転職活動の全体像

まずは、転職活動の全体の流れについて把握しましょう。

転職のスケジュールは以下の5つのステップで立てるのがコツです。

STEP1. 準備：自己分析や転職の軸、スケジューリング

STEP2. 情報収集～応募：情報収集、企業に応募

STEP3. 選考～内定：書類選考、面接を経て内定

STEP4. 退職準備：仕事の引き継ぎ、事務手続きなど

STEP5. 入社準備：退職、入社先の仕事のための勉強など

全体を通じて、一般的な転職者の転職活動に費やした平均期間は3〜6カ月と言われています。期間にムラがあるのは、人それぞれに状況が異なるからです。どうしても行きたい業界や応募したい企業、やりたい職種があり、それらにこだわって業界や職種、企業を絞っていると応募数が単純に減ってしまうなどの理由で期間が必然的に伸びてしまいます。なるべく早めに転職先を決めたいと考えている方は転職の軸を定め、幅広く活動することがおすすめです。

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STEP.1 準備

全体の流れを把握したうえで、予定日をあらかじめ決めてスケジュールを考えることが転職活動をうまく進めるためのコツです。予定日を決めないで転職活動を始めた場合、想定以上に活動期間が伸びてしまい、働きながらの活動となると心も体も疲弊してしまいます。また、うまく内定をもらえたとしても、スケジュールが合っていないと他の企業からの内定のタイミングが合わず、内定承諾条件などを比較検討するのが難しくなってしまいます。

まずは、各ステップでどれくらいの期間がかかるのかを把握して、スケジュールを立てましょう。

例）

6月1日に入社する

→退職交渉14日

→引き継ぎ14日

→退職の1カ月前には退職届（就労規則による）

→内定までに2カ月かかると想定

→合計して3カ月かかる

スケジューリング

一般的なスケジュールの例を示します。

STEP1.準備 ：1～2週間

STEP2.情報収集～応募 ：2週間

STEP3.選考～内定 ：4～5週間

STEP4.退職準備 ：1週間

STEP5.入社準備 ：4～5週間

合計で、約3カ月

あくまで目安なので、どれくらいの期間がかかるかは人によって異なります。

特に、会社の就労規則によっては2カ月かかる企業などもあるので、転職を検討している人は転職活動を始める前に就労規則を確認しましょう。

退職準備や入社準備にどれくらい期間が必要かは想定しかできないので、直近で転職した社員がいる場合はその方を参考にもできます。

転職の目的を明確にする

転職活動を始める前に、転職の目的と目標を明確にしておく必要があります。なぜなら、転職は手段でしかないからです。転職をしたいと考えている人のほとんどが現職に不満があって転職を検討されていると思います。スキルアップにしても、現職でのスキルアップが期待できないから転職を検討しているのであって、単純に嫌だからという以外の理由でも転職にはさまざまな目的があります。

転職でかなえたい未来を手に入れるためには、現職ではかなえられないことを明確にすることによって自分が選ぶべき業界や業種、企業を絞れます。

自己分析をする

転職したい理由と目的を明確にしたうえで、自分にとってどのような業界や業種、企業が合っているのかを知るためには、自己分析をするのをおすすめします。

もし仮に、自己分析をしないで自分が入りたいと思う企業から内定がもらえたとしても、その企業に入ることで自分がどのように活躍できるかイメージすることは難しいでしょう。

もちろん、面接を通過するためには企業と自分の価値観があっていないと面接を通過すること自体が困難であるといえます。

まずは、自分の強みや転職の軸を分析し、自分のことを深掘りすることから始めましょう。

STEP.2 情報収集～応募

自己分析と転職目的をはっきりさせたら、次は業界や業種、企業の情報収集を始め、書類選考へと進めましょう。その際に、転職サイトや転職エージェントをうまく活用することで自分が知らない会社への選択肢を増やすことができるのでおすすめです。

業界、職種、企業の研究

自己分析の結果から業界研究、企業研究を進めます。

自分のやりたいことやかなえたいことを実現するためには知名度が低い企業やベンチャー企業など今までになかった選択肢も見る必要があるかもしれません。知名度が低いことやベンチャー企業だからという理由だけでその企業を選択しないのはもったいない可能性があります。第三者からの意見を元に、自分の転職目的と照らし合わせ判断しましょう。

応募書類作成

応募書類には、「履歴書」と「職務経歴書」が一般的です。就職活動と異なり、基本的には紙ではなくデータで提出します。転職エージェントによっては、具体的な志望動機を書く必要がない場合もあります。面接の際には、志望動機や自己PR、転職理由、転職目的などが聞かれますので、書類作成時に用意しておきましょう。

応募

応募時のコツは、気になった企業は同時進行で応募することです。

企業によって面接のタイミングなどは異なりますが、内定を出すタイミングは応募のタイミングでほとんどの場合に決まってしまうので、気になる企業は積極的に応募していきましょう。

もし、第一志望の企業からの合否が出る前に他の企業の内定が出て、内定承諾の期限が来てしまった場合、転職自体ができなくなってしまう可能性があるからです。

STEP.3 選考～内定

書類選考を通過したら次は面接が待っています。面接は1回〜2回の企業が多いですが、場合によっては3回のときもありますので、しっかりと対策をしていきましょう。無事に内定が出たあとは、内定を受諾するまであまり時間がないのであらかじめ条件を決めておく必要があります。

面接対策

面接対策は、面接でのマナーや質問への回答の用意などがあげられます。面接対策をし始める時期については、面接が本格的に始まる前の書類応募後が良いでしょう。本格的に面接が始まってくると、面接対策にまとまった時間をとれなくなってしまうからです。

入社条件の確認

入社条件で特に気をつけなければならないことは、自分の転職でかなえたいと思っている事項について条件に明示されているかと言うことです。募集要項や面接などで確認した事項についても提示された条件で納得できない場合は交渉が必要です。転職エージェントを使っている場合は相談することをおすすめします。

STEP.4 退職準備

内定受諾後はひと安心してしまいがちですが、実は退職準備でつまずく人も少なからずいます。中には退職できずに転職を断念してしまう人もいるので入社日までは気を引き締めて手続きなどを進めていきましょう。

退職手続き

会社によって就労規則があり、その記載内容は他と違うことが多いです。特に退職を申し出るのは退職日から1カ月前でなければならないなど、退職届の提出期限が定められているケースがあります。労働基準法には「退職の自由」が定められていることや、民法では退職の自由に関する取り決めである「退職の意思表示してから2週間が経過すれば雇用関係を終了できる」とあります。しかし、今後も現職との関わりが全くなくなることは考えにくいので、就労規則を守り、円満に退職する方が良いでしょう。

引き継ぎの注意点

現段階で抱えている仕事を、職場の人に引き継ぐ必要があります。その際に、上司にその機会を設けてもらえるように交渉しておきましょう。場合によっては、引き継ぎの機会を設けてもらえず、転職後に何度も連絡が来たりしなければならないこともあるからです。

STEP.5 入社準備

入社準備としては、現職での退職関係の整理と入社後に必要となる知識やスキルの習得があげられます。特に、未経験で転職する場合も含めて業界や職種が異なる転職をする人は入社後をイメージしておくことが非常に重要です。

退職

退職時には、お世話になった方々へのあいさつ回りをしておきましょう。もちろん、お世話になったお礼がメインですが、転職後も関わりがある可能性があるので良い印象で退社する方が望ましいです。

入社後必要となる知識・スキルの習得

業界や職種が異なる転職の場合は、事前に知識やスキル取得などの準備をしっかりしておくことを強くおすすめします。なぜなら、未経験での転職と言っても、社会人になってとしては未経験ではなく、即戦力としての活躍を企業が期待しているからです。

もちろん、業界や職種の経験者でも、自分が知らないことについては入社前によく調査しておくことで、即戦力として活躍できるでしょう。

最後に

転職のスケジュールを立てるコツを、必要な期間とともに5ステップで解説しました。

5つのSTEPをポイントをおさらいしておくと、以下のとおりです。

• STEP1. 準備（1～2週間） ：自己分析や転職の軸、スケジューリング
• STEP2. 情報収集～応募（2週間） ：情報収集、企業に応募
• STEP3. 選考～内定（4～5週間） ：書類選考、面接を経て内定
• STEP4. 退職準備（1週間） ：仕事の引き継ぎ、事務手続きなど
• STEP5. 入社準備（4～5週間） ：退職、入社先の仕事のための勉強など

最終的なゴールである入社日を定めて、そこから逆算して行動することで効率良く転職活動を進められるでしょう。

忙しい中でも、転職活動をうまく進められるようにスケジュール管理をうまく行い、転職を成功させましょう。

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