「給料が高い」「社会的信頼がある」といったポジティブなイメージがある正社員を目指している人も多いと思います。しかし、正社員は最良の働き方なのでしょうか?正社員のメリット、デメリットについて改めて見直してみませんか?
正社員と、そのメリットについて
正社員について、改めて考えたことがある人は少ないのではないでしょうか?正社員とはどんな雇用形態なのか、またそのメリットやデメリットについて解説していきます。
そもそも正社員とは?
正社員という言葉はよく使われていますが、実は法律上の定義はありません。労働基準法の上では、正社員や契約社員はもちろん、派遣社員、パートタイマーはすべて同じ「労働者」となっていて、特段区別がないのが現状です。一般的には、雇用期間が決まっておらず、会社が決めている労働時間にフルタイムで従事する労働者のことを正社員と呼んでいることが多いようです。
正社員になるメリットは?
では正社員として働くことには、その他の雇用形態と違って、どんなメリットがあるのでしょうか。
裁量権が大きい
正社員として働くことのメリットとして、裁量権が大きい点が挙げられます。正社員には、会社の一員としての期待と責任がともないます。そのため、重要な仕事は正社員に任されるのが普通です。
また、正社員は重要な仕事に関われるだけでなく、ある程度の裁量権が与えられます。そのため、成長する機会に恵まれているといえるでしょう。
加えて、重要で責任ある仕事を任され、やり遂げることができれば、達成感も得られますし、大きなやりがいにもつながります。また、会社だけでなく社会に貢献しているとも感じられるはずです。
収入が多い
正社員には、よく言われる通り、給料が高いというメリットがあります。
正社員には、サラリーに加えて、ボーナスや退職金などが支給されます。また、会社によっては、成し遂げたことに対してインセンティブが支払われることも。働いている年次が重なるにしたがって、昇給していくケースもあります。
上記のような理由から、契約社員などと比べて、給料を含む収入が高くなるといえるでしょう。
また他の雇用形態に比べると、有給休暇の日数も多くなる傾向があります。つまり、ちゃんと休みながら、毎月それなりの収入が確保できるということです。正社員に「安定している」というイメージがともなうのは、そういった理由があるからでしょう。
福利厚生が充実している
正社員には福利厚生が充実しているというメリットもあります。
社会保険はもちろん、住宅手当や社員寮、保養施設の提供、また健康診断補助や交通費の支給など、福利厚生にはさまざまなものがあります。
会社によっては、正社員がスキルアップするためなら、外部研修を受けたり資格を取得したりするのに必要な費用を提供するケースもあります。
これらの恩恵をもっとも多く受けることができるのは正社員です。福利厚生を求めて正社員になりたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
社会的な信用が得られる
正社員には、社会的信用度が高いというメリットもあります。
大きな買い物をする際、ローンを組むのが一般的ですが、ローンには審査をともなうのが普通です。正社員は安定した収入があるとみなされることから、銀行などでローンを組むための審査に通りやすいといわれています。クレジットカードの審査についても同様です。
仕事がしやすく転職活動にも有利になる
正社員には、会社の看板を使えるというメリットもあります。
外部の企業とやりとりする際、「〜という企業に所属している社員」という捉えられ方をされるのが一般的です。その会社の代表者として扱われるため、自分が誰かを説明する必要がありません。会社が誰もが知っている大企業であればあるほど、信頼を得やすく、仕事がやりやすくなります。
加えて、正社員として働いていた経験があれば、退職して転職活動すると気にも有利だといわれています。「〜という会社で正社員で働いた経験がある」と伝えれば、具体的な業務経験について話さなくても、「責任のある仕事に就いて相応の知識やスキルを身につけてきたのだな」と評価してもらえることがあります。
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正社員のデメリット
他の雇用形態にはないメリットが多い正社員ですが、決して良いことばかりとはいえません。一般的にデメリットとみなされる点も実は少なくありません。正社員を目指すに当たって事前に注意しておきたい点について紹介します。
転勤や異動を避けられない
正社員にとってのデメリットといわれていることの一つに、転勤や異動があることが挙げられます。
正社員になると、転勤や異動の辞令が下りた場合、原則として従う義務があります。転勤先や異動先となる部署が、自分の希望に合致していれば問題ありませんが、思わぬときに思わぬところへ転勤となったり異動となったりするもの。そうした自分の意思とは関係なく言い渡される配属となることがあることを理解しておく必要があります。
転勤先は、国内とは限りません。海外に拠点がある企業の場合、海外への転勤になる場合があることも理解しておきましょう。
転勤を命じられたとき、一人暮らしであれば、比較的気軽に動くことができますが、家族がいるケースや、家を購入しているケースなど、大きな負担がともなうことになります。
「転勤や異動は困る」という場合、転職採用時に企業側と交渉し条件として盛り込むことができれば、回避することも可能です。
残業や休日出勤を避けられない
残業や休日出勤を避けられないことも正社員のデメリットに数えられます。
人手が足りないようなとき、真っ先に正社員が会社から頼られることになります。そのため、どうしても正社員の残業時間は多くなりがちです。また、場合によっては、本来は休日である日に出勤しなくてはいけないケースもあることでしょう。
「定時で帰りたい」「オンとオフの境界線をはっきりさせたい」と考えている人にとって、正社員になることは精神的にも身体的にも苦痛に感じられるかもしれません。
責任がともなう
正社員のメリットとして、責任のある仕事が与えられ、裁量権が大きいことを挙げました。ところが、人によってはこのことをデメリットと感じるかもしれません。
責任のある仕事をこなしていくことは、自分にとって成長するチャンスですし、スキルアップもできるでしょう。しかし、大きなプレッシャーを背負うことにもなるのです。
また、正社員として長く企業に勤めると、やがて部下や後輩を育成する仕事も加わってきます。
正社員として働くことには大きな責任がともないます。それを負う覚悟が必要になるでしょう。
必ずしもやりたい仕事ができない
異動や転勤とも関わりますが、正社員になれば、必ずしもやりたい仕事を担当できるわけではありません。自分が形成したいキャリアとはまったく関係のない分野の仕事を長きにわたってしなくてはならないケースは決して珍しいことではありません。
勤務時間や休日が固定されがち
勤務時間が決められたり、休日となる曜日が決められたりすることもデメリットといえるかもしれません。
働く時間に関して、たとえばアルバイトやパートタイマーであれば、自分が働くことができる時間、働きたい時間だけ働くことが可能です。ところが、正社員の場合、自分の好きなように勤務時間をコントロールすることはできません。
正社員以外にはどんな雇用形態がある?
正社員のメリット・デメリットをあらためて確認して、どのように思われたでしょうか?もしかしたら正社員以外の雇用形態があなたには一番合っているかもしれません。そのような人のために、正社員以外の雇用形態についても見ていきましょう。
契約社員
契約社員とは、雇用期間が決まっている労働者のことをいいます。雇用契約期間は原則として3年を上限としています。
「3年間で徹底的にスキルと経験を身につけて、その後、よりより就職先に転職したい」という具合に目標がある場合や、「3年後に結婚するまで働きたい」という具合にライフプランがある場合など、契約が満了して退職したいと思っている場合に最適な雇用形態といえるでしょう。
派遣社員
人材派遣会社と契約を結んで、働く会社に派遣される雇用形態のことを派遣社員といいます。派遣社員として働くメリットは、自分のスキルや経験を活用できる仕事を自由に選ぶことができる点にあります。
派遣期間のデメリットとして、正社員のようなボーナスや退職金が出ないことが挙げられます。収入が少なく、長く雇用されるとは限りません。優秀な成績をあげていたとしても、企業側の事情で契約が切れてしまうこともあるでしょう。大きな裁量権が与えられにくい点も気になります。
アルバイト
アルバイトとは、「労働時間が他の社員と比べて短めの労働」と定義されることが多いようです。給料は主に時給ないしは日給というかたちで支給されるのが一般的です。
介護をしたり、子育てをしたりと、正社員としてフルタイムで働くのが難しいときに、無理なく自分のペースではたらくことができるというメリットがあります。
また、「未経験でも可」の仕事が多いのも特徴です。気軽に取り組むことができて、いろいろ融通が利くのがアルバイトの魅力でしょう。
ただし、時間単位で給料を比べた場合、正社員よりも安くなる傾向があります。また、福利厚生も享受することができません。
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
この記事のポイント・メリットとデメリット、両方理解した上で正社員を目指そう
・他の雇用形態の特徴も理解し、理想のキャリアを実現する上で最適なものを選ぼう
正社員のメリット、デメリットについておさらいしてきました。「収入が高い」「安定している」「福利厚生が充実している」など、いいことがとても多い正社員ですが、マイナス面だと感じられることも少なくありません。いろいろな雇用形態の特徴を知り、自分にぴったりなものを選んでください。
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