転職したほうがいい人としないほうがいい人がいる

転職は多かれ少なかれ、人生における契機となります。現職に在籍しながら転職活動を行うにしても、辞めてから行うにしても時間も労力もかかりますし、転職後に環境に慣れるにも心身に負担がかかるでしょう。

何かとコストがかかる転職ですが、うまくいけば理想に近づくことができ、人生をより豊かにしてくれることは間違いありません。

ですが、なかには転職したことを後悔してしまう人がいるのも事実です。それは、転職しないほうが良かったにも関わらず、転職してしまったからでしょう。

転職で成功する人と失敗してしまう人、その明暗を分けるのは何なのでしょうか。両者にはどのような特徴や違いがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。

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転職するきっかけや理由について知っておこう

転職という自身の環境を変えてしまう決断をするには、何かしらのきっかけや理由があります。ここでは、それらのきっかけや理由について大きく3つのパターンに分けて解説していきます。

年齢的な転機

年齢的な変化が転機となり、それを気に現職について考えることがきっかけになります。もちろん、考えた結果として転職しないという結論に至ることもあるでしょう。ですが、年齢的な転機が引き金となって転職について考え始める人がいるのは事実です。

年齢が上がっていくにつれ、社会的に求められる役割に変化が生じます。それにより、職種や職能に応じて転職の難易度が変わってくるのです。むしろ、この段階で一度、働き方について考えておいたほうが良い、と言い換えることもできるでしょう。

代表的な年齢による転機として、以下のような例が挙げられます。

・新卒1～3年目で第二新卒として転職
・20代でキャリアチェンジ／職種、職能を変えるために転職
・30代で、これ以降に長期間在籍しキャリアアップするための会社に転職
・40代でライフイベントや今後のライフスタイルの変化に合わせるため転職

不安や不満を解決したい

仕事中はずっと、自分の仕事や職場、会社と向き合い続けるわけです。そのため、現職に対する不安と不満は、転職理由として大きな比重を占めています。
2つの不安と3つの不満、それぞれについて解説します。

会社への不安と自分のスキルの不安

転職のきっかけとなる不安は、主に2つ挙げられます。

一つが、会社そのものへの不安です。業績不振、業界の縮小や、コンプライアンス違反などによって、自社に不安を感じる瞬間が訪れます。

もう一つは、自分のスキルが陳腐化しているのではないか、という不安です。

スキルアップを感じられないと、自分は人材として不要になるのではないかという不安に襲われます。この会社では良くても、ほかで通用しない人材になってしまうのではないか、と感じることは大きな不安となります。加えて、スキルアップが見込めないためキャリアアップも難しく感じられるでしょう。

さらにこれは、スキルアップできない仕事内容への不満にも直結しています。

これらの不安を感じると、転職を検討しはじめるものです。

仕事内容／職場環境／待遇への不満

今の会社に対する不満は、概ね3つに分けられます。

一つが、仕事内容そのものに対する不満です。職種とのミスマッチ、難易度が高すぎる、簡単でやりがいがない、などが挙げられます。

二つ目は職場環境への不満です。職場の人間関係や社風、自部署の雰囲気などが不満の原因になります。そのほか、職場が駅から遠い、職場の湿度や気温が不快である、といった物理的な要因も職場環境に対する不満につながります。

三つ目は待遇への不満です。給与が少ない、評価制度が合わない、休みが少ない、福利厚生が十分でないといった不満が挙げられます。

これら三つは、改善するためには大きな労力がかかってしまいます。特に、物理的な職場環境や待遇への不満は変更することが難しいため、解決するには転職するしかないというケースが多くなります。

なりたい自分に近づくため

最後は、より大きな満足を目指すことがきっかけになるパターンです。

現状への不安や不満はないが、もっと大きな理想を求めて転職する、ということがあります。
このパターンは、優秀で社内でも活躍している人に多く見られます。「あんなに評価されているのになぜ辞めるのか」と思われるような人は、優秀であるが故に行動力もチャレンジ精神もあり、さらなる高みを目指して活動するのです。

やりたい仕事がほかに見つかった、もっとキャリアアップ／スキルアップしたい、という理由が主です。
起業するために辞める、という人もこのパターンに含まれます。

転職したほうがいい人の特徴

ここまでは、転職のきっかけや理由を見てきました。ここからは、転職したほうがいい人の特徴を見ていきます。

具体的には、以下のとおりです。

・キャリアにおいて、いくつもの選択肢を検討している
・検討している選択肢のなかで「転職が最適」と客観的に説明できる
・明確な目標、目的意識をもって転職活動をしている
・自己分析がしっかりできており、どうなったら満足なのかを言語化している
・転職以外の選択肢も検討し、そのうえで転職が最良だと判断している
・転職先の業界、職種、企業の調査を綿密に行っている

上記は概ね、2つのパターンに分けられるので少し詳しく解説していきます。

転職成功の状態を認識できている

どんな目的で、何を達成するために転職するのか、という目的意識をもち、それらを説明できる状態になっている人は転職に成功しやすいでしょう。

「なんとなく」では、いくつか候補に挙がる転職先の、どこを選べばいいか決めかねてしまうでしょうし、誤った選択をしかねません。

自分のなかで「どうなったら転職成功と言えるか」を整理できているならば、それを軸に正しい選択ができるはずです。

十分な情報を入手できている

転職先について詳しく知っておくことで、転職後に後悔してしまう機会を減らせます。
転職先はもちろんですが、この「十分な情報」のなかには、現在勤めている会社の情報や自己分析による自分の情報も含みます。

もしかしたら、自分が叶えたいことは現職でも叶えられるかもしれません。自社について知らないと、それを見落としてしまう可能性があります。

また、自分を客観視することで思わぬ発見があるかもしれません。自分が抱えているのは給与面への不満ではなく、実は評価制度への不満だった、といった具合です。

思い込みで転職して後悔しないためにも、十分な調査は必須ではないでしょうか。

転職しないほうがいい人の特徴

転職しないほうがいい人は、転職したほうがいい人のまさに逆の特徴をもっています。具体的には以下のような状態です。

・ぼんやりと、目標をもたずになんとなく転職活動をしている
・不満だけが転職の理由で、どうすれば満足なのかを言語化できていない
・自分のスキルや特徴を正しく把握できていない
・転職以外の選択肢を検討しきっていない
・今の会社を辞めることそのものを目的にして転職活動をしている

勢いだけで転職しようとしている

転職しないほうがいい人の特徴を生む原因は、勢いだけで転職しようとしていることにあります。
会社への不満をぶつけたり、上司の鼻を明かしてやろうと考えたり、とにかく辞めたくて仕方がないからと、勢い任せに転職してしまうパターンです。

簡単に不満を解決する手段が社内にあるにも関わらず、それを行なわずより労力が大きい転職を選んでしまう、ということも起こりえます。

少し落ち着いて考え、情報を精査する時間を設けるようにしましょう。

必要な情報が不足している

勢いで転職しようとすると、準備不足・情報不足の状態になります。

自分の目的を説明できない状態では、そもそも転職先の候補を探すのにも苦労するはずです。結果として「すぐに採用してくれそうな会社」に応募し、ミスマッチが生まれて転職後に後悔するかもしれません。

しっかりとした軸や目的意識がないと、選考の段階で落とされてしまうことも多くなるでしょう。

また、誤った自己認識や自己評価も、転職で後悔する原因になります。実力を超える達成不可能な仕事を任されてしまうと、大きなストレスとなるばかりでなく、転職先からの扱いが早々に悪いものになってしまいます。

現在の職場に問題があるならすぐに距離を置く判断も

転職しないほうがいい人の条件に当てはまっていても、すぐに転職や退職の判断をしたほうがいい場合が、数少ないながら存在します。

ハラスメントやコンプライアンス違反が常態化しているのであれば、今すぐに立ち去ったほうがいい職場であることに間違いありません。そういった職場では、社内から働きかけても変えることが難しいためです。

また、身体的・精神的な限界が近いと感じた場合も同様です。ひとまず転職や退職はしないまでも、少なくとも休職することは検討してみましょう。

上記は、転職したほうがいいかどうか、という以前の問題であるためです。

客観的に判断する時間をつくる

自分の今の状態が、転職したほうがいいのか、それともしないほうがいいのか、どちらなのかを客観的に判断する時間をつくることをおすすめします。

前述のとおりあまり考えずに勢いだけで転職すると、後悔してしまうことが多くなります。転職理由が何か、この転職で何を叶えたいのかなどを書き出して、整理してみましょう。

一人で行うのが難しいなら、友人や知人、転職エージェント、カウンセラーなどに客観視を手伝ってもらうのもいいかもしれません。

もし、このような時間を作れないほど急いで転職したいなら、それこそ「勢いだけで転職しようとしている」ことのサインです。このままでは後悔してしまう可能性が高くなると意識して、無理やりにでも落ち着く時間を確保しましょう。

最後に

この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

この記事のポイント
・転職のきっかけや理由はいくつかあるので、それらを知っておく
・転職したほうがいい人の特徴は、自己分析も含めた情報調査ができており、どうなったら転職成功かを言語化できていること
・転職しないほうがいい人の特徴は、勢いだけで転職しようとしており、情報調査が不十分であること

やみくもに転職しても後悔を生んでしまいます。一方で、転職したほうがいい人や、すべきタイミングにある人がいるのも間違いありません。転職は、あくまでもキャリアのなかの、ひいては人生における一つの選択肢に過ぎません。
転職が頭をよぎった際はこの記事を思い出し、キャリアをより良いものにする参考にしてみてください。

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