SIer(エスアイヤー)企業は未経験からでも転職しやすいため、SIerからIT業界に参入しようと考える人は多いはずです。しかし、志望動機が上手くまとめられない、という方もいるかと思います。本記事ではSIerとは何か、志望動機を書くポイント、種類ごとの志望動機の書き方、について解説します。
SIerとは?
SIerの一般的な定義を解説します。SIerとは顧客の要望に応えるシステムを構築する企業を指します。「こんなシステムが欲しい」と顧客からの要望を聞き、決められた納期や予算に合わせてシステムを開発します。
また、同じSIerで働くエンジニアでも、プログラマーやシステムエンジニア、プロジェクトマネージャーなどいくつかの種類があり、それぞれのポジションが協力して1つのプロジェクトを行います。
SIer業界とWeb業界は混同されがちですが、SIer業界が他企業の要望を元に開発を行うのに対し、Web業界は自分らで開発内容を考えて一般ユーザー向けに開発を行います。そのため、SIer志望者は志望動機も「他企業向け」であることを意識して書きましょう。
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SIerの志望動機を書くポイントとは
SIerの志望動機の書くポイントを3つ紹介しましょう。
- ①どのように志望企業に対し貢献できるかを伝える
- ②研修がしっかりしているためという理由はNG
- ③SIerの種類を意識して記載する
これらのポイントを意識すれば、自然と評価されやすい志望動機が完成するでしょう。1つ1つのポイントについて、詳しく解説していきます。
①どのように志望企業に対し貢献できるかを伝える
1つ目はどのように志望企業に対し貢献できるかを伝えることです。
「この事業がやりたい」など自分の話が中心になっていると面接では落ちやすいです。企業
にどう貢献できるかを話の中心に添えることが重要でしょう。
たとえば「携帯ショップでのアルバイト経験があるため顧客対応は慣れている」といった感じに、過去の経験も交えながら自己PRすると良いです。
②研修がしっかりしているためという理由は当然NG
研修がしっかりしているためという理由はNGです。確かにSIerは未経験歓迎求人も多く、研修でしっかり勉強できるでしょう。しかし「研修がしっかりしているから」というのは、自己PRにならないため好ましくありません。
研修のことをよりも、研修以外で自主的に勉強する予定であることを話した方が、学習意欲をアピールできますよ。
③SIerの種類を意識して記載する
SIerの種類を意識して記載することが肝心です。同じSIerでも、独立系、ユーザー系、メーカー系など様々な種類があります。種類によって作るシステムなどがぜんぜん変わります。
SIerの種類を意識しないと、業界に関する理解が足りないと思われてしまいます。また
、仕事内容に即した自己アピールができません。
SIerの種類に合わせた志望動機を書くことを意識してくださいね。
SIerの種類ごとの志望動機の書き方
SIerの種類ことに志望動機の書き方をまとめました。大きく分けて次の3種類があります。
- ①メーカー系
- ②ユーザー系
- ③独立系
これら3つは仕事内容や開発の目的が異なるため、それぞれに合わせた志望動機にすることが肝心です。
①メーカー系
メーカー系SIerはハードウェアやパソコン機器を販売するメーカーの子会社である企業を指します。主にメーカーのハードウェアを使ったソフトウェアを開発します。顧客は親会社と契約した企業であることが多く、客先に常駐して働く案件も多いです。
親会社の売上が好調の場合子会社も恩恵を受けられるため、安定した収入を得やすいのが特徴です。
OK例
私は大学時代にシステム開発のアルバイトをした経験がございます。ユーザーから実際に感謝の声を聞く機会も多くあり、システムを通じて人々の仕事や生活を支えることの喜びを体感してきました。
貴社が開発するハードウェアは金融業界全体の業務改善に大きく役立っているとお聞きしており、そのようなハードウェアを活用したシステムを開発し多くの人々の生活を支えていきたいと考え、今回応募させて頂きました。
また、ゆくゆくはプロジェクト全体を統治する役割に就き、業務効率を更に上げるための施策などを考えていきたいと思っております。
メーカー系は親会社のバードウェアを使って開発するため、親会社のハードウェアの良い点を挙げつつ、自分も開発に携わりたいことをアピールしましょう。企業研究を深く行っていることが伝わる内容にするのがコツです。また、5年後、10年後どのようなポジションについていたいかにも触れると更にベストです。
NG例
SIer業界には数多くの種類がありますが、その中でもメーカー系は給料面が安定しているため、そのような安定した会社で働きたいと感じ今回応募させて頂きました。
メーカー系の中でも貴社の製品は素晴らしい特色を思っていると感じたため、ぜひ貴社で働きたいと思っています。
こちらは悪い例です。メーカー系は確かに給与面は安定していますが、それを志望動機にするのはNGと考えましょう。志望動機は自己PRを行うためのものと考えてください。また、親会社の製品が好きだから、という志望動機もあまり良くありません。製品のどのような部分が好きで、製品自体だけでなく製品での開発に興味があることを示しましょう。
②ユーザー系
ユーザー系は金融や商社、不動産など一般企業の子会社であるSIerです。主に親会社で使う業務システムを開発し、親会社の作業効率をアップさせるのが役割です。親会社が主な顧客であるため他のSIerに比べ残業が少なく、転職者からの人気が高いため、より良い志望動機を書く必要があるでしょう。
OK例
私は前職で独立系SIerでシステムエンジニアとして働いておりました。主にJavaを使った業務系アプリケーションの開発を行っていました。
今回貴社に応募させて頂いたのは、業務系の中でも証券業界向けのシステムを開発し、日本の投資普及をサポートしたいと思ったからです。現在日本は投資よりも貯蓄を重視する傾向がありますが、今後は投資の重要性が高まっていくと認識しております。
前職でユーザー目線に立ち、利便性を考慮したシステムを開発することを重視しておりました。貴社に転職してからも、ユーザー目線に立ってシステムの改善点を洗い出した経験は役立つと感じています。
ユーザー系の場合、親会社が所属する業界に合わせて志望動機を組み立てるのが基本です。たとえば証券業界なら例のように「日本の投資の普及をサポートしたい」などが志望動機となるでしょう。また、ユーザー系は経験者を採用する傾向が強いため、前職での経験をアピールしスキルレベルが高いことを証明することも重要です。
NG例
私は前職で独立系SIerでシステムエンジニアとして働いておりました。主にJavaを使った業務系アプリケーションの開発を行っていました。前職で培ったJavaのスキルを活かし、貴社でも活躍していきたいとおります。
前職は残業が多い環境でしたが、ユーザー系SIerは残業が比較的少ないということで、貴社に応募させて頂きました。
親会社の業界を意識していない志望動機は良くありません。「なぜこの企業なのか」が見えてこないため、志望動機として弱く感じてしまいます。また、「ユーザー系は残業が少ないから」という志望動機も好ましくないでしょう。労働環境や福利厚生の話を持ち出すのは、基本的にはやめておいた方が無難です。
③独立系
独立系SIerは他のSIerと違い親会社を持たず独立している企業を指します。自分達で直接顧客と契約を行い、システム開発の仕事を受注します。親会社がいないためキャリアアップがしやすい反面、仕事量が多くなりがちなのが特徴です。
OK例
私は大学時代ファーストフード店でバイトリーダーを務めており、業務効率改善方法の提案やメンバーへの指導を行っておりました。繁盛期を乗り越えるために業務効率改善方法を編み出した経験は、システムエンジニアとして顧客の課題解決方法を導き出すということに、大いに役立つと考えています。
SIerの中でも独立系SIerは、上流工程から下流工程まで幅広く手掛けており、その中でも貴社は多種多様な顧客の要望に応えられるシステムを開発してきたため、私もそのような会社に所属し顧客満足度を上げていけるシステムを開発したいと思い、今回応募させて頂きました。
こちらの例では、企業の特徴や長所と志望動機を絡めており「なぜその企業なのか」という疑問にきちんと答えているため、説得力のある内容となっています。また、アルバイトで工夫した点なども書かれており、未経験ながらもその人が転職後どのように活躍してくれるかイメージしやすくもなっています。
NG例
私は大学時代ファーストフード店でバイトリーダーを務めておりました。その経験は貴社で働く上でも役立つと思い、今回応募させて頂きました。
私は業界未経験ではありますが、小さい頃からプログラミングに興味があり、システム開発の仕事に従事したいと考えておりました。
NG例の方が全体的に具体性がなく志望動機として弱く感じます。バイトリーダーの経験があることは分かりますが、仕事でどのような工夫をしたか、どのようなスキルを得たか書かれておらず、その人の人間性が見えてきません。まか、システム開発に対する情熱もあまり感じられず、なぜ志望したのかよくわからなくなっています。
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下の通りです。
この記事のポイント
- Sierには「メーカー系」「ユーザー系」「独立系」などの種類がある
- それぞれの仕事内容や開発の目的に則した志望動機にすることが重要
- 志望動機は自己アピールを行うためのものと捉える。自分のスキル・経験を元に企業にどのように貢献できるかを伝えること
- 「研修がしっかりしているから」はNG。自主的に勉強することを話すべき
SIerには様々な種類があるので、企業の特性に合わせて志望動機をまとめることが肝心です。今回紹介したOK例、NG例を踏まえて、自分なりに志望動機を記載してみてください。
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