活動を記録・計算・整理し、財務諸表を読む力や、基礎的な経営管理や分析力が身につく簿記は、社会人に求められる資格として絶大な人気を誇ります。業種・業界問わず必要な知識であり、経理・財務部門はもちろん、会社を設立して独立する際にも役立てることができます。年間60万人も受験する人気資格であるため、教材や講義が充実しているといったメリットも存在します。
2.宅地建物取引士
宅地建物取引士は、毎年20万人が受験する人気の国家資格です。「宅建」と略していわれることが多く、合格すると不動産取引の専門家であることを示せます。建築会社においては、自社で建築した物件を販売する際には宅建士の資格が必要です。また、不動産会社でも、ひとつの事務所において従業員数の5分の1以上の割合で専任の宅建士設置が義務となっているため、取得していると転職に有利に働きます。
3.司法書士
司法書士は、一般市民や企業からの依頼を受け、土地や建物の売却・財産分与・債務整理など、素人では難しい手続きを代行します。不動産登記業務を始めとして、裁判所・検察庁・法務局などに提出する書類の代理作成が主な業務となります。現在、司法書士事務所や一般企業では、司法書士資格を持っている人材が不足している状況にあります。そのため、司法書士資格を持っているだけで重宝される存在となり得るでしょう。
4.ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャル・プランナーとは、主に個人に対して将来のライフイベントに沿った資金計画やアドバイスを行うお金の専門家です。ファイナンシャル・プランナーの資格は大きく2つに分けられ、国家資格の「FP技能士」と民間資格の「AFP」「CFP」があります。FP技能士は1級〜3級の3段階あり、転職では2級以上が求められることが多くなっています。合格率はFP2級で25〜30%程度と国家資格の中では難易度が低く、有数の人気資格となっています。
転職におすすめの資格(IT系)
最後にIT系のおすすめの資格をリストアップします。
1.プログラミングの資格
プログラマーになるために資格取得は必須ではありません。しかしプログラミングに関連する資格を取得することにより、就職や転職が容易になります。プログラミングには多くのプログラミング言語があり、分野や職種によって必要な知識や技術が異なります。そのため、まず自分の就きたい職種に必要なプログラミング言語や技術を知っておく必要があります。
2.ウェブ解析士
ウェブ解析士は、データを正しく読み取り、内容を改善してアクセスアップにつなげる技術者の育成を目的とした民間資格です。現在は、業界を問わず多くの企業が自社のHPを公開しているインターネットの時代です。そのため、特にネットビジネスに重きを置いている企業であれば、とても重宝されるスキルといえるでしょう。
資格取得時に注意すべき点
資格を取得すること自体を目的として考えてしまうと、思うような結果を得られなかった時に、「資格は意味のないもの」と認識してしまう可能性もあります。資格取得によって転職成功を手にするためにも、ここで資格取得時に注意すべき3つの点について理解を深めておきましょう。
転職したい業界において必要な資格を調べる
やみくもに資格を取得しても、転職したい業界とまったく関係のない資格ではあまり意味がありません。そのため、資格を取得する際には、希望する就職先と関係がある資格かをよく確認しておきましょう。どのような仕事内容で、どのような人物像が求められているかなどをしっかりと調査し、そのうえで有効な資格を取得することが転職成功の近道です。
転職志望動機と関連付ける
資格は、自分の志望職種・業種に直結するものや、業務に役立つ知識が得られるものであればより一層効果が高まります。特に志望動機と関連付けたうえで、それを面接できちんとアピールできれば、応募企業から高い評価を得られるでしょう。
効率的に学習を進める
資格取得にはポイントを押さえた効率的な学習が必要不可欠です。働きながら時間を確保するのは大変ですが、しっかりと計画を立て、一発合格を狙いましょう。あくまで転職に活かすための資格取得ということを忘れずに、無駄のない学習を行ってください。
最後に
今回は、転職に有利な資格や資格取得時に注意すべき点について網羅的に解説しました。応募先の企業でどのような資格が求められているか分からないという方は、転職エージェントなどのサービスを利用し、情報収集するのもひとつの手です。また、業種や職種に捕らわれにくい、語学などの汎用的な資格を取得するのも良いでしょう。ぜひ、本記事を参考に、転職したい業界に有利な資格を取得してください。