なぜ書類で通らないのか
転職における書類選考でなかなか通らず、毎回お祈り通知ばかり受け取ってしまっていないでしょうか。もしそんなことが続くのであれば、何かしら書類の書き方や応募方法に問題があるかもしれません。
まずは、書類がそもそもなかなか通過しない状態になっていないかを見直してみましょう。ポイントとなるのは以下のとおりです。
・書類の記載方法に誤りがある
・応募先が合っていない
・文章が読みにくく内容が伝わりにくい
次項から、一つずつ解説していきます。
書類の記載方法に誤りがある
応募書類の書き方には、基本的にルールがあります。それは、「こうしたほうが良い」というようなコツの話ではなく、そもそも決められた「このように提出してください」「このように記載してください」という決まりのようなものです。
例えば、写真のサイズや余白が決まっている、履歴書と職務経歴書の2種類を必ず提出する、履歴書は2枚以内にまとめる、などです。
大前提として、決められたルールどおりの書類を用意できないと、採用候補のテーブルに上がることすらできません。
まさかそのようなミスをするはずがない、と感じるかもしれません。ですが例えば、以下のような間違いが起こりえます。
・別の応募先のルールと勘違いしていた
・他社では見ないような独自の提出物を要求されていたが、気づかなかった
・職務経歴を書くべき場所に自己アピールばかり書いて職歴の記載が少ない、などの小さな違和感の積み重ねで、全体としてルールを破っているような印象を与えた
まずは、決められたルールどおりに記載できているかの確認から始めましょう。
応募先が合っていない
自身の経験やスキルに合っていない企業ばかりに応募している可能性はないでしょうか。
例えば、マネジメント経験が5年以上必要、という要件がある募集に、未経験のままで応募しているなどです。
競争倍率が高く、特に優秀な応募者が集まりやすい大手有名企業ばかりに応募している、というのもこのパターンに当たります。
ただし転職サイトなどからデータとして送る場合、物理的な書類を用意しなくてもいいので、とりあえず送っておいても損はないという面はあります。
あまりにも応募先の通過率が悪く、送る先の精度を高めたいと感じるなら、転職エージェントに相談するのも手段の一つです。エージェントは基本的に受かる可能性がありそうな企業を紹介してくれます。
無名の会社を紹介されることを恐れるよりもむしろ、自身の実力よりも高いスキルを要求される本来は受からないはずの企業に間違って受かってしまうことを恐れたほうがいいでしょう。
文章が読みにくく内容が伝わりにくい
そもそも、書類への記載が文章として読みにくいものになっていないでしょうか。
・誤字が多い
・情報が盛り込まれ過ぎており、簡潔でない
・接続詞が不適切である
上記は読みにくい文章の典型例です。文章を読みやすくしたいなら、時間を置いて読んでみるか、第三者に読んでもらうのが効果的です。
前述した応募先企業を転職エージェントに相談する際、同時に添削もしてもらうのがおすすめです。応募先企業に合った内容になっているか、という視点でも修正を入れてもらえるためです。
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通過率を上げる書き方のコツ
そもそも採用候補のテーブルに上がらないという状態を改善できたなら、次からは通過率を上げる段階となります。
まずお伝えしたいのが、選考対策は過剰にしすぎないほうがいいということです。
選考は応募者と企業の双方のマッチングを確かめる場です。本来は採用されないはずの企業に無理をして採用されたとしても、働き始めてからつらくなってしまうでしょう。場合によっては早期退職し、「転職後、短期でまた転職した」という経歴になってしまう可能性すらもあります。
これからお伝えする通過のコツも、実力を十分に出しきれずに、本来はマッチしているはずの企業から不運にも弾かれてしまうという確率を減らすためのテクニックである、と認識しておいたほうがいいでしょう。
主なポイントは以下のとおりです。
・一文一意を意識し簡潔に伝える
・応募企業に特化させた内容にする
・第三者にチェックしてもらう
それぞれ詳しく見ていきましょう。
一文一意を意識し簡潔に伝える
一文を長く書きすぎないことで、より簡潔に伝わりやすくなります。目安は、一文のなかで説明する内容を一つの意味だけに絞ることです。
<例>
私の長所は冷静な判断力なのですが、その証拠として、かつて現場で大きな発注ミスが発覚した際には陣頭指揮を取り、事態を収拾した経験があります。
↓
私の長所は冷静な判断力です。かつて、現場で大きな発注ミスが発覚したことがありました。その際に陣頭指揮を取り、事態を収拾した経験があります。
少なくとも、ある文章があったとき、それが経歴紹介なのか/スキルの証拠を示しているのか/志望動機なのかを、自分のなかで明確化させておきましょう。
応募企業に特化させた内容にする
応募企業に特化させ、各所の用語やポイントを書き換えてみましょう。
これは、ネット上で応募できるため応募企業が多くなりがちな昨今、できない人が増えているコツです。
履歴や職務経歴の多くは、どの企業向けでも共通していると思います。ですが、志望動機や自己アピールポイントは応募先で変わるはずです。
可能であれば、パッと見て「弊社に応募するために、特別にこの項目を書いたんだな」と分かるような専用の記載箇所を設けましょう。
志望動機はまさにそのための箇所です。
最低限、応募企業について調べ、活動内容に言及するような記載を入れておきましょう。多くの人が怠ってしまう箇所であるぶん、これができているとより良い印象になります。
第三者にチェックしてもらう
友人や知人、可能であれば転職エージェントなどの第三者にチェックしてもらいましょう。
このときのチェックは文章の間違いの指摘というよりは、あなたのことを知らない人が読んでも伝わる内容であるかのチェックです。
選考官は基本的に、あなたと会ったことがなく、人柄も経歴も知らない状態から書類を読みます。リアルなあなたを知らない人が読んでも、しっかり伝わる内容になっている必要があるのです。
そのため、あなたのことに詳しい友人や知人よりも、日常のあなたのことを詳しく知らない転職エージェントにチェックしてもらったほうが効果的です。
話題に挙げていないはずのことに唐突に言及していないか、提示していない情報を前提にして話し始めていないか、論理の飛躍はないか、といった点をチェックしてもらいましょう。
転職の場合に特に気をつけたいポイント
転職における書類選考には、新卒採用とは異なり、転職ならではの気をつけるべきポイントが存在しています。
・退職理由はポジティブな内容を話す
・転職回数が多めなら必ず言及する
・受かるための対策をしすぎない
次項から解説していきましょう。
退職理由はポジティブな内容を話す
すでに現職を辞めているか、または転職先が決まったら退職するはずです。
退職理由は、まず自分のなかで整理しておきましょう。その際は、本音で整理しておくことをおすすめします。
給料が低い、休みが少ない、嫌いな上司がいる、会社の将来が不安、などストレートな言葉でかまいません。自分に嘘をつく必要はないからです。
ですがそれはそれとして、記載する際は少しポジティブに言い換えると印象が良くなります。
<例>
給料が低い
→正当に評価される職場で働きたい
休みが少ない
→公私のメリハリをつけて働きたい
嫌いな上司がいる
→尊敬できる人を手本にしていきたい
会社の将来が不安
→自分の成長と直結して、会社も成長していると感じたい
「〇〇が不満だから」ではなく「〇〇を良くしたいから」と言い換えてみることをおすすめします。
転職回数が多めなら必ず言及する
40代までに4回以上の転職をしているなら、転職回数が多いと感じられやすくなります。または、就職か転職してから1年以内の転職活動であるなら、短い期間で転職を繰り返していると感じられやすくなります。
その場合、応募企業の人事は「採用しても、またすぐに辞めるのでは?」という不安を抱いてしまうでしょう。
この不安を取り除く必要があります。
言いにくいことかもしれませんが、じっくり考える時間があるときに整理して書類に残しておきましょう。そうすれば、面接選考などの際に話をするきっかけにもなります。前述の、ポジティブな表現で記載する手法も使ってみてください。
また、ハラスメントや過剰な長時間労働などやむを得ない事情の場合、事情をくみ取ってくれるはずです。その場合は記載しても問題ないでしょう。
受かるための対策をしすぎない
再度強調しておきますが、転職の選考は応募者と企業のマッチングを確認する場です。
新卒の社員であれば、入社後に会社のカルチャーを教え込んでいく期間が設けられます。不足しているスキルも教育してもらえるでしょう。
ですが中途社員は即戦力であることを求められやすく、社風に慣れる期間が短いものです。ゆっくり合わせていったりスキル教育をしてもらう時間が少ない分、もともとマッチしている会社に入社することが重要なのです。
転職の選考対策は、本来受かるはずの企業からしっかり内定をもらうために、実力を出し切るための対策であると認識しておきましょう。
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
この記事のポイント
・まずは書類の不備やミスをなくし、採用検討のテーブルに上がる状態にする
・次は文章の体裁を整えることで、読みやすい書類にする
・退職理由や転職回数などの記載方法は転職時の書類選考に特有のため、特別に注意を払って記載する
現在では転職サービスを使って簡単に応募できるようになったからこそ、いくつも応募してしまうものです。それ自体は悪いことではないのですが、書類の精度が低い状態で無闇に応募しても、書類選考で落ちたという結果を積み上げるだけになってしまいます。
ぜひこの記事をもとに書類選考の対策をし、有意義な応募を行ってください。
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