転職して高収入の職に就きたいと考えている方も多いのではないでしょうか。収入の傾向は業界や職種によって異なります。今回は、転職で高収入を成功させるために狙うべき業界、高収入を期待できる資格、ポイントについて紹介していきます。
高収入の基準とは
高収入の職種に就きたいと考えている方は多いかと思いますが、高収入の基準に明確な定義はありません。そこで、国税庁が公表している「民間給与実態統計調査(令和元年分)」を参考にして、平均年収から高収入のラインを紹介します。
全体的な平均給与額は436万円です。男女の内訳として、男性540万円、女性296万円と244万円もの大きな開きが見られます。男性と女性、また年代によって異なりますが、各層の平均以上である、おおむね600~700万円以上が高収入の基準と言えるでしょう。
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賃金構造基本統計調査に見る高収入の職種
収入の高さは職種によって大きく異なる傾向にあります。厚生労働省の「賃金構造基本統計調整」では、下記4つの職種を高収入の職種として挙げています。
- 医師・弁護士・パイロットなどの専門職
- 金融・保険業
- 情報通信業
- 教育・学習支援業
上記4つの職種について、次項で詳細を説明していきます。
1.医師・弁護士・パイロットなどの専門職
まず年収の高い職種として挙げられるのが、医師・弁護士・パイロットなどの専門職です。
これらの職種は、いずれも高い学歴や国家資格などの専門的な資格が必要です。そのため、多くの場合は、その職業に就くために若い頃から専門的な勉強やトレーニングに取り組んでいます。
2.金融・保険業
次に年収が高い職種として挙げられるのが、金融・保険業です。金融・保険業が高収入である理由のひとつとして、成果が賞与や給与にインセンティブというかたちで反映される営業職が大部分を占めている点が挙げられます。しかし、インセンティブの割合が大きく、成果が求められる職種は、基本給が低く設定されている可能性があるため、注意が必要です。
3.情報通信業
3つ目に年収が高い職種として挙げられるのが、情報通信業です。特にITコンサルティングやエンジニアは慢性的な人材不足であるため、各企業が優秀なIT人材確保のために好条件を提示しています。プログラミング能力だけではなく、最先端の情報をキャッチアップできる英語力を高められると企業から重宝され、年収アップにもつながります。
4.教育・学習支援業
最後に年収が高い職種として挙げられるのが、教育・学習支援業です。
教育・学習支援と聞くと学校や学習塾を思い浮かべるかと思いますが、語学・資格取得のスクールや企業研修など、教育に関わるすべての事業が教育学習支援業に該当します。教育業界の中でも、特に大学教授は高収入の職種とされています。またシェアが大きい教育関連企業やベンチャー企業なども全体的に年収が高い傾向にあるものです。
高収入を目指す女性におすすめの職種
男性よりも平均年収が低い傾向にある女性ですが、高収入を目指せる職種も存在します。そのなかでも、専門的なスキルや知識を求められる以下の職種は、高年収の傾向があります。
- 特許・法律事務
- 保健師・助産師
- システムエンジニア・プログラマー
上記3つの職種について説明していきます。
1.特許・法律事務
1つ目におすすめの職種が特許・法律事務です。特許・法律事務は、電話応対や一般的な事務対応以外にも、特許庁へのオンライン出願、裁判所へ提出する書類の草案作成など、弁護士や弁理士のサポートを行う仕事です。専門的な知識が必要となる分、年収が高くなる傾向にあります。また、産休・育休後も復帰しやすいという意味でも、女性にとっては働きやすい職場と言えるでしょう。
2.保健師・助産師
2つ目におすすめの職種が保健師・助産師です。保健師は、人々が健康な生活が維持できるように、生活環境の調整や指導を行う仕事です。看護系大学や保健師学校養成所で学んでから、国家試験に合格する必要があり、保健所や企業・市区町村役場・学校など、さまざまな場所で必要とされています。
助産師は、妊婦と胎児の誕生を支援することを主とし、生涯を通した女性の健康問題にかかわる仕事です。出産時の介助だけではなく、妊婦や新生児のケア、思春期更年期の性に関する相談等を行い、医院や病院で勤務することができます。
どちらも専門的な知識だけではなく、臨床経験がある保健師や助産師を必要とする場が多いため、ブランクがあっても復帰しやすい職場です。
3.システムエンジニア・プログラマー
最後におすすめの職種がシステムエンジニア・プログラマーです。システムエンジニア・プログラマーを含めたIT業界は将来性もあり、高収入を目指せるため、人気の業界です。さらに取得資格や需要の高いプログラム言語を学ぶことで、手当など給料を上げることが可能です。
また、働き方としてはリモートワークとの親和性も高く、今後も必要となる重要スキルであるため、結婚出産後もキャリアのリスタートが可能です
転職市場で高収入を期待できる資格
ここまでは転職で高収入を目指すのにおすすめの職種を紹介してきました。次に、転職市場で高収入を期待できる資格について見ていきましょう。
- 公認会計士
- 税理士
- 宅地建物取引士
- 不動産鑑定士
転職の際に高収入が目指せる資格は上記4つです。これらは資格取得をすることで、高収入を目指せる職種に転職できますが、難易度が高い資格でもあります。しかし、難易度が高いからこそ高い専門知識やスキルを身に付けられ、希少価値のある人材として高年収を提示されると言えるでしょう。
1.公認会計士
公認会計士は企業や公益法人などの監査業務、財務・経理業務、会計コンサルティング業務を行う仕事であり、その中でも企業の監査業務は、公認会計士の独占業務です。
公認会計士の資格取得には、短答試験と論文試験で構成される公認会計士試験に合格し、2年以上の業務補助を行う必要があります。その後、一定期間の実務補習を受け、最終試験に合格することで、初めて公認会計士資格を取得することができます。また、公認会計士は医師・弁護士と並ぶ国家3大資格ということもあり、例年10%前後の合格率と非常に難易度が高い試験です。
公認会計士の年収は大手事務所で働くことで年収1,000万円を目指すことも可能であり、特定分野の専門家として独立することもできます。
2.税理士
税理士は企業や個人の納税者に代わって税務申告、提出書類の作成・提出など、税務に関わる代行業務を行うのが仕事です。その中でも税務の代理、相談及び税務署類の作成が独占業務です。
税理士の資格取得には、国税庁が行う年に一度の税理士試験に合格しなければなりません。全5科目で構成されていて、例年10%前後の合格率と非常に難易度が高い試験です。
税理士の年収は、公認会計士と同じように大手事務所への就職や独立によって年収1,000万円を目指せるようになります。
3.宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸の仲介として、土地や建物に関する専門的な知識をお客様へ説明をする仕事です。その中でも、契約書の重要事項説明や書類への記名・押印は、宅地見物取引士の独占業務です。
宅地建物取引士の資格を取得するには、試験の合格後、2年以上の実務経験もしくは登録実務講習の受講を求められます。合格率は例年16~17%前後であり、比較的難易度が高い試験です。
宅地建物取引士の年収は600万円程度と言われていますが、企業によっては資格保持者に対して手当てが支給されることがあり、給料にプラスとなるケースもあります。また、就職先としても不動産会社をはじめ、受託メーカーや金融機関など、多様な業界でのニーズがあるのです。
4.不動産鑑定士
不動産鑑定士の仕事は、土地や建物などの不動産の価格を鑑定及び評価することです。不動産鑑定士の資格取得のためには、筆記試験(短答式、論文式)への合格後、1~2年の実務修習期間を経験する必要があります。合格率は短答30%・論文15%程度と、不動産業界では最も難しい試験と言われています。
不動産鑑定士の年収は600~850万円程度と言われています。ただし、指導鑑定士のもとで実務経験を積む実務修習期間中は、年収が低くなることを理解しておきましょう。
高収入を叶える転職活動のポイント
ここまで高収入を実現できる職種や資格について見てきました。最後にそれらの職に転職する際のポイントについて、4つ紹介します。
- 高年収が多い業界で求められるスキルを理解する
- 給与相場の高い業界に応募を絞るのもひとつの手
- 即戦力となれるスキルや資格を身につける
- 年収だけではなく福利厚生面も重視する
それでは、各項目を詳しく確認していきましょう。
1.高年収が多い業界で求められるスキルを理解する
これまでに紹介してきた通り、高年収が多い業界や職種の特徴として、専門性の高い知識やスキルが求められます。しかし、どれだけ専門性の高いスキルを身につけていても、その業界や職種で求められるスキルでなければ意味がありません。
例えば、不動産業界では不動産鑑定士の資格、IT業界ではプログラミング能力が求められます。事前に必要となる知識やスキルを把握して学習しておくことで、転職にも有利に働くはずです。
今より年収アップを目指して転職を検討している場合は、まず業界や職種を決めて、求められる知識やスキルを調べて理解しておくことが重要です。
2.給与相場の高い業界に応募を絞るのもひとつの手
今すぐに年収を上げたいのであれば、給与相場の高い業界に応募を絞るという選択肢もあります。同じ職種でも業界の給与相場によって年収は変わるため、職種は変えずに業界を変えることで年収アップにつながる可能性はあります。
さらに現在はIT業界の技術者が不足しており、経験者でなくても求人を募集をしている企業が存在します。未経験者がスキルを身につけるのは大変なものですが、スキルアップできれば高収入のITコンサルティングやプログラマーを目指すことができます。このように年収の高い業界に転職してから、年収アップやスキルアップを目指すのもひとつの手です。
3.即戦力となれるスキルや資格を身につける
一般的に年収はスキルや経験に応じて高くなります。特に高収入となる転職では、即戦力となるスキルや資格を身につけることが重要です。
資格取得や研修会への参加を経て、知識やスキルを積極的に吸収していきましょう。資格もスキルもすぐにものになるわけではないため、計画的に学んで習得することで、高収入の転職を実現できるようになります。
4.年収だけではなく福利厚生面も重視する
転職の際には、年収だけではなく福利厚生面にも目を向けて考えるようにしましょう。福利厚生面が充実していることで、給料やボーナスが高くなくても長期的に見れば生活が潤うかもしれません。反対に、高収入でも福利厚生が手薄である企業も存在するため、求人の給与情報や内定後の労働契約書の内容をチェックするようにしましょう。
最後に
年収が高い傾向にある業界や資格は確かに存在しますが、実際の収入額は企業規模や職種によって異なります。転職してから、さらに年収を上げていくためには、自己研鑽も欠かせません。当記事を参考に自分自身の強みや伸ばしたいスキル、興味のあることは何かを考えて、キャリアプランを立ててみましょう。