転職活動に罪悪感を覚える必要はない
転職に際して、現職に対する罪悪感を覚えてしまう方が一定数存在しているようです。
特に、お世話になった人がいたり、同僚やチームメンバーとプライベートでも関係性をもっていると罪悪感を抱きやすくなるでしょう。
現職で働きながら同時に転職活動もしていると、一層罪悪感が募ってしまうこともあるかもしれません。
本来、自分の人生の自分のキャリアは自由に選択できて然るべきです。にもかかわらず、なぜ現職に義理立てするかのように罪悪感が生まれてしまうのでしょうか。
このページでは、なぜ罪悪感を覚えるのか、それをどう克服すればいいのかを解説していきます。
・転職はキャリアの選択にすぎないこと
・転職を非難するような職場に長居は無用であること
・少しくらい罪悪感が生まれる職場のほうがちょうどいいこと
まずは上記を元に、転職に際する罪悪感について考えてみましょう。
裏切りではなくキャリアの選択
採用の際に人事の方に想いを語ったかもしれませんし、同僚たちと熱い仕事のトークに花を咲かせたかもしれません。
そういった経験から、「転職するのは、採用してくれた人たちや仲間に対する裏切りなのではないか」と感じてしまうようです。
ですが今一度、「自分のキャリアの主役は誰か」を考えてみてください。「自分の人生は誰のものか」と言い換えてもいいかもしれません。
どんなに忠義を尽くそうとも、会社はあなた自身ではありませんし、お世話になった人も同僚もあなたではありません。あなたのキャリアを主体的に作っていくのはあなたしかいないのです。
転職やキャリアチェンジは、誰かに対する裏切りなどではなく、自分自身のキャリアに対する選択なのです。
転職を非難する人が多い職場ならむしろ辞めて正解
前述のとおり、自分のキャリアに責任をもてるのは自分自身だけです。会社も同僚も人事も上司も、あなたの人生に責任をとれるわけではありません。
しかもいまや価値観が大きく転換し、転職していく人は気持ちよく送り出そうという考え方が主流になってきています。
にもかかわらず、過剰に引き止めを行ったり、転職に際して罪悪感を煽ってきたり、急に仕事を取り上げて転職するまでの在籍期間を無為なものにしたりする職場があるとすれば、それは職場の側に問題があります。
当然、ある程度の引き止めや説得は行われるでしょう。ですが、そのうえで転職を決断したのなら、それを精一杯サポートするのが上司や会社の務めです。現在では、そうしたほうが残されたメンバーにとっても利益になる、という考え方にシフトしています。
転職者を裏切り者だとなじるような職場であれば、むしろ罪悪感など抱く必要はなく、今すぐに辞めて正解なのではないでしょうか。
少しくらい罪悪感があるのは普通のこと
これまでの解説と矛盾があるかもしれませんが、少しくらいの罪悪感は、人間である以上は、どうしても抱いてしまうのは仕方がないことです。
仲良くなった人もいるでしょうし、お世話になった人に恩義を感じるのは至って普通の考え方です。
逆に、もしまったく罪悪感がなかったり「ざまぁみろ、辞めてやったぞ」と思っているとしたら、それは少し危険信号です。
勢いだけで転職しており、明確なキャリアの目標のためではなく、「上司や会社の鼻を明かすこと」が転職の目的になっている可能性があります。
そのままだと、転職先でも同じような不満をもつに至り、転職したことを後悔してしまうかもしれません。
過剰に罪悪感を覚える必要はありませんが、まったく何も感じないなら、調査したうえでの転職であるか、今一度立ち止まって考えてみましょう。
危険な職場であればその限りではない
いくら「罪悪感がまったくないなら一度考えてみましょう」とは言え、労働基準法に違反していたり、著しく理不尽なことが多い会社であれば話は別です。
今すぐに逃げなければ自分の心身に危険を感じる、という場合であれば、罪悪感などの話をする前に、いち早く退散しましょう。
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人間関係を切り捨てる必要はない
お世話になった人や仲の良い同僚たちに申し訳ない、と思うかもしれませんが、その気持ちを和らげる最適な方法があります。
それが、人間関係までもリセットする必要はないと知ることです。
・上司や同僚との人間関係は維持できる
・退職ではなく卒業と考える社風も広がっている
・謝意を示して丁寧に対応する
上記を知っておけば、少なからず罪悪感を抑えることができるでしょう。
加えて、良い人間関係であれば何度か転職したあとも続いていくものです。上司や同僚が転職したり、自分がまた転職したりして業界の関係者がつながり、増えていき、どこかで思わぬ相乗効果を生み出す可能性もあります。
お世話になった人や上司・同僚との関係維持はできる
転職の理由に、「人間関係の悩み」が挙げられるケースもあります。転職は、職場の人間関係をリセットするのに適切なタイミングでしょう。
ですがこのとき、お世話になった人や仲の良い同僚たちまで完全に切り捨てる必要はありません。リセットしたい関係だけ切り捨てればいいのです。
個人的なSNSや、同僚たちとつながっているために作ったアカウントなどを使い、関係を維持したい人たちとだけつながりを維持することが可能です。
毎日顔を合わせなくなると、時間が経過することで少しずつ希薄な関係性になっていくかもしれません。ですがそれでも、定期的に近況報告などを行う機会もあるでしょう。
そういった関係性を続けていくことで、罪悪感を和らげることができます。
気持ちよく送り出すことが主流に
現在では、退職に際して退職者と会社が、お互いに揉めないように気持ちよく送り出すことが主流になってきています。
部署の主力メンバーである場合などは引き止めはあるでしょうが、過剰に留めようとすることは稀でしょう。
それよりも、新たなチャレンジをする決断を祝福し、サポートしてくれるようにしたほうが良い、という認識が広がりつつあります。
退職者を「辞めた人」と見るのではなく、「卒業した人」と考えるという風潮です。
転職して辞めていく側も、「自分はこの会社での役目を終え、卒業していくのだ」と考えることで、罪悪感を薄めることができるでしょう。
退職者コミュニティやアルムナイ採用も盛んになりつつある
近年では、辞めた人とも会社単位でつながっていたり、退職者を会社の交流会や懇親会に呼んだりすることもあります。
これこそが、ただの他人同士の関係に戻るのではなく、「卒業生」という関係になるということを表しています。
一度退職した社員が再度会社に戻ってくることを「出戻り」と表現することがあります。最近ではこの「出戻り社員の再雇用」は「アルムナイ採用」と呼ばれ、歓迎されることもあります。
一時は会社を離れたが、別の場所で武者修行してから、さらに優秀になって戻ってきたのだ、という考え方です。
当然ながら、卒業生という考え方もアルムナイ採用も、お互いに罪悪感なく気持ちよく送り出し合える関係だったからこそ成立するものであることは、言うまでもありません。
罪悪感が強いなら現職への謝意も
特に便宜を図ってもらった経験があって罪悪感が強かったり、次の会社に行くかどうかをいつまでも悩んだりするというのは、それだけ良い職場であるということを意味します。
そんなとき、最終的には転職しないことを選ぶこともあり得るでしょう。
どうなったにせよ、社会人としての礼儀をわきまえつつ、しっかりと対応すれば問題ありません。
ありがたいと感じたのなら公に感謝の意を示し、残る期間で精一杯の業務をこなしましょう。
罪悪感の理由とは向き合っておこう
過剰に罪悪感を覚える必要はない、とお伝えしましたが、自分のなかに生まれた罪悪感の理由とは、しっかり向き合っておくことをおすすめします。
・仕事が残っていて心配である
・人間関係に未練がある
上記のような理由があるなら、その理由と向き合いながら解決していきましょう。
仕事が残っていて心配である
やりかけの仕事がある、大きなプロジェクトでまだ成果が出ていない、制作物が途中であるなどの場合、途中で放り出してしまうように感じて、罪悪感が大きくなってしまうかもしれません。
それを放ったまま辞めてしまうと、自分のなかでわだかまりになり、後々まで尾を引く可能性もあります。
まずは、後任へと引継ぎをしっかり行うことを意識しましょう。
それが難しい場合、または自分でどうしてもやり切りたい場合は、切りがいいところまで待ってもらえないか、次の転職先に交渉してみるのも手です。
やりかけの仕事をやり切ってから去るというのは、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。それほど長期間でないのなら、転職先の企業もある程度は理解を示してくれるのではないでしょうか。
人間関係に未練がある
人間関係に未練があるのなら、退社前にSNSやメールなどの連絡先を交換しておくことがおすすめです。
退職の際の連絡メールに個人スマートフォンのアドレスやSNSを残しておくのも手です。
これをやっておけば、つながりや関係性が残る人は残りますし、意外とすっきりと別れる人とは別れるものです。
また、会社アカウントなどをフォローしておけば、あとでアルムナイ採用や退職者コミュニティのつながりなどに活用することもできます。
罪悪感を生む理由について第三者に相談してみる
友人や知人でもよいので、自分が転職に際して抱いている罪悪感を打ち明けてみましょう。
人に話すことですっきりすることもありますし、整理できることもあります。また「考え過ぎだ」と諭してくれる場合もあるでしょう。
守秘義務がある社内カウンセラーや、転職エージェントなどを利用してみるのも手段の一つです。そういったプロに相談する場合であれば、より実務的かつ実践的なアドバイスをもらうこともできるのではないでしょうか。
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
この記事のポイント
・罪悪感があるのは当然で、少しくらい感じているほうがむしろちょうどいい
・とはいえ、罪悪感に縛られてキャリアの足を止めることは得策ではない
・まったく罪悪感がないなら、勢いだけの転職になっていないか立ち止まってみる
・罪悪感の理由とはしっかり向き合って、気持ちよく次の職場へ向かおう
所属していた組織を自分だけ去るのですから、少なからず罪悪感を抱くのも無理からぬことです。ですがそれに縛られることなく、向き合いながら進んでいくことで自分自身のキャリアを切り開くことができるのではないでしょうか。
もし転職に際する罪悪感に押しつぶされそうになったら、当記事を思い出してみてください。
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