社員の副業を認める企業が増えつつあります。すでに副業をしている方、もしくはこれから始めたいと思っている方にとって、転職先が副業を認めているか否かは会社選びのポイントとなるはずです。副業OKな会社の調べ方や会社選びの際に注意すべきポイントを解説します。
目次
副業を認める企業は増えている
株式会社リクルートが2019年に実施した「副業・兼業に対する企業の意識調査」によると、副業・兼業を推進または容認している企業は、全体の30.9%にものぼることがわかりました。特に昨今では、働き方改革やコロナ禍によるリモートワークをきっかけに、副業・兼業を認める傾向が徐々に広がりつつあり、今後もその勢いはますます加速の一途を辿っていくことが予想されています。
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副業OKな会社の調べ方とは
「副業OKの会社の探し方」とはどのような方法があるのでしょうか。転職において仕事を探す方法は大きく分けると下記の3つに別れます。
1.ハローワークの窓口に行く
ハローワークは、厚生労働省が全国500カ所以上に設置する公共職業安定所のことです。通称「職安」とも呼ばれ、就職や転職を目指す人々に対して職業紹介や求職相談、雇用保険の手続きといったサポートを行っています。ハローワークでは、対面での職業紹介に加えて、ネットでの求人検索もできるようになっています。ハローワークから求職をしたい場合には、仕事を紹介してくれる担当者に「副業OKの会社を紹介してください」と伝えましょう。
2.求人サイトで企業をリサーチする
求人サイトは、オンライン上で求人情報の提供のほか、 転職活動に関する情報を提供しているサイトの総称を意味します。代表的なサイトには、「リクナビネクスト」「マイナビ転職」「DODA」といったサイトがあり、いずれも民間の職業紹介を行っています。
求人サイトから求人を探す場合には、ネット上のサイトにアクセスをして自分で仕事を探します。更に、サイトにあるキーワード検索を利用し「副業OK」「副業可」などのキーワードで絞り込み検索を行うことで、副業可能な企業の求人を確認できます。
3.転職エージェントを活用する
転職エージェントは、提出書類の添削や面接対策のサポート、条件等の企業への交渉など、求職者が抱える悩みに対するサポートが充実していることが特長の人材紹介サービスです。
代表的なエージェントには「リクルートエージェント」「DODA」「JACリクルートメント」などがあり、いずれも登録を行うことでキャリアコンサルタントに対面で仕事を紹介してもらえます。転職エージェント経由で副業OKな求人を探す場合は、ハローワーク同様、担当エージェントに「副業OKの会社を紹介してください」と伝えます。
副業OKの企業に転職する際に注意すべき点
では、副業OKの会社に応募した際には、どのような点に留意すれば良いのでしょうか。ここでは、副業OKの企業に転職する際に注意すべき3つの点について説明します。
1.自分が副業をしたい理由を明確にする
転職時には「副業が許可されているから」という理由を第一に掲げて転職活動をすることは推奨できません。そのためにもまずは、自分が副業をしたい理由を明確にすることが重要です。副業をすることは、「スキルアップにつながる」「副収入を得られる」「新たな人脈を構築できる」など、さまざまなメリットがあります。
しかし、副業が本業に支障をきたすようであれば、それは本末転倒であると言わざるを得ません。企業側から快く副業を許可してもらうためにも、まずは何のために副業をするのかについて、今一度整理しておきたいところです。
2.志望理由には注意する
昨今では、社会的にも副業を認める働きかけが活発になっていますが、企業を探す際に「副業できるかどうか」だけで転職をしては本末転倒です。なぜなら、企業側が副業を認める理由のひとつは、「副業をすることで本人の経験やスキルなどの視野が広がり、本業にもいい影響がある」からと考えられているためです。
「副業ができる」ことだけを志望理由にしては、企業側は「副業ができれば他社でも良いのではないか?」と疑問に感じることでしょう。また、応募先企業としては、「本業で活躍・貢献できる人材」を最優先に採用活動を行うため、まずは募集職種の業務で貢献できることや志望理由などをしっかり考えましょう。
3.副業の始め方や内容は事前に確認をとる
「副業可」としているものの、届け出をする必要があったり、条件が決められていたりという場合もあります。例えば、
- 副業可ではあるものの、入社後半年間に限っては業務内容や当社の社風に早く馴染んでもらうことが最優先であるため、副業不可としたい
- この1年はIPO準備に向けて本業に集中してほしいので、一時的に認めない方針でいる
といったケースです。副業を始めるにあたって、副業先の企業や仕事内容について申請する必要があるケースも多く、競合関係になる場合は原則認められていない可能性もあります。
本業の労働時間外をどう使うかは原則として「労働者の自由」です。しかし、副業が
- 労務提供上の支障がある場合
- 業務上の秘密が漏洩する場合
- 競業により自社の利益が害される場合
- 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
のいずれかに該当すると、本業の企業が制限を加えることができます。後々思わぬトラブルへと発展しないためにも、副業の始め方や内容は事前に確認をとるようにしてください。
副業OKな会社を探していると明記するのは問題ないか
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副業OKの企業からオファーをもらうために、求人サイトに登録しているレジュメやビジネスSNSのプロフィールに「副業可の会社を探しています」と明記する方は少なくないことでしょう。ただし、ここにはリスクもあるためメリット・デメリットをきちんと理解しておくことが欠かせません。
副業OKな企業を効率よく探せるのはメリット
一口に副業可といっても、副業を積極的に推奨している企業なのか否かを面接前に判断するのは難しい場合があります。そのため、「副業可の会社を探しています」と記載しておくことで、副業を推奨する企業からのオファーに絞られ、企業を効率よく探すことができます。
- すでにやっている副業をこれからも続けたい
- 副業でやりたいことを実現するために転職したい
など、「副業できるかどうか」が転職で重視したい条件である場合は明記すると良いでしょう。
オファー件数が減少する可能性があるのはデメリット
副業を積極的に推進している企業はまだまだ限られており、オファーの数が少なくなる可能性があります。通常よりも、転職活動が難航してしまう可能性は決して低くないため、ある程度、長期的な視野を持って転職活動に挑みましょう。
転職先に副業についてポジティブに伝えるには
副業を認めている企業でも、転職活動での伝え方には注意が必要です。ここでは、すでに副業を始めている方に向けて、転職先に副業についてポジティブに伝える方法を紹介します。
副業による自分のスキルをアピールする
副業で得られるスキルは日々の仕事でも活かせる場合が多いため、副業経験を履歴書に書くことで、採用担当者にスキルをアピールできます。特に、副業で得られたスキルが応募先に適している場合は、効果が高まり採用担当者は魅力的な人材だと判断します。
履歴書だけではなく職務経歴書も追加する
職務経歴書は、転職先候補の企業が抱えている課題を解決できる人物であることをアピールできる、非常に優れたフレームワークになっています。例えば個人が持つスキルを商品に変えて働く「フリーランス型」の副業をする場合、自分自身がサービスを提供しながら、経営者やマーケターの経験を積むことができます。これを新規ビジネスの立ち上げ経験として、具体的に記載することで、副業をポジティブに伝えられます。
また、副業で大きな実績をあげていないとしても、経営者として「どのような状況で挑戦をして、結果を得られたか?」を書くことができれば、減点対象にはなりません。さらに「本業にどのように活かすことができたか?」まで落とし込めれば、プラスの評価を得られることでしょう。
面接時に副業に関する質問に明確に答えられるようにしておく
面接時に聞かれるであろう副業に関する質問に明確に答えられるようにしておくことも有効な手法のひとつです。自身が本業で身につけたスキルを、違う環境下でも安定して発揮できることは、転職先においてもパフォーマンスを十分に発揮できる証明につながります。反対に、面接時の回答につまずきがある場合は、副業をポジティブに伝えることが難しくなります。
Result(結果):本業の仕事で十分に結果を出していた
Add(追加):本業だけでは身につかないスキルやビジネス経験を積むため、または自己実現をするために副業を開始した
Convert(転換):本業で得られた〇〇の経験が活き、副業でも短期間で結果を出せた / 安定した業績を上げられた
Feedback(還元):さらに副業で得られた経営者視点を持って、本業に取り組むことで、副業以前よりも成果を挙げられた
上記のようなフレームワークを参考に、自信を持って副業について回答できる準備をしてみてください。
最後に
今回は、転職活動で副業がOKか確認しても良いのかという疑問について解説しました。副業OKの企業は、年々増えつつある一方で、全体的にはまだ積極的に推奨されている状況ではないのが現状です。転職活動における副業については、伝え方を工夫することで、採用担当者により良いアピールができます。
しかし、副業をしたい理由があやふやな場合や、志望動機が本末転倒となってしまっている場合には採用見送りになる可能性も否定できません。ぜひ、本記事を参考に転職先に副業についてポジティブに伝えるためのコツを掴み、転職市場を勝ち抜いてください。