転職理由はどう伝えるべき?キャリアチェンジを伝える例文を紹介

転職時の面接では必ずといっていいほど「転職理由」を聞かれます。この記事では、転職理由の考え方や取り入れるべき内容、採用担当者がチェックするポイント、またケース別の例文について紹介します。転職活動をしていて「転職理由」に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

転職理由を考える時のポイント

はじめに転職理由を考える際に、どのようなポイントで考えるとよいかを解説します。
主なポイントは下記4点です。

・人間関係・待遇面を理由にしない
・ウソは絶対につかない
・ネガティブな理由はポジティブに言い換える
・転職理由と志望動機の流れをつくる

転職理由を聞かれたときに、スムーズに答えられるようにしっかりと準備しておきましょう。

1.人間関係・待遇面を理由にしない

転職理由として、「人間関係」など転職先でも起こり得る内容は避けましょう。同様の理由で転職先も辞めてしまうかもしれない、と警戒される可能性があります。また、コロナ禍による業績悪化などで、給与や賞与への影響から「待遇面」を転職理由とする人も多いでしょう。
しかし、福利厚生や給与などの待遇面を全面的な理由にすると、「仕事のやりがいよりも、給与や待遇面ばかり気にする人」と思われる可能性があるので、注意してください。企業側は基本的に長く勤めてほしいと考えるので、早期退職に繋がる可能性のある理由は伝えない方が無難です。

 

2.ウソは絶対につかない

面接の際にウソの転職理由を伝えるのは、絶対にNGです。面接を通過したいがためにウソをついてしまう方も少なからずいるでしょう。採用担当者は多数の応募者を見てきているので、すぐに見抜いてしまいます。仮に、そのまま採用されたとしても、本来の転職理由である状況が入社後に起きたとき、退職に繋がる可能性もあります。そのような結果になると、自分にとっても企業にとっても双方にマイナスでしかありません。ウソの転職理由を話さなくていいように、事前に自分の考えや価値観を整理しておきましょう。

 

3.ネガティブな理由はポジティブに言い換える

転職活動をしている方の中には、現職に対して何かしらの不満が理由の方もいるでしょう。しかし、転職理由を答える際は、単に現職の不満をネガティブな理由として話すのではなく、ポジティブな理由への「言い換え」が重要です。
ネガティブな理由は、マイナスに受け取られる可能性は高くても、プラスに受け取られることは基本的にありません。たとえば、「単調な仕事」に不満があった場合「将来を見据えていろいろな経験ができるようになりたい」など、ポジティブな内容にしましょう。現職の不満から発見した自分の軸を参考に、次の職場で実現したい思いを伝えてください。

 

4.転職理由と志望動機の流れをつくる

転職理由を考える際には、転職理由と志望動機の流れをつくることも重要です。採用担当者は転職理由と志望動機にストーリーの一貫性があるのかを見ています。現職の「退職理由」が応募先の企業で「実現できる」内容であれば、採用担当者も納得できるでしょう。
一方、転職理由と志望動機に矛盾が生じると、採用担当者は本当の転職理由なのか疑念を抱きます。また、「待遇面のみを見て応募したのではないか」「何となくこの会社を選んだのではないか」など、不信感を持たせてしまう可能性もあります。

 

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転職理由で採用担当者がチェックするポイント

転職理由を考えるポイントを理解したところで、次に採用担当者が転職理由でチェックするポイントを見ていきましょう。

・自社へのマッチ度合い
・応募者の人間性
・履歴書・職務経歴書と面接時の矛盾
・早期離職の可能性

主なチェックポイントは、上記4つです。その人の人間性や志向性、自社と合っているかどうかを見ています。

 

1.自社へのマッチ度合い

採用担当者は転職理由を聞くなかで、応募した人の自社へのマッチ度合いを確認しています。どれだけ優秀な人材、優良な企業でもお互いの目的や価値観がマッチしていなければ、離職リスクがあります。入社後のミスマッチを防ぐためにも、仕事に対する姿勢や志向性が求める人材像や社風に合致しているかを、お互いに確認することが大切です。

 

2.応募者の人間性

自己PRや志望動機など他の質問に対して、一番応募者の人間性が分かる質問が転職理由です。仕事上で何を重要視しているのか、不満を抱くのかといった、働く上での優先順位が伝わるでしょう。このように採用担当者は、応募者のスキルや能力だけでなく、人柄や価値観などが自社の理念や社風にフィットするかも、注視しています。転職理由を答える際は、人間性を見られているという意識で答えることが重要です。

 

3.履歴書・職務経歴書と面接時の矛盾

転職理由を聞くポイントとして、履歴書・職務経歴書と面接時の内容に矛盾がないかもチェックしています。「経歴、転職理由と志望動機に一貫性があるか」や「転職理由に誤りがないか」などを確認するためです。面接本番では緊張から履歴書・職務経歴書の内容を忘れて、記載内容と矛盾した回答をしてしまうこともあります。自己分析や面接練習を繰り返し行い、自分の転職理由を明確にして本番でも一貫性のある答えができるようにしましょう。

 

4.早期離職の可能性

採用担当者は、面接の中で転職理由を聞くことで「早期離職の可能性がないか」も確認してます。一般的に企業では長く勤めてくれる人材を探していて、早期退職は大きな損失につながります。特に、人間関係や労働環境に関する理由は、どこでも同じような問題に直面する可能性があるでしょう。そのとき他責思考ばかりで、自らの改善の努力が見られない場合に「入社後も同じ理由で退職するのでは?」と見られます。

 

転職理由に取り入れるべき内容

者から見たときのポイントについて、解説してきました。次に、面接で転職理由を答える際に、取り入れるべき内容を4つ紹介します。

・数字を交えた前職での実績
・妥当性のある退職理由
・希望する仕事内容
・転職先で活かせそうな強み

転職理由を答える上で重要となるのが、採用担当者の納得感が得られるかどうかです。それぞれの内容について、詳しく解説していきます。

 

1.数字を交えた前職での実績

転職理由や自己PRなどを伝える上で重要なのは、客観的に見て納得感のある内容となっているかです。たとえば、営業成績が全社1位といっても、全国1万人と100人の企業では異なります。そのため、前職の実績は、定量的に数字を交えて伝えましょう。

 

2.妥当性のある退職理由

面接で現職の退職理由を伝える際には、客観的に見て妥当性のある退職理由であるかを確認するようにしましょう。採用担当者が納得するような妥当性のある理由とするには、定量的な数値や改善の具体的なアクションを伝えるのが良いといえます。たとえば、課題解決のため施策を上司に提案したが、どうしても打破できなかったなどと説明できると、納得感がある説明となります。

 

3.希望する仕事内容

応募者の希望や能力が企業の採用枠の条件に合致しているかは、面接の合否に影響します。そのため、希望の条件や自己PRだけでなく、転職先でどのような仕事に取り組みたいかを具体的に伝えましょう。 そうすることで、お互いに入社後のミスマッチも防げます。

 

4.転職先で活かせそうな強み

転職理由を伝える際には、転職先で活かせそうな強みも取り入れましょう。新卒採用と異なり、中途採用では即戦力の人材を求めています。これまで経験してきた業種やスキルがある場合は、自信をもって自身の強みとしてアピールしましょう。

 

【ケース別】キャリアチェンジを伝える時の例文

最後に、実際の面接を想定して、ケース別のキャリアチェンジを伝える時の例文を紹介します。今回は下記4パターンについて、解説します。

・キャリアアップが理由で転職する場合
・体調不良が理由で転職する場合
・人間関係が理由で転職する場合
・給与や労働時間など待遇面が理由で転職する場合

 

1.キャリアアップが理由で転職する場合

キャリアアップが理由で転職する場合には、自分にとってのキャリアアップとは何かと具体的に定義することが大切です。専門性を高めてキャリアアップを目指す場合の例文を紹介します。
「コンサルティング会社で約10年間、業務コンサルに従事してきました。その中で、IT企業を担当したことで、IT企業の社会的意義や今後の可能性を感じました。現職では、毎年クライアントが変わるため、幅広い分野の知識を養える一方で、一つの分野の専門性を高めることはできませんでした。今後はITというひとつの分野に絞り、IT分野のプロフェッショナルとして事業拡大に貢献していきたいと考え、御社へ転職を希望しました。」

上記のように、「なぜ現職ではキャリアアップする機会がなかったのか」、「転職先ではどのようにキャリアアップを実現したいか」を意識して伝えるようにしましょう。

 

2.体調不良が理由で転職する場合

体調不良が理由で転職する場合には、現在は仕事が問題なくできるように回復していることを伝えるのが大切です。そのため、体調不良が理由で退職したことは、基本的に隠す必要はありません。下記に例文を紹介します。
「前職は営業職をしていましたが、○○の病気により1年間の療養のため退職しました。1年間の療養を経て、現在は医師からも仕事に復帰して問題ないと診断されました。療養中は自身のスキルアップとして△△の資格を取得しました。今後は前職の営業経験と△△のスキルを活かして、御社に貢献していきたいです。」

 

3.人間関係が理由で転職する場合

人間関係が理由で転職する場合には、事実をすべてダイレクトに話す必要はないでしょう。チームの働き方が原因の場合の例文を紹介します。
「前職では、営業職を担当していました。チーム内分業の体制のため、チームワークを学べました。しかし、お客様の声をよりダイレクトに聞ける業務を行いたかったが、バックヤードの役割であったため、物足りなさを感じました。そのため、異動や役割の変更を提案したが、採用されず転職に踏み出しました。御社の個人営業活動に興味があり、入社後は積極的にお客様の声をダイレクトに聞いて、活躍したいです」

 

4.給与や労働時間など待遇面が理由で転職する場合

給与や労働時間など待遇面が理由で転職する場合は、不満をそのまま伝えるのではなく、ポジティブな理由として転職先に伝えるようにしましょう。給与に不満があった場合の例文を紹介します。
「現職では、年功序列の文化が根付いていて、成果に対する報酬や昇給がありませんでした。そのため、キャリアアップも望めず、今後のキャリアステップやモチベーション維持のため、転職を決めました。御社では、完全成果主義でインセンティブや年齢に関係なく公平な評価が行われると伺いました。自分の強みを発揮して、モチベーションを維持しながら、成果を出すことで御社に貢献できると考え応募しました。」

 

最後に

転職理由は面接時に必ず聞かれる、転職活動でも大切なポイントです。この記事では、転職理由の考え方や見られるポイント、ケース別の例文を紹介してきました。この記事を参考に、納得のいく転職理由で面接に臨めるようにしましょう。

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この記事を書いた人

みんなのエージェント 編集部

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