40代における転職を成功させるのはなかなか厳しいと良く言われますが、どのような理由からなのでしょうか。
この記事では40代の転職の実態から、後悔しない転職をするためにはどのようなポイントに気を付ければよいのかまで詳しく解説します。
40代における転職の実態とは?
40代における転職の実態とはどのようなものなのでしょうか。
4つの観点からご紹介します。
40代における離職理由
2020年に厚生労働省が発表した「令和2年雇用動向調査」の結果によると、40代における離職理由は次のようになっています。
40才~44才男性 | 45才~49才男性 | 40才~44才女性 | 45才~49才女性 | |
契約期間の満了 | 6.0% | 7.2% | 12.5% | 13.1% |
結婚 | 0.2% | 0.0% | 0.4% | 0.1% |
出産・育児 | 0.0% | 0.0% | 2.7% | 0.1% |
介護・看護 | 0.8% | 0.2% | 1.5% | 2.0% |
結婚・出産・育児を機会に離職する人が5%前後いる20代~30代の女性、契約期間の満了で離職する人が10%前後いる20代~30代の男女と比較すると、離職理由に親の介護・看護という新しいライフステージの変化が男女問わず少しずつ現れてきているのが特徴的と言えるでしょう。
介護・看護と仕事を両立させることはなかなか困難であることから、働き盛りとも言える40代が職を離れてしまうという実態があるのがわかります。
40代における入職と離職の状況
「令和2年雇用動向調査」では2020年における入職者数は 7,103万4 千人、離職者数は 7,272万1 千人で、離職者が入職者を 168万7千人上回っていることがわかりました。
また40代における入職率と離職率は次の通りです。
40才~44才男性 | 45才~49才男性 | 40才~44才女性 | 45才~49才女性 | |
入職率 | 6.7% | 5.4% | 13.7% | 10.7% |
離職率 | 6.5% | 6.6% | 11.8% | 11.5% |
40代前半では離職率より入職率が上回っているものの、40代後半では離職率の方は1%ほど高い数値が出ているため、40代においては一度離職すると入職しにくい状況が浮かび上がってきます。
40代の転職成功率
2008年~2021年の間にdodaエージェントサービスを利用して転職した28万人を対象に行った調査によると、2021年における転職成功者の平均年齢は31.7才、40才以上で転職に成功した人の割合は14.6%であることがわかりました。
25才~29才で転職に成功した人が40.5%、30才~34才で転職に成功した人が23.3%であることと比較するとかなり低い数値のため、40代の転職成功率はあまり高くないのが現実だと言えます。
参考:doda「コロナでどう変わった?転職成功者の平均年齢調査【最新版】」
40代が転職した後の収入
2020年に転職した人の賃金について「令和2年雇用動向調査」で調べたところ、40代では次のような結果が出ました。
40才~44才男女 | 45才~49才男女 | |
前職と比較して増加した | 39.1% | 37.7% |
前職と変わらない | 31.0% | 34.0% |
前職より減少した | 28.5% | 28.0% |
20代~30代では増加したと回答した人の割合が40%程度であるのと比較すると、厳しい数字であると言えるでしょう。
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40代での転職が厳しいと言われる理由
40代で転職するのはなぜ厳しいと言われてしまうのでしょうか。
企業側の理由と転職者側の理由にわけてそれぞれご紹介します。
企業側の理由
40代の転職が厳しいとされる企業側の理由は次の3つです。
人件費が多くかかる
40代を正社員で雇用する場合、スキルや経験に合ったそれなりの年収を提示しなければならないため、企業にとって人件費が多くかかることになります。
すると高い年収に見合った人材かどうかを企業側としても慎重に検討せざるを得なくなり、求人数が少なくなったり、20代や30代の持つポテンシャルに投資して育成しようという考えになったりすることがあるでしょう。
高い人件費に採用や育成にかかるコストを加算した場合、40代の転職者を採用して元が取れるかということを企業は考えるため、40代の転職は厳しい状況となりやすいのです。
柔軟性に欠け固定観念に染まっている人が多い
企業では転職者に対して自社の社風や環境に柔軟に馴染んでいってほしいと考えているため、40代の転職者に対しては固定観念や前職での業務のやり方に執着してしまうのではないかと判断しやすいのです。
新しいことに挑戦し、今までの実績や経験に固執しないということを書類や面接で伝えることができなければ、40代での転職活動は厳しいものとなりやすいでしょう。
扱いにくさを感じるため
40代の転職者は、現場で働く年下の上司にとっては扱いにくい存在と感じさせてしまうため、採用されにくくなることがあります。
40代の転職者はある程度のスキルや経験があるとはいえ、転職先ではその会社ならではのルールや仕事のやり方について1から覚えなければなりません。
その教育を担当するのが年下の部下でも、相手を尊重し上司として素直に指示に従うことができる自信がなければ、40代での転職は厳しいでしょう。
転職者側の理由
40代の転職が厳しいとされる転職者側の理由は次の3つです。
転職先の企業へ求めるものが多くなりがちなため
40代で転職をする場合、前職での経験・スキル・実績を踏まえた年収や、自分にとってよりよい環境など企業に求めるさまざまな条件が厳しくなりがちです。
しかし40代に対する求人自体が少ない中、このような条件に合う企業を探すのはとても難しいことだと言えるでしょう。
40代の人が転職する場合、自分が求める条件が実力に合っているかどうかを客観的に見極めなければ、転職活動が厳しいものとなってしまいます。
スキルや経験が不足しているため
20代、30代までの転職においては転職先の企業における業務をこなす上で必要なスキルや経験が重視されます。
しかし40代での転職ではそれに加えてマネジメント経験、コミュニケーション能力、課題解決能力などが求められるようになるでしょう。
つまり今まで現場の仕事ばかりをこなしてきて管理職の経験がない人は、それだけで採用されにくくなってしまうということです。
マネジメント能力をアピールできない場合、転職先の仕事に役立つ資格取得やスキルアップをしておき、書類や面接で訴求できることを増やしましょう。
自己評価と転職市場での価値にギャップがあるため
自分に対する評価と転職市場での価値にギャップがあると、転職活動は厳しいものになります。
客観的な転職市場での自分の価値に気づけず、実力に見合わない企業にばかり応募していると、いつまでたっても転職を成功させることはできません。
40代での転職だからと自己分析を怠らず、自信過剰だと感じるなら信頼できる人に自己分析の結果を評価してもらうなどの工夫をしてみましょう。
40代で転職を成功させるためのポイント
40代での転職活動は厳しいものであると理解した上で転職活動を成功させたいなら、押さえておきたいポイントを5つご紹介します。
転職で希望する条件や転職で実現したいことを明確にする
40代の転職活動を成功に導くためには、転職活動を始める前にまず転職で希望する条件や転職で実現したいことを明確にしておくことが重要です。
また転職で希望する条件に優先順位をつけておくと、より転職活動が効率的になるでしょう。
条件や実現したいことがはっきりしないまま転職活動をすると活動の軸がぶれるため、面接で「なんとなく転職活動をしている」という印象を与えてしまうことにもなりかねません。
多くの条件や実現したいことを並べるのではなく、「これだけはゆずれない」ということを決めて転職活動に臨むようにしましょう。
転職先企業の情報収集を徹底して行う
企業が求めている人物像を知るという観点から、転職を希望する企業の情報を徹底的に収集しましょう。
具体的には次のようなことを理解しておくのが重要です。
- 事業内容
- 沿革
- 経営方針
- 決算書
- IR情報
- 組織体制
近年では企業のホームページだけでもかなりの情報を収集できるため、これらの情報から自分が会社にどのように貢献できるのかを導き出してみましょう。
リファラル採用を狙う
40代にもなると働き続けてある程度の年数を重ねてきているため、それなりの人脈を築いている人も少なくないのではないでしょうか。
そのような人脈を活用してリファラル採用を狙うのも40代の転職活動では有効です。
リファラル採用とは自社の社員に知人や友人を紹介してもらう採用手法で、企業にとってのメリットは企業理念や社風を理解している社員が、人柄を知っている知人や友人を紹介するためミスマッチが起こりにくいことです。
転職市場には出てこない思わぬ採用情報を得られるなど有利なこともありますが、スキルや人間性が評価されていないと紹介を受けられないため、リファラル採用を過信しないことが大切だと言えるでしょう。
人材不足の業界を選ぶ
慢性的に人材不足の業界を選んで転職するという方法もあります。
企業が人材をとりあえず確保したい場合、スキルは仕事をしながら身に着けてくれればよいというスタンスを取る場合もあるため、40代でどうしても転職したいなら一度はこのような業界への転職も考えてみるとよいでしょう。
転職先が決まるまで退職しない
40代で転職する場合、退職を決めてからじっくり転職活動を行いたいという人もいるかもしれませんが、収入が途絶えた状態での転職活動は生活苦から精神的な余裕がなくなる可能性が大きいため、あまりおすすめできません。
どこの企業でも良いので早く転職したいという気持ちにとらわれてしまうと、転職に失敗してしまう可能性も出てくるため、転職先が決まるまでは退職をしないようにしましょう。
最後に
この記事で説明した内容は次の通りです。
- 40代における転職の実態は、40代後半において離職率の方が入職率より高くなり、転職成功率も14.6%とかなり低い数値となっているため厳しいとされている
- 40代の転職が厳しい理由は企業側では人件費が多くかかり扱いにくさを感じていること、転職者側では企業に求める条件が多く自己評価と転職市場での価値にギャップがあることなどが挙げられる
- 40代でも転職を成功させるためには条件や転職で実現したいことを明確にし、転職先が決まるまで退職しないことが重要である
この記事も参考にして、ぜひ40代での転職を成功させてください。
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