国際化が進むにつれて、以前よりも海外で働くことに抵抗がなくなり、海外転職を考えている人も多いと思います。そこで今回は、海外転職する方法について解説し、どのような語学力が必要なのかとあわせて紹介します。

 

海外転職を成功へと導くための3つの方法

海外転職を実現させる主な方法として、以下の3つの方法が挙げられます。

 

1 日系企業に現地採用される

2 日系企業の駐在員となる

3 海外企業において現地採用される

 

以下では上記の3つの方法について、くわしく見ていくことにしましょう。

 

日系企業に現地採用される

まずは現地に拠点がある日系企業の支社に応募する方法が挙げられます。

 

この方法の場合、働きたい国や業種、職種、仕事内容を自分で選ぶことができるというメリットがあります。採用され、その後の仕事の能力が認められれば、現地採用から本社採用（駐在員）となるケースもあるようです。また、現地採用の場合、あまり残業がないという特徴もあります。

 

給与は現地水準となります。そのため、日本から派遣されている駐在員よりも給与は低くなる傾向があります。また、福利厚生がないのが通例です。

 

英語スキルについては、現地の言葉で仕事上の意思疎通ができることが最低限求められるでしょう。

 

日系企業の駐在員となる

二つ目の方法として、日系企業に就職したあと、その会社が海外に持っている支社など、現地法人の社員として出向するという方法が挙げられます。

 

この方法の場合、会社の事情で海外勤務となります。そのため、自分が希望している国にいける可能性は低いといえるでしょう。最初から出向を想定して、自分が行きたい国に拠点がある企業を選ぶという方法もあります。

 

また、どのくらい滞在するのか、いついくのか、また仕事内容についても自分に選択権はありません。会社の指示にしたがうことになるので、希望が通らないと思っておいたほうが無難です。

 

給与は国内水準となります。現地で採用される人材に比べると高くなる傾向があります。また、住宅手当など福利厚生が充実しているのが一般的です。

 

語学力は、ケースバイケースですが、コミュニケーションの相手のほとんどが日本人である状況であれば、日常会話ができれば十分です。

 

海外企業において現地採用される

最後に紹介するのが、海外企業の現地採用に応募する方法です。現地に本拠地がある企業のケースもありますし、他国から現地に進出している企業のケースもあります。

 

行きたい国を選ぶことができます。また、業種・職種・仕事内容などを選ぶことも可能です。

 

給与は現地水準となります。国によっては低くも高くもなるでしょう。住宅手当などの福利厚生はないと思っておいたほうがよいでしょう。

 

取引先として日本がまったく絡まないようなら、ビジネスレベルの英語（現地の言葉）など、非常に高い語学力が必要です。

 

【転職を検討の方へ】あなただけの「転職エージェント」を探して内定を！

転職に関する悩みは尽きることがありません。加えて自分だけの力で、希望する企業の内定を得るのは難しい時代です。

「みんなのエージェント」なら、まずは専属コンシェルジュがお悩みを伺わせていただき、無料で転職相談を承ります。また、あなたにピッタリの転職エージェントをご紹介。

まずはお気軽にご相談ください。

 

海外転職する場合のメリットとデメリット

労働環境も価値観も日本とまったく違うところで働くことになるわけですから。日本で転職するのとはわけが違います。海外転職にはどんなメリットやデメリットがあるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

 

海外転職するメリット

海外転職する主なメリットとしては、以下の3つをあげることができます。

 

・多様な価値観に触れることができる

・残業が少ない

・海外での経験が得られる

 

それぞれについて解説してきます。

 

多様な価値観に触れることができる

その特有の文化や価値観に触れられることは大きな魅力と言えるでしょう。視野が大きく広がったり、これまでになかった発想力が身に付くことが期待できます。また、海外旅行をしながら働いている気分を味わうことができるのではないでしょうか。

 

残業が少ない

海外では日本と違って、残業することを前提にシフトが組まれているわけではありません。そのため、原則として残業はないと思っていてよいでしょう。また有給休暇も取りやすいと言われています。

 

海外での経験が得られる

海外での勤務経験を得ることができるのも海外転勤のメリットの一つです。語学力が身につくことはもちろん、海外で体験してきたことは、国内に帰ったあとも経歴として、また強みとしてあなたの武器となり、次のキャリアにつながっていくことになるはずです。

 

海外転職するデメリット

魅力が多い海外転職ですが、注意点が伴うのも事実です。主なデメリットとしては、以下の3つをあげることができます。

 

・現地のサービスの水準が気になる。治安の不安も

・なかなか日本に帰れない

・就労ビザが発行されない場合は帰国する必要がある

 

それぞれについて解説してきます。

 

現地のサービスの水準が気になる。治安の不安も

どんな国にいくか、またどんなエリアにいくかにもよりますが、治安が悪いところである可能性があります。また、行政や医療の面で、日本と同じようなサービスが期待できないことが多いでしょう。コンビニなど、日本であれば日常的に当たり前にあるものが突然なくなります。生活スタイルが大きく変わる覚悟が必要です。

 

なかなか日本に帰れない

いったん海外転職をしてしまうと、なかなか日本には帰ってこれないと思っておいたほうがよいでしょう。仮にまとまった休暇が取れたとしても、渡航費用や時間はかなりのものになるはずです。

 

就労ビザが発行されない場合は帰国する必要がある

就労ビザが発行されれば問題ありませんが、もしデモやクーデターなどで政情が不安定となれば、ビザが発行されなくなるかもしれません。すると強制的に帰国させられる場合があります。

 

海外転職は英語が話せなくてもできる？

結論として、英語があまり話せないとしても、海外転職することはできます。ただし、どんな企業かどんな仕事につくかで変わってくるでしょう。実際に現場で必要になるであろう英語力を、TOEICのスコアを目安に紹介します。

 

現地顧客との商談が必要な営業職

営業職での海外転職を考えているのなら、非常に高い英語スキルが必要になると思っていてください。

 

取引先相手に英語を使って商談したりプレゼンしたりすることになるため、ビジネス英語の習得が欠かせません。800点以上のTOEICスコアが欠かせません。

 

日系企業で現地の従業員をマネジメントする管理職

日系企業で現地の従業員をマネジメントするような管理職での海外転職を考えている場合も、それなりに高度な英語スキルが必要でしょう。

 

現地従業員に指示だししたりする必要があるので、スムーズなコミュニケーションができるくらいの語学力が欠かせません。600点以上のTOEICスコアが必要です。ただしアジアやアフリカの発展途上国の場合、現地の言葉のみで対応できることもあります。

 

開発職

エンジニアなど開発職での海外転職を考えているのなら、高い語学力は必要ありません。日常会話ができて、専門用語を知っている程度でOKです。

 

片言の単語で最低限のコミュニケーションができればよいので、TOEICスコアは400点あれば十分でしょう。

 

日本人観光客相手の販売業

日本人に接客するような販売業での海外転職を考えているのならば、語学力はほとんど必要ありません。有名な海外の観光地などで日本人相手に働くのであれば、日常会話で十分です。

 

海外転職をする場合の主な流れ

海外転職するにはどんな流れで進めたらよいのでしょうか。実は基本的に日本での転職の流れとあまり変わりはありません。求人情報を探して、これというものがあれば、履歴書を送って応募します。面接が通れば、そのまま内定という流れです。

 

海外転職するための具体的なステップ

では具体的にステップを踏む必要があるのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。

 

1 国を決める

まずは働く国を決めるところからですが、現地で成し遂げたいことをはっきりさせることが大切です。また、現地の現在の政治や経済の状況もきちんと調べましょう。ビザの取得のしやすさも考慮したいところです（東南アジアでは比較的取得しやすいでしょう）。

 

2. 希望する条件を決める

海外転職の情報を集めます。その中で、どんな職種がよいか、どのようなスキルや経験を生かしたいか、給料はどの程度欲しいか、語学はどうやって学ぶかなど、自分が希望する条件を固めていきましょう。

 

3. 求人情報をあたる

仕事や暮らしについて具体的なイメージができたら、求人情報を探します。主な探し方として3種類挙げられます。

 

日本の求人情報サイトの海外支部が運営しているサイトを当たる手があります。情報は英語であることが多いようです（現地語の場合も）。

 

日本の求人情報サイトの中にある「海外求人コーナー」を活用するのもよいでしょう。こちらは情報が日本語となっています。

 

海外の求人情報サイトによる現地の求人サイトにもたくさんの情報が掲載されています。情報は英語もしくは現地語のみです。

 

4. 面接を受ける

面接は現地で実施されるのが普通です。ただし最近はzoomなどが使用されることもあるようです。しかし、転職を決定するまでに、一度自分の目で現地の様子を確かめておきましょう。

 

5. 内定をもらったら

内定連絡はメールか電話で届きます。きちんと返事して入社の意向を伝えましょう。

 

最後に

この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。

英語スキルがなくても場合によっては海外転職は可能です。ただし、語学力やスキルが必要ない場合でも、自分が実現したいことはきちんと決めておきましょう。事前の情報収集も徹底してください。