書類選考と面接選考の自己紹介は分けて考える
採用選考においては、自己紹介は書類選考と面接選考で分けて考えたほうがよいでしょう。
書類選考は、応募における最初の段階です。特にインターネット上だけで送れる昨今では、紙に一枚一枚清書しなくてもいいため、大量の候補企業に応募できます。
これは企業人事から見ると、多数の求職者が応募してくることを意味します。すなわち人事は、数多くの応募者の書類に触れているのです。
面接選考では、書類選考を通過した人のなかから、光るものを感じ取れる人を拾い上げるという作業に移ります。スキルだけでなく、考え方や人柄などもチェックしています。
業界や企業によっては例外もあると思いますが、概ね、上記の違いがあると認識しておきましょう。
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書類での自己紹介で注意すべき点
書類選考での自己紹介は、特別にアピールして注目してもらおうとするよりは、奇をてらわずに普通にしたほうが無難です。
稀に、就職に成功した話などで「インパクトのある自己紹介をした」という例を目にするかもしれませんが、それらは大抵、面接選考の場でのことです。
対面上のコミュニケーションであれば、インパクトのあるひとことを言える雰囲気かどうか確認できますし、たとえ失敗してもフォローできます。ですが、書類上で滑ってしまうと取り返しがつかないのです。
・履歴書と職務経歴書の目的を明確化する
・テンプレートを改造して自分に使いやすいフォーマットを作る
・転職エージェントなどの第三者に添削してもらう
上記を行うことで、より書類上での自己紹介をブラッシュアップできるでしょう。次項から詳しく見ていきます。
履歴書と職務経歴書の目的を明確化する
転職の場合、新卒採用とは異なり、履歴書のほかに職務経歴書の提出も求められることがほとんどです。
両者の目的をそれぞれ整理して、不要な情報の重複をなくすことで効率的に自己アピールできるようになります。
履歴書の目的
履歴書は、自分はどういう人間なのかを伝えることが目的です。
これまでの学歴や職歴などの事実を時系列順に記載することになります。左側にそれらを記載したのち、右側に自分の性格などの自己アピールを記載する欄が設けてあることが多いのではないでしょうか。
自己紹介において重要なのは、右側の自己アピール部分です。ここは、比較的自由記述に近い状態でアピールが書けます。
自分の性格や趣味など、そもそもまずは「職務に関係なく、自分の個性を知ってもらうこと」ができる箇所です。自分がどんな経験をしてどう思ったか、などの感情を交えて記載しましょう。
また、志望動機を記載する欄がある場合もあると思います。自分の経歴や性格・趣味と同じ紙面で、志望動機をアピールできるチャンスです。ぜひ志望動機も記載しましょう。
そうすることで、履歴書を使って自分の来歴を示すだけでなく、来歴に由来する志望動機をも示すことができるようになります。
職務経歴書の目的
職務経歴書は、これまでの職務内容を裏付けにしつつ、自分が備えているスキルをアピールする場です。
自分の来歴や出自、自分という人間の個性をアピールできる履歴書と異なり、こちらは職歴やスキルといった、仕事に直結する内容をアピールする場です。そのため比較的、そのときどう思ったかなどの感情ではなく、客観的な事実ベースで記載することになります。
在籍企業と在籍期間、その職場で担当した業務と得られたスキルを書くことは必須です。
可能であれば、最後に「これまでのキャリアのまとめ」と、それらにからめた「志望動機」を追記しましょう。
職務経歴書でも志望動機について記載しておけば、職務経歴にからめた志望動機を同じ紙面上でアピールすることができるようになります。
テンプレート+自分のポイントを伝えやすいフォーマットを使う
転職サイトなどで調べると、多くの履歴書と職務経歴書のテンプレートをダウンロードできます。
なかには、かなりカスタマイズ性が高いものや、あらかじめ「経歴を特にアピールしたい方向け」「志望動機を特にアピールしたい方向け」などのようにカスタマイズ済みのものもあります。
まずはテンプレートに記載するところから始めてみましょう。前述した通り、「奇をてらう」のは、書類選考の段階では止めたほうが無難だからです。
そのうえで、あえて既存のテンプレートだけでなく、自分の特徴を伝えやすいようにフォーマットに手を加えることも考えてみてください。大きく改造するのではなく、あくまで少し使いやすくする、という程度にするのがポイントです。
志望動機の欄を少し広げて、より多くアピールする。趣味の欄の行数を増やし、仕事でも活かせそうな趣味を丁寧に記載してみる。
そういったカスタマイズをするだけでも、伝えたい情報を多めに伝えられるようになります。
エージェントに添削してもらう
書類選考で非常に重要となるのが、可能ならば第三者の視線を入れるということです。
誰もが、自分のことは客観視できないものだからです。
知人や友人でも良いのですが、出来栄えを指摘するのは難しく、また添削するスキルがなかったりする場合がほとんどです。
そのため、転職エージェントに添削してもらうのがおすすめです。
転職エージェントサービスに登録すれば、使いやすい書類フォーマットも用意してくれる場合がほとんどなので、書き始める段階からスムーズにスタートできるでしょう。
面接での自己紹介で注意すべき点
続いて、面接での自己紹介についてです。面接選考は、人柄なども含めてマッチしている人を拾い上げる段階です。
もし選考に落ちても、実力を出しきって落ちたのなら、それはその企業とマッチしていなかったということです。
肝心なのは、緊張や焦りから実力を出しきれず、本来はマッチしているはずの企業から落とされてしまうのを防ぐことです。
・話す内容を取捨選択する
・経験とスキルをセットで話す
・場の流れに乗ってみる
上記を意識するとスムーズに選考が進み、後悔のない面接ができるでしょう。
話す内容の取捨選択をする
事前に面接官は、ある程度書類に目を通しています。手元に書類も用意しています。
そのうえで何を話してほしいか促されるので、基本的にはそれに従いましょう。
なかには、生まれてから現在に至るまですべての流れを話そうとする方もいるようですが、そのようなことは不要です。
上記の例は過剰すぎるとしても、求められている以上にあまりにも話を追加すると、たとえ自己アピールだったとしてもマイナス評価になることがあります。
何を伝えるべきか、取捨選択して話を進めるようにしましょう。
経験プラス得られたスキルと思考も話す
例えば「営業をしていました」というのは事実かもしれませんが、それは履歴書を読めば分かることです。
その経験から得られたスキルや、なぜ当時の決断や選択をしたのか、思考も交えて話しましょう。
営業ではどんなことをやってきたのか、何が身についたのか、どうしてそう思ったのかなど、人と人が接する面接という場だからこそ広がっていく話ができると、自然な流れで自己アピールができます。
感情的になりすぎる必要はありませんが、「人とのマッチング」を計る場なので、思考や感情に対する言及は不可欠です。
自分がもっているスキルと、そのスキルを裏付ける経験と、その経験の際に感じた感情、これらをセットで話せるようになっておきましょう。
場の流れに乗ることも大切
大枠として、面接選考の場で話しておきたいことは決めておいたほうがいいでしょう。
ですが、面接の場は暗記したことを発表する場ではなく、コミュニケーションを取る場です。
面接官の反応も見ながら、臨機応変に話の内容を変えてみましょう。場の流れにある程度乗ってしまうというのも手です。話が盛り上がれば、少なくとも印象が悪くなるということはありません。
もしアピールしたいことを話せなかったとしても、必ず最後に「言い忘れたことはないか」といった確認をしてもらえることがほとんどです。その際に、流れに入れられなかった自己アピールを話す機会はあります。
転職の場合に特に重要になるポイント
ここからは、転職の自己紹介で特に重要になるポイントを解説していきます。
・退職理由への言及
・志望動機で軸にすべきこと
・言いにくい転職回数について
上記が、新卒採用にはない、転職の際に特有なことです。それぞれ、詳しく確認していきましょう。
退職理由はポジティブな内容を話す
自分のなかで、なぜ退職するのかを本音で整理しておくことは絶対に必要です。
給料が低い、人間関係が悪い、残業が多い、など、ストレートな感情を認識しておくことは、精神的にも健全なことです。
ですが、それらをそのままの言葉で伝える必要もないのです。
<例>
給料が低い
→正当に評価される職場で働きたい
人間関係が悪い
→仲間たちと協力しあえる関係を築きたい
残業が多い
→効率的に働きたい
「〇〇が不満だから」ではなく「〇〇を良くしたいから」と言い換えれば、それだけでも心象が良くなります。
志望動機は業界/企業/職種を軸に
転職する前にも、どこかの業界の企業で、何かの職種として働いているはずです。
それらを変えるにせよ変えないにせよ、「なぜその業界/企業/職種でなければならないのか」を志望動機として説明できるようになっておきましょう。
これが話せれば、しっかりと企業研究ができていることのアピールにもつながります。
また職種に関しては、転職後に就く職種についてだけではなく、今後どうなっていきたいのかも話しておくとより好印象です。
そのままの職種で続けるためにもっとスキルアップしたい、より上位の職種になるために成果を出したい、などです。
重要なのは、あまり自分本位な説明になりすぎないことです。スキルアップしたいというのは本音かもしれませんが、それだけでなく、スキルアップの過程あるいは結果で転職先企業へ貢献できるということも伝えておく、といった具合です。
転職回数が多めなら必ず言及する
40代までに4回以上の転職をしているなら、「転職回数が多い」という印象をもたれるかもしれません。または、就職・転職してから1年以内にまた転職しているなら、やはり「すぐに転職している」という印象を抱かれるでしょう。
面接官はそのようなときに「採用しても、またすぐに辞めるのでは?」という不安を感じています。この不安を取り除く必要があるのです。
例えばハラスメントや長時間労働などのやむを得ない事情がある場合は、少なくとも本音で話しても理解されるはずです。
逆に、ここで理由を話してもピンと来ない職場であれば、再度、これまでと同じ「やむを得ない事情」に見舞われてしまう可能性があります。
自身の転職回数が多かったり転職期間が短かったりすると、それを言い出すのは勇気がいることです。ですが、面接官から突っ込まれるよりも前に話せれば好印象にもなりえると覚えておきましょう。
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
この記事のポイント
・書類選考と面接選考では、自己紹介の仕方を変える必要がある
・書類選考では、テンプレートを活用しつつ自分用にカスタマイズする
・面接選考では、準備をしつつ流れに乗ってコミュニケーションをする
・言いにくいことは、突っ込まれてからよりも自分から伝えたほうが印象がいい
転職における自己紹介は、新卒採用とはまた違った難しさがあります。ですが、職歴とその結果得てきたスキルという、これまでにない強みをもった状態で自己紹介ができます。
選考とはいえ、人間同士でコミュニケーションをとり、会社と自分とのマッチングを計る場です。
ここで得た知見を利用し、過剰に恐れることなく選考の自己紹介に挑んでください。
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