今後転職を考えている人の中には、転職先が決まってから退職した方がよいのか、それとも転職先を決めずに退職した方がよいのか迷っている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、転職先が決まってから退職する場合と決めずに退職する場合の違いについて詳しく解説します。
転職先が決まってから退職するメリット
転職先が決まってから退職するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
3つご紹介します。
収入が途切れない
転職先が決まってから退職すると、退職日を転職先の入社日と照らし合わせて調整することができるため、収入が途切れないという安心感があります。
この場合転職先には1か月先を目安に勤務開始できると伝え、退職日との調整を行って入社日を決めることができるため、上手くスケジューリングができれば入社日の前日に退職することも可能です。
転職先を決めずに退職した場合でも、すぐに次の転職先が決まれば問題はないのですが、志望する転職先に採用されない可能性もあることも考えておいた方がよいでしょう。
ある程度の期間無収入でも生活できる貯蓄がある人以外は、転職先が決まってから退職した方が収入面での不安を抱えずに転職活動に集中できるのではないでしょうか。
職歴にブランクができない
転職先が決まってから退職すると、職歴にブランクができません。
今後のキャリアプランにもよりますが、職歴にはブランクがない方が好印象です。
退職のタイミングというのは将来の転職活動にも影響を与えるということを覚えておきましょう。
退職理由を詮索されずに済む
転職先が決まってから退職すると、転職活動の面接で退職理由を詮索されずに済みます。
もし転職先を決めずに退職すると、面接で「なぜ転職先を決めずに退職したのか」という質問をされる可能性が出てくるため、転職者はそれに対する回答を準備しなければなりません。
転職先が決まってから退職すると、転職に合わせて退職したと面接官が解釈してくれるためネガティブな印象を持たれずに済むのです。
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転職先を決めずに退職するメリット
転職先を決めずに退職するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
3つご紹介します。
転職活動に専念できる
転職活動では企業研究、業界研究、応募書類の作成、面接対策などそれなりに時間をかけて行わなければならない作業がたくさんあります。
仕事をしながらこれらに取り組むのは、勤務時間が長い人の場合なかなか難しいと感じることも少なくないのではないでしょうか。
転職先を決めずに退職すればこれらの作業に集中して取り組むことができる他、面接の日程なども調整しやすくなります。
急募の求人に応募しやすくなる
在職中の場合、採用が決まればすぐに入社して仕事を始められる急募の求人にはどうしても応募しにくくなりますが、転職先を決めずに退職すればこのような求人にも応募しやすくなるでしょう。
自分の求める条件が急募の求人とぴったり合っていても在職中ではあきらめなければならないこともあるため、チャンスを逃しにくくなると言えます。
退職のタイミングを柔軟に選べる
転職先を決めずに退職すると転職先の入社日との日程調整をする必要がなくなるため、退職のタイミングを柔軟に決めることができます。
例えばボーナスが支給されてから退職する、有給休暇を消化してから退職するといったことも可能になるということです。
転職先を決めずに退職する場合収入面で不安が出やすいため、それも含めて退職のタイミングを決めるのもよいでしょう。
転職先が決まってから退職する際の流れ
転職先が決まってから退職する際、退職日までの流れはどのようなものになるのでしょうか。
順を追って見ていきましょう。
就業規則を確認する
企業の就業規則には退職する際のルールが明記されているため、退職することを決めたらまず就業規則の退職について記されている部分を確認しましょう。
退職についての事項では、次の3つを必ずチェックしておくことが重要です。
- 退職予定日の何日前までに申告が必要か
- 退職に必要な手続き
- 「退職届」「退職願」の提出の方法について
例えば民法627条で「雇用は、解約の申し入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定められているため、法律上は退職予定日の2週間前までに退職を申告すれば問題はありませんが、企業独自のルールを定めている場合があるため確認が必要なのです。
ルールを守り丁寧に手続きをすることが、円満退社に結び付くでしょう。
退職の意志を伝える
就業規則を確認したら退職の意志を伝えることになりますが、感謝の気持ちを込め一方的な言い回しにならないよう注意しましょう。
退職の伝え方
退職を伝える際は、最初に落ち着いて直属の上司と2人だけで話ができる場所と時間を確保します。
上司に時間をもらう際は伝えたいことがあるとだけ話し、内容をにおわすようなことはしない方がよいでしょう。
退職を伝える際に気を付けたいポイントは次の5つです。
- 退職が前向きな決断であることを伝える
- 引き止められても動揺せず自分の意志をはっきりと伝える
- 現状の不満は言わない
- 転職先は聞かれたら相手を選んで慎重に答える
- 転職先でしか実現できない退職理由を伝える
「立つ鳥跡を濁さず」ではありませんが、気持ちよく会社を去るためにはどのようなことに配慮した伝え方が望ましいかを考えてみることが重要です。
退職を伝える順番
円満に退職するためには、退職を伝える順番にも配慮する必要があります。
企業や置かれている立場によっても異なりますが、おおむね次のような順番で伝えると印象がよいでしょう。
- 直属の上司に直接口頭で報告する
- 仕事で特にお世話になった歴代の上司、先輩などに個別に直接報告する
- 部やチームの会議で周囲の人に伝える
- 仲の良い同僚をランチに誘って伝える
- 退職日の2週間ほど前を目安に仕事でかかわった社員全員に一斉メールで伝える
余計なトラブルを避けるためにも順番が最初の方では口止めをし、真実ではない噂が広まってしまわないように注意しましょう。
退職の手続き・引き継ぎ・あいさつをする
退職を報告したら今まで以上にきっちりと仕事をこなすのはもちろんですが、退職日までに退職の手続き・引き継ぎ・挨拶を行っておくことが大切です。
手続きの書類などの提出は比較的忘れにくいですが、会社に返却しなければならないもの、逆に会社から受け取るものなどはチェックリストを作って確認を怠らないようにしましょう。
また引き継ぎは自分の退職後でも引き継ぎを受けた人が仕事に困らないよう、マニュアルや記録を準備し、退職までにしてほしいことを確認しながらコミュニケーションを取って進めることが重要です。
最終出社日にはお菓子などを配布し、感謝の気持ちを伝えてご挨拶をしましょう。
転職先が決まってからスムーズに退職するためのポイント
転職先が決まってからスムーズに退職するためには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。
3つご紹介します。
有休消化やボーナスにこだわりすぎない
転職を希望する人なら誰でも1度は「有給休暇を消化してから退職したい」「ボーナスをもらってから退職したい」と考えるものですが、あまりにもそれにこだわりすぎると退職するのにちょうどよいタイミングを逃しかねません。
例えばボーナスをもらうことにこだわりすぎたために繁忙期の退職となり、仕事の引き継ぎが中途半端になってしまった場合、「引き継ぎを途中で投げ出して退職した」という印象を持たれてしまうため、円満退職からはほど遠い形になってしまうでしょう。
有休消化は働く人の権利で、ボーナスもできるだけ受け取りたい気持ちは誰にでもありますが、気持ちよく退職するにはどのタイミングが望ましいのかを今一度考えてみる姿勢が大切です。
スケジューリングをしっかり行う
転職先への入社日から逆算して退職日と、その日までにしなければならないことを考えてしっかりとスケジューリングを行いましょう。
特に引き継ぎは仕事を引き継いでくれる人との日程調整も必要となるため、余裕のないスケジュールを組むとうまくいきません。
最終出社日の1か月ほど前から残務整理をし、引き継ぐ人が決まっていない仕事に関してはマニュアルや資料をあらかじめ準備するなど、自分がいなくなっても仕事に支障が出ない体制を少しずつ整えていきましょう。
引き止めに揺らがない
退職の意志を伝える際、会社が待遇などの改善を持ち出して引き止めようとすることもあるかもしれません。
しかし引き止められて退職を止めた場合、次のようなデメリットが発生します。
- 仕事をやめたいことが周囲に伝わるため社内での心証が悪くなる
- 待遇が改善されない可能性がある
- 転職先が新しい人を採用しなければならなくなり迷惑がかかる
退職を止めてもあまりメリットはない可能性が高いため、引き止められても揺らがないことが大切です。
最後に
この記事で説明した内容は次の通りです。
- 転職先が決まってから退職すると「収入が途切れない」「職歴にブランクができない」「退職理由を詮索されずに済む」という3つのメリットがある
- 転職先を決めずに退職すると「転職活動に専念できる」「急募の求人に応募しやすくなる」「退職のタイミングを柔軟に選べる」という3つのメリットがある
- 転職先が決まってから退職日までは、就業規則の確認→退職の意志を伝える→退職の手続き・引継ぎ・あいさつをするという流れになる
- 転職先が決まってからスムーズに退職するためには有休消化にこだわりすぎず、スケジューリングをしっかりと行い引き止めがあっても揺らがない
この記事を参考にして、ぜひ転職先が決まってからスムーズに退職をしてみてください。
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