非公開求人とはネット上に公開されていない求人のこと

職サイトなどを調べていると、「非公開求人」という言葉に出会うことがあると思います。

「非公開求人」とは、文字通り、インターネット上に公開されていない求人のことです。
これらは、信頼の置ける転職エージェントなどの採用関連エージェントや採用支援会社に秘密裡に託されています。

なぜ公開しないのか、その理由は主に以下のとおりです。
・応募が殺到するのを防ぐ
・募集していることを知られたくない
・マッチした人を採用したい

これらの理由を紐解くことで、非公開求人の性質が見えてくるのではないでしょうか。それではさっそく、詳しく確認していきましょう。

応募が殺到するのを防ぐため

有名企業や大手企業が非公開求人を利用する理由の一つが、こちらです。

人は、名前を知っていると安心するものです。また、何も知らないとそもそも転職を検討する候補企業のテーブルに挙げることすらもできません。そのため、どうしても誰もが知っているような有名・大手企業に募集が集中してしまうのです。

なかには、「どうせ落ちるだろうけど、記念に応募してみるか」というケースもあるでしょう。

ですが人事担当者は、そういった応募を一つ一つ見ていかなければなりません。これでは、膨大な手間がかかってしまう一方で、得られる成果は少ないものになってしまうでしょう。

そのため、本当にマッチした人だけを検討するために、非公開求人を活用するのです。

募集していることを知られたくないため

そのポジションを募集していることそのものを知られたくない、という場合もあります。
例えば、以下のような場合です。

・新規市場への参入であるため、ライバルに察知されたくない
・極秘プロジェクトであるため、プロジェクト公開まで秘密にしたい
・幹部が退職したことを知られると株価に悪影響が出る恐れがある

こちらも有名企業や大手企業で多い傾向があります。市場に与えるインパクトが大きく、また事前に察知されると、小回りが利く中小企業に先回りされてしまう可能性もあります。

そして、「〇〇のポジションが募集されている」ということは「〇〇のポジションに空きが出たのかもしれない」ということも意味しています。これによって、幹部の退職などを公開前に世間に知られてしまう可能性もあるのです。

「重要ポジションの幹部が退職したが、後任をすでに採用している」という場合と、「重要ポジションの幹部が退職し、代わりは見つかっていない」という場合では、前者のほうが安心できるのは言うまでもありません。なるべく後者の状態で世間に知られたくはないのです。

マッチした人を採用したいため

非公開求人は、その求人を任されたエージェントが、自分が抱える求職者のなかからスキルや社風にマッチした人のみに紹介する、という方法で開示します。

これによって、スキルマッチ、社風マッチした人材を採用することにもつながりやすくなります。場合によっては、ある程度までは社名非公開で選考を進めることもあります。

非公開求人のなかには有名・大手企業だけでなく、「その業界では有名な企業」や「知る人ぞ知る優良企業」などもあり、そういった企業には、ある程度知識をつけた求職者が社名だけで飛びついてしまうことがあるのです。

それでは、スキルや社風がマッチしているのか、知ることは難しくなってしまいます。社名を非公開にすることでそのようなミスマッチを防げるため、中小企業でも非公開求人にする場合もあります。

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非公開求人の利用の仕方

非公開求人を利用する方法は、基本的には一つしかありません。採用関連のエージェントに登録し、エージェントを経由して紹介してもらう方法です。

いくつか注意点と覚えておいたほうがいいポイントがあるので、解説しておきます。

基本的に転職エージェントを利用するしかない

前述したとおりですが、非公開求人を利用したいと思ったなら、エージェント経由で紹介してもらうしかありません。

また、エージェントはいくつもの非公開求人を抱えている場合がありますが、そのすべてを紹介してもらえるわけではありません。

求職者と話をし、面談などのなかから求職者のタイプを分析し、スキルや社風が合っていそうな求人を厳選して紹介してくれます。

そのため、登録しただけでは不十分で、その後じっくりとエージェントと話し合いを重ねる必要があります。

複数の会社に登録することがおすすめ

各企業が非公開求人を募集する場合、特定の採用支援会社1社にまとめて依頼を出している場合があります。利用する転職サイトを変えてエージェントが変わると、それだけで紹介される企業がガラリと変わることも多いのです。

そのため、複数の転職サイトに登録し、何人かのエージェントと同時に話をすることをおすすめします。

こうすれば、紹介してもらえる非公開求人のそもそもの数を増やすことができるようになります。
加えて、「このエージェントと別のエージェントが、同じ業界の別企業を紹介してきた。もしかして、自分にはその業界の適正があるのかもしれない」といった具合に、思わぬ側面から自己分析が進む可能性も高められます。

非公開求人を利用するメリット

ここまでは、非公開求人の性質を確認してきました。それではここからは、これを利用することのメリットについて見ていきましょう。
具体的には以下のとおりです。

・有名企業の求人である場合が多い
・紹介される職位が高い可能性がある
・自分にマッチした会社を紹介してもらえる
・基本的にデメリットはないので「とりあえず見てみる」でもOK
いずれも、非公開求人の性質を知っていれば納得できるのではないでしょうか。次項から詳しく見ていきましょう。

有名企業である場合が多い

非公開求人には、有名大手企業や特定業界での有名企業や、知る人ぞ知る優良企業などが集まっています。

そのため、自ずと紹介してもらう企業も、そのような有名な企業になる可能性が高くなるのです。

もちろん、有名だからといって自分にとってマッチしているかは別問題です。ですが、そのような普段の転職活動では出会えないような企業と出会える可能性があるという点は、大きなメリットの一つではないでしょうか。

高い職位である可能性が高い

誰にも知られたくない職位の募集であるため、マネジメント層の募集である可能性もあります。
新規事業の責任者、拡大領域の追加管理職、退職した重要ポジションの補充など、隠しておきたい理由はさまざまです。

もちろん、求職者のマネジメント経験やこれからやっていきたい仕事内容ともすり合わせることが必要となります。ですが、こういった幹部募集はなかなか世の中には出回らないものです。

非公開求人は、そんな貴重な求人と出会える機会でもあります。

加えてこのような幹部募集は、エージェントから教えてもらった段階では社名は非公開であることがほとんどです。そのうえで「条件と仕事内容がマッチしているから、受けてみよう」と思ったのであれば、それはお互いにマッチ度が高いとも言い換えることができるでしょう。

自分にマッチした転職ができる

幾度か話題にしていますが、非公開求人では、純粋に経験や人柄などで合っているところを紹介してもらえます。

転職に関するプロが判断して、マッチ度がそもそも高いと思われるところだけ紹介してもらえるというのは大きなメリットです。

エージェント側も、これからも企業から利用してもらいつづけるために、ミスマッチの不安がある求職者を紹介したり、イヤがる求職者を無理やり選考に進ませたり、といったことは行いません。ビジネス上の不利益を被るからです。

何度か面談を重ねた信頼の置けるエージェントが紹介してくれた求人であれば、そのマッチ度はより高くなるでしょう。

基本的にデメリットはない

基本的に、非公開求人を利用することのデメリットはありません。合わないと思ったなら、応募しなければ良いだけだからです。

転職サイトから送られてくるスカウトメールや応募後の返信などと比べても、それほど大量に紹介されるというものでもありません。

サイトを使って転職活動をしながら、なんとなくついでに利用してみるという程度の認識でも十分に効果的な使い方ではないでしょうか。

数が少ないことは覚えておこう

非公開求人は、マッチ度が高い企業のみが紹介されます。前述のとおりに大量に紹介してもらえるわけではありません。
場合によっては、これをデメリットだと感じる方もいるかもしれません。

ですが逆に考えると、ある程度、エージェント側で絞った状態で企業と出会えているとも言えます。数が少ないというデメリットは、メリットと表裏一体の関係にあるのです。

最後に

この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

この記事のポイント
・非公開求人とは、企業がさまざまな事情によりネット上に公開していない求人のこと
・募集殺到を防ぐ、募集そのものを知られたくない、マッチした人とだけ会いたい、といった事情が挙げられる
・その性質上、非公開求人を紹介してもらった時点で、その求人はエージェント目線からはある程度のマッチ度があると見られている
・非公開求人を利用するデメリットは基本的にないので、気軽に利用を検討して良い

非公開求人は、自分の力だけでは出会うことができない企業や募集と出会う機会でもあります。
「公開されていないから、怪しいのではないか」「裏があるのではないか」という気持ちもあるかもしれませんが、合わないと思ったなら応募しなければ良いのです。
転職の際にはある程度は意識しておき、タイミングが合うなら利用してみることをおすすめします。

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