転職活動でつまずくのは、無計画に進めたり企業研究が不十分だったりと必ず理由があるものです。そのため転職活動がうまくいかずに悩んでいる場合、うまくいかない原因を考えることが重要です。当記事では転職がうまくいかないと悩む方に向けて、その理由と対処法をお伝えします。

転職がうまくいかない原因とは（20代）

20代は転職しやすい時期であり、選択肢も比較的豊富です。しかし、そのような状況でもうまくいかないことはあります。原因は人それぞれですが、一般的には以下のような理由が考えられます。

応募先を厳選しすぎている

理想とする条件がすべて揃っている会社を求めて求人を探した結果、応募先の選択肢が非常に狭くなる、さらには応募先がなくなってしまうことがあります。特に、自身のスキルや資格、経験が不足しているにも関わらず高収入・高待遇を求めすぎている場合は、転職活動が長期化してしまいます。

退職したい理由を他責にしている

退職理由を伝えるときに重要なのが、他責思考で伝えないことです。例えば、「人間関係が悪く耐えられなかった」という理由を伝える場面を考えてみましょう。「関係改善のために尽力しましたが、役職がないこともあり限界を感じてしまいました」と置き換えると、自責思考で考えていることをアピールできます。退職理由を他責思考で伝えてしまうと、「ウチの会社に入っても、イヤなことがあったら辞めてしまうかもしれない」と捉えられ、採用されにくくなってしまうため気をつけましょう。

転職がうまくいかない原因とは（30代）

続いて、30代での転職がうまくいかない原因を見ていきましょう。30代で転職を失敗してしまう主な理由としては、以下の3つが挙げられます。

これまでの転職回数が多すぎる

転職回数が多い人や前職を短期間で退職している方は注意が必要です。企業側は採用するなら長く働いてほしいと期待しているため、あまりに転職回数が多かったり短期間で退職している場合は、採用を見送る可能性が高くなります。

今までの自分の仕事の成果をアピールできない

企業の求めるスキルを持っているにも関わらず、それがうまくアピールできずに不採用になってしまうという場合もあります。どれだけ前職で魅力的な成果をあげていたとしても、それらを自身の言葉でアピールできなければ、意味のないものとなってしまいます。

また、過去の経験を伝える際には、「自分が成果を出せたのはなぜか？」などさまざまな角度から深掘りすることが重要です。そうすることで「たまたまではなく、しっかり考えたうえで行動している。これなら当社でも活躍してくれそう」と、再現性のあるスキルとして認めてもらえる可能性が高まります。

30代後半で未経験の業種を希望している

30代の転職では、一般的に今までの経験をもとに、即戦力となることが求められるため、同業種・同職種での転職が多くなります。そのため、30代後半で未経験の業種を希望している場合は、転職活動が難航してしまうリスクが高まります。

転職がうまくいかない原因とは（40代〜）

40代の転職は、事前に何の対策もせずに進めると失敗してしまうケースがあります。ここでは、40代の転職がうまくいかない代表的な原因を解説します。

20代・30代に比べ求められるレベルが高い

40代向けの求人は、20代・30代向けの求人に比べると、少ない傾向にあります。20代・30代ではポテンシャルを見込んだ採用や次期マネージャー候補などの求人が一定数見られます。それに対し、40代では高い専門性を見込んだ採用やマネージャー・管理職経験者のみの求人が多いために、どうしても求人数自体が少なくなってしまうのです。

そもそも応募する企業を間違えている

基本的には、求人を出す際に年齢について触れることはできません。しかし、「長期キャリア形成のため」などの明確な理由があれば、「35歳以下」と年齢制限を明記することができます。ここまではっきりと年齢制限が書かれている求人には、いくらスキルのある40代でも書類選考に通過することはほとんど不可能です。

また、明確な年齢制限がなくても「20代・30代活躍中」という文言があれば、暗に「20代・30代を求めている」というメッセージが読み取れるため、40代で書類選考を通る可能性は低いといえます。

企業が求めるスキルや経歴にマッチしていない

企業から「スキル不足」「キャリア不足」と判断された場合には、主に書類審査の時点で不採用となるケースが多いものです。書類の通過が思わしくないという方は、まずは自身の能力が募集要項に達しているのかを見直してみてください。

転職を成功させるために行うべき対策とは

ここからは、転職で成功するためのポイントを厳選して5つ紹介します。この内容を踏まえ、後悔のない転職をしましょう。

本当に転職すべきか再考する

「転職すること」そのものに納得感をもつことは、転職活動を進めるうえで非常に重要な要素です。ある程度希望が整理できたら、現在働いている会社について、改めて見直してみましょう。今の会社で希望を叶えることが、本当に難しいのかを再考することで「時間をかければ今の会社でも希望が叶う可能性がある」など新たな気づきが得られるかもしれません。

転職後に前の会社の良さに気づくケースは意外と多いものです。今いる会社を見直すことなく転職してしまうと、転職先で「前の会社のほうがよかった」と後悔するリスクが高まります。転職先と今いる会社を同じ基準で比較すれば、より納得度の高い会社選びができるはずです。

自己分析を再度徹底しておこなう

理想の転職を実現するためには、自分にどのような仕事が向いているのか、どのような長所や短所があるのかを理解すること、つまり「自己分析」の徹底が欠かせません。自分の強みと弱みや適性、アピールポイントなどを再度棚卸しを行い、内省力を鍛えましょう。

転職動機など十分な面接対策を行っておく

中途採用の面接では、面接官に質問される内容がかなり広範囲にわたります。学生時代に受けた新卒採用面接では問われない、「転職理由」「今までのキャリアや実績」など、中途採用ならではの質問も加わってきます。前の職場での採用面接を経験しているからといって、転職先の面接でうまくいくとは限りません。転職を勝ち抜くためには、これまでの自分の経歴を活かして、転職先にどのような利益を与えられるかをアピールすると良いでしょう。

自分に適した転職サイトを活用する

一口に転職サイトといってもその数は多岐にわたり、各転職サイトによってサービスの特徴が異なります。自分の希望条件に適していない転職サイトでは、なかなか理想にマッチする求人を見つけ出すことができず、時間を無駄にしてしまいます。思うように求人が見つけられないとう場合は、複数の転職サイトに登録し、その中から自分にマッチしたサービスを見つけてください。

転職エージェントに相談する

転職活動がなかなかうまくいかないといったときは、転職エージェントを利用するのもひとつの手です。特に、現職と並行して働きながら転職活動する人は、時間が限られてしまい、スケジュール管理に多くの手間がかかってしまいます。転職エージェントは、応募先企業との連絡や面接などの予定管理をサポートしてくれるため、忙しい人にはピッタリのサービスといえます。

また、転職エージェントには、一般に公開されていないような非公開求人が多数存在します。こういった求人は転職を希望している人とマッチするような求人があれば転職エージェント側から紹介してくれるケースも往々にしてあります。そのため、「自分にマッチする求人が少ない」「なかなか採用されない」と悩んでいる方は、一度転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。

転職後も後悔しないためには

転職後のギャップは事前に確認しておくことで、ある程度防ぐことは可能です。ここからは、転職後に後悔しないために、理解しておくべきポイントについて見ていきましょう。

求人票から企業風土なども読み取っておく

求人票は条件面や仕事内容だけではなく、企業の組織風土なども読み取ることができます。例えば、企業理念を前面に押し出している企業であれば、企業カラーがはっきりしていて、共感できる人を求めていることがわかります。企業のホームページをチェックして、理念に共感できるかどうかを事前に確認しておきましょう。

ある程度のギャップは覚悟しておく

思い込みが原因で、イメージと実態との違いに悩む方はたくさんいます。同じように見える仕事でも、企業によって業務内容が異なることはしばしばあり、適性や状況などによって、業務内容が変更になる可能性もゼロではありません。思っていたものと違うといったことはどの会社でも起こりうるため、ある程度のギャップは覚悟しておきましょう。

転職エージェントから情報を得る

転職活動を効率よく進めるためには、転職エージェントの有効活用がおすすめです。転職エージェントは、求人の紹介だけではなく、最新の企業情報や転職市場動向などの情報も共有してくれます。そのほかにも転職に関する幅広いサポートを受けられるため、上手に活用することで転職活動を効率よく進められることでしょう。

最後に

今回は、転職がうまくいかない人の理由や対策法をお伝えしました。転職がうまくいかない場合は慌てず、冷静に原因を分析して対策法を探してみましょう。自分に不足している部分を見つめ直すことで、きっと適切な対策が講じられるはずです。