50代で転職は現実的に可能なのかについて、重要なポイントと転職を成功させるための4つのコツをふまえて解説します。50代の転職にはさまざまな背景があるので、本当の転職目的を明らかにすることで最善の選択ができます。
50代の転職は現実的か
定年まで10年を残してキャリアをどう形成していくべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。主に転職を考えている人は、労働環境や仕事内容への不満、職場での人間関係への懸念、ライフスタイルの変化があげられます。転職市場からしても若年層の転職希望者のほうが多いことや定年が近いなどの理由から、50代の転職は厳しいといえるでしょう。
しかし、マネジメントスキルや専門知識を身に着けた経験が豊富な人材という見方もでき、企業にとっては即戦力となりうる人材であるともいえます。
見せ方によっては転職を成功させるのは十分可能なので、50代の転職が成功しにくい背景とその理由について理解しておきましょう。
50代の転職成功率は低い傾向
厚生労働省の雇用動向調査の結果によると、50代の転職成功率は他の年代と比較して低い傾向にあるといえます。上記でも述べましたが、50代は定年まであと10年という短い期間しかありません。とらえ方によっては10年もあるといえますが、20代や30代と比較すると企業に貢献してくれる期間は限られています。20代〜30代と50代の人材はキャリア形成の観点からも、企業は採用して育成しようと考えて採用活動を行っています。しかし、50代の場合は育成しようという考え方よりも即戦力を採用して第一線で働いてほしいと考える企業が多いでしょう。また、ライフスタイルの変化によって介護などに時間を割かなければならない状況であるため、管理職を辞めて家庭に時間を割きたいと考えている方も多いと思います。そのため、必然的に転職が成功する可能性が低くなってしまう傾向にあるといえます。
(引用元:令和2年 雇用動向調査結果の概況、厚生労働省)
50代が採用されにくい理由
50代の転職希望者が採用されにくい理由は下の5つの理由があります。
<採用されにくい理由>
- 10年以内に定年退職になる
- 健康状態への懸念
- 若年層よりも支払う給料が高い
- 新しい環境での人間関係に適応できるか不安
- 新しい仕事に順応できるか心配
特に、50代までに転職経験がない方は同じ職場で30年近く働いた経験からも、今までの常識とは全く違うルールの世界に行かなければならないので、相当なストレスがかかってしまうことが予想されます。転職を成功させるには、体力だけでなく気力も必要であるため、万全な準備が必須です。
これらの点を前提条件として、採用に際して懸念事項がないように書類選考や面接でのアピールをしていく必要があります。
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50代の転職に重要な2つのポイント
20代や30代のように未経験可の正社員の求人を探すのは、50代では非常に困難です。ではどうやって50代で転職を成功させられるのでしょうか。重要なポイントは以下の2つです。
<50代の転職に重要なポイント>
Point1.自分の市場価値を知る
Point2.転職の目的を作る
Point1.自分の市場価値を知る
今までの経験から自分の人材としての価値を予測しますが、その予測と市場が求めている価値に差があった場合、転職活動がうまくいきません。なぜなら、企業の求める人物像と転職希望者の間にミスマッチが生まれるからです。
たとえば、求められているのが10人以上の組織の管理職だったとき、転職希望者が3人以下の組織しか管理したことがない場合、人や予算の管理の体系が大きく異なるため、転職は成功できないでしょう。特に、企業の求める人材に対して、転職希望者が自分にはその能力があると思い込んでいる場合は要注意です。
自分の市場価値は自分では判断するのが難しいので、客観的な意見を転職エージェントに相談するのがおすすめです。
Point2.転職の目的を作る
転職を成功させるには転職の目的を明確にしておきましょう。特に、ライフスタイルの変化によって転職しなければならない場合は、今までの価値基準と異なる働き方になる可能性があるので、注意が必要です。
もし介護が必要になって転職しなければならない場合、仕事内容や給与よりも限られた時間で働けるような職場環境が必要になるでしょう。
転職の目的をはっきりさせることで、自分が一番大切にしなければならないことに集中するための軸ができあがります。そのため、書類選考や面接の通過割合が低い場合、一番大切な軸以外の条件などを緩和することで、少しずつ市場とすりあわせができ、転職を成功させられるでしょう。
50代転職のやり方
どの年代においても基本的な転職のやり方については変わりませんが、特に50代での転職で気をつけなければならないポイントを解説します。
Step1.自己分析
先程もお伝えしたように、自己分析で転職の目的と軸を明らかにしましょう。
自己分析ができないと、自分が転職によって何を成し遂げたいのかが不明確になってしまうからです。仕事内容に不満があってそれを解消したい場合は、少し給与が減ったり、待遇が悪くなったとしても目的を達成するべきでしょう。大切な軸以外の事項についてどれだけ許容できるかが成功のカギとなっているといっても過言ではありません。
Step2.企業研究
同じ業界、業種で転職をする場合は時間を割く必要はあまりありません。取引先や知り合いのつながりから仕事につながるかもしれないので、そのような方々に転職先を探しているという連絡をしたら、良い返事が返ってくる可能性があります。もし仮に、連絡がなかったとしても業界の動向や自分に合っている企業を知っている可能性もあるのでコンタクトをとってみるのもよいでしょう。
一方で、異業界、異業種に転職を考えている場合は、業界や企業の研究をする時間を十分に確保してください。今まで経験のない業界を志望している場合は、業界や業種について詳しい人に意見を聞き、業界の動向を探ったほうが良いかもしれません。転職後に後悔しないように、待遇面だけでなく業界の規模や安定性なども加味して企業を探してください。
Step3.応募・選考
履歴書や職務経歴書を作成して書類選考や面接へと進みます。実際に面接で聞かれるのはなぜこのタイミングで転職したいと考えたのかという部分と、転職をして実現したいことは何かということが主に聞かれることでしょう。書類作成はもちろん、事前に面接の質問に対する回答を十分に準備してから面接にのぞみましょう。
Step4.内定・入社
内定が出たら、内定の承諾条件をよく確認しましょう。もし求人情報に載っている条件と異なる条件があった場合や希望と異なる場合は入社後に変更するのが困難になる可能性もあるのですぐに相談しましょう。転職エージェントサービスをとおして転職活動をしていた場合は、転職エージェントにその旨を伝えれば代理で連絡や交渉をしてくれます。第三者としてエージェントは交渉してくれるので、入社後に気まずくなる心配も少なくないでしょう。
転職を成功させる4つのコツ
50代での転職は若い世代と比較して難しい傾向にありますが、以下のコツを押さえれば成功率を上げられます。以下に、転職を成功させるための具体的なコツを解説します。
正社員以外も視野に入れる
50代まで正社員で働いていた人にとっては抵抗があるかもしれませんが、正社員以外も視野にいれることで転職の成功率を上げられます。正社員でなければならない理由が特になく、介護などのプライベートな時間を確保したい方にとって一番大切なことは、正社員という条件ではないはずです。視野を広げてさまざまな可能性を考えて見る必要があるといえるでしょう。
経験とスキルの棚卸し
一般的にマネジメントスキルか専門知識、またはその両方が企業に求められているスキルです。その他には人柄や仕事への適性、仕事に向かうスタンスなど今までどのように仕事に向き合ってきたかが評価されるポイントです。自分がアピールできるスキルと経験を洗い出して企業にアピールできる状態にしておきましょう。
人脈を使う
現職でのつながりを使って転職するのは、転職成功への近道だといえます。50代まで会社で働いているとさまざまな会社の人と関わりを持つ機会が多いです。その中で交流を深めていった企業や気になった企業に対して転職を検討している旨を伝えれば良い返答が返ってくる可能性があります。いままで築き上げた人脈を駆使して転職先を探すのは何も問題はありませんので、積極的に使っていくのがおすすめです。
転職エージェントをうまく使う
特に転職が初めてだという方は必ずといってもよいほど使うのがおすすめです。最後に就職活動をしたのが20代であれば、30年近くブランクが空いているので、仕事の探し方や企業の人材の選び方も変化していると考えられます。
現在の転職事情に精通している転職エージェントという転職のプロに相談することで、転職の成功率を高くできるでしょう。
最後に
50代の転職は現実的かについて解説しました。転職の成功率はやはり低めと言わざるを得ない状況ですが、重要なポイントとコツを意識して転職活動を進めることで、転職の成功率を高くすることは十分に可能です。仕事の環境や家庭の状況などに変化の多い年代であるため、それらの変化にうまく対応できるか不安になってしまうかもしれません。また、定年まで残り10年ということもあり、仕事に対するモチベーションの変化も生じやすいかと思います。現状を変えるために早く転職したいという気持ちを押さえて、転職の本当の目的を分析し直して、悔いのないような職業選択を実現させましょう。