IT企業に転職したいが、志望動機に何を書くべきか分からないという方は多いのではないでしょうか?特に未経験の場合前職での実績がないため、自己PRに困る方も多いですよね。本記事では、未経験者がIT企業の志望動機を書くときのポイントを解説します。
IT企業は未経験でも転職できる?
結論を言うと未経験でも転職はできます。
なぜなら、IT企業は人手不足な状態が続いているからです。たとえば2021年の7月の場合、IT企業の求人倍率は6.82倍となっています。平均倍率は2.31倍ですので圧倒的です。人手不足が続いているため、未経験者であっても積極的に雇う傾向がありますね。
参考:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/
IT企業の中でも、マネジメントスキルや上流工程のスキルを求められない仕事は特に転職しやすいです。たとえば、プログラマーやテストエンジニア、セールスエンジニア、Webデザイナー、Webマーケッターなどは、未経験者歓迎の求人も多いですね。
ただし、実務未経験であっても、ある程度のスキルを持っていた方が採用はされやすいです。たとえばプログラマーに転職するなら、趣味でプログラミング言語を少しは身につけておいた方が良いでしょう。
最低限のスキルも保有していないと、学習意欲が低いとみなされてしまいますね。
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未経験がIT企業の志望動機を書くポイント
未経験者がIT企業の志望動機を書く場合、いくつか気をつけたいことがあります。志望動機を書くポイントは次の3つです。
- ①IT企業について理解しておく
- ②専門用語を使う必要はない
- ③独学で習得したスキルを盛り込む
これらのポイントを意識して書くことで、説得力のある志望動機が完成しますよ。1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。
①IT企業について理解しておく
まずはIT企業についての理解を深めておくことが肝心です。IT企業に関する知識が浅いことは面接で問答を繰り返すうちに見抜かれてしまうからです。
IT企業の社会における役割や、御社が業界全体の中でどの立ち位置にいるか把握しましょう。また、御社の企業ホームページのIR情報を確認するのもおすすめです。
また、IT業界に関する本を読み「今何がトレンドなのか」「業界は今後どうなっていくか」などさらに知識を深めておきたいところですね。具体的には「改訂版 就活、転職の役に立つ デジタル・IT業界がよくわかる本」がおすすめです。IT業界未経験者向けに最新動向も含めてわかりやすく解説していますよ。
②専門用語を使う必要はない
IT知識があることをアピールするために専門用語を志望動機に混ぜる必要はありません。
なぜなら、業界の人であってもエンジニア職以外はIT用語をあまり知らないことも多いためです。志望動機は誰でも分かる言葉で書くことが原則であり、難しい言葉の多用はマイナスとなる恐れがありますよ。
③独学で習得したスキルを盛り込む
志望動機には独学で習得したスキルを盛り込みましょう。冒頭で解説した通り、未経験であってもある程度スキルを保有していることを採用担当者は期待しています。
たとえば、エンジニア職なら「PHPとMySQLを習得しており1人でWebサイトの構築を一通りできます」などといった感じです。さらに、今後どういったスキルを身につけたいかも語ると、学習意欲を伝えられてなお良いですね。
志望動機は自己PRの場と考えましょう。「なぜ転職したいか」よりも「この会社で何ができるか」を軸に組み立てることが肝心です。
【職業別】IT企業未経験の志望動機の例文
IT企業未経験の志望動機の例文を解説します。以下の職種のOK・NG例をそれぞれまとめました。
- ①プログラマー
- ②テストエンジニア
- ③セールスエンジニア
- ④Webデザイナー
IT企業への転職を目指す方はこれらの例文を参考にしてください。
①プログラマー
プログラマーはプログラミング言語を用いて、システムを開発する仕事です。言語の文法を覚えているだけでなく、効率的な処理を書くための論理的思考力、チームで円滑に開発するためのコミュニケーション能力も要求されます。
OK例
私は前職で代理店営業として自社の携帯電話を販売してくれる代理店の開拓を行い、その年の営業実績1位を獲得しました。各地の販売ショップを回り、商品の魅力を端的に伝えるとともに各種キャンペーンの有効性をイラストや図を用いてうったえました。
前職で培ったコミュニケーション能力はプログラマーの仕事でも活かせると考えています。元々私はものづくりに興味があり、趣味としてスマホゲームの開発も行っており、Javaのスキルにも自信があります。
御社はSIer企業の中でも技術力が高いと評判であり、私もそのような会社で高いスキルを身につけていきたいと思い、志望させていただきました。一刻も早く即戦力として活躍できるよう仕事およびスキルアップに励みたいと考えております。
未経験の場合は、趣味で身につけたスキルや経験をアピールしましょう。また前職で身につけたコミュニケーション能力や論理的思考力などもアピールすると良いです。
NG例
私は前職で代理店営業を行ってきました。元々ものづくりに興味があり、プログラマーは未経験からでも転職しやすい業種と知ったため、今回応募させていただきました。営業で培ったスキルをプログラミング業務でも活用したいと思っております。
プログラマーなら未経験からでも転職しやすいから、という転職理由は自己PRになっていないのでNGです。また、前職の経験も具体的に書かれていないため、平凡な志望動機になってしまっていますね。
②テストエンジニア
テストエンジニアは、仕様通りにシステムが正しく動くかテストを行う仕事です。テストを正確に行うための集中力・几帳面さが強く求められるでしょう。また、不具合が起こりそうな箇所を見抜くための観察力も必要となってきます。
OK例
私は前職で一般事務を行っており、書類作成や来客対応、備品管理などの数々の仕事を行ってきました。書類作成の仕事では内容の間違いをなくすことを徹底すべく、簡易的なチェックツールを作成しました。その結果自分だけでなく部署全体の書類記載ミスがなくなり、会社からも表彰される結果となりました。
前職で培った「ミスをなくすために工夫した経験」はテストエンジニアの業務でも活かせると考えています。御社は高い技術力を持っており、特にクラウドソフトの評価が高いとお聞きしています。
転職後はテストエンジニアとして御社のソフトウェアの品質をより高めることに貢献していきたいと考えております。
OK例では前職の経験と、それがテストエンジニアの仕事にどう活かせるか具体的に書かれています。このように、未経験の場合はテストエンジニアに必要な集中力・正確さなどを具体的なエピソードとともにアピールすると良いでしょう。
NG例
私は前職で一般事務として、書類作成や来客対応などを行ってきました。御社は残業も少なく、ワークライフバランスに優れた企業であると思ったため、今回応募させて頂いた次第です。また、小さいときから開発業務に興味があったのも志望理由の1つです。
NG例では前職の経験が具体的に書かれていないため、自己PRが効果的ではありませんね。また、志望理由も薄いため、転職意欲が薄いと感じられてしまいます。
③セールスエンジニア
セールスエンジニアはハードウェアやITツールなどを顧客相手に売り込む仕事です。いわゆる営業職の一種ですが、営業スキルにくわえIT製品に関する知識も求められます。
OK例
私は前職で食品メーカーでの営業職として、食品を取り扱う卸売店から自社商品の発注を依頼してきました。卸売店から継続して発注していただくために、サンプルを使って商品の魅力を説明したり競合他社よりもどこが優れているのかユーザーからの口コミを元にアピールしたりした結果、販売ルートの拡大を果たし企業から表彰されました。
私は元々ITに興味があり趣味でWebサイトを作成するなどしていました。御社のパッケージソフトは老若男女問わず誰でも使いやすいよう考慮されており、大変魅力を感じております。
前職で培った営業力を活かし、御社の素晴らしい商品の売上アップに貢献したいと考えております。
OK例では前職の営業職の経験が詳しく書かれており、転職後もその人が活躍してくれることが見て取れますね。また、御社の商品の魅力についても語っており「御社でないといけない理由」を明確化させていることがお分かりいただけるかと思います。
NG例
私は前職で食品メーカーでの営業職として活躍してきました。前職で培った営業スキルを活かし、御社でセールスエンジニアとして働いていこうと考えています。また、御社は福利厚生が充実しているのも志望理由の1つです。
NG例ではなぜIT企業に転職したいのか理由が分かりません。また、どのようなスキルを保持しているのかも書かれていないため、その人を採用するメリットも分かりませんね。
④Webデザイナー
WebデザイナーはWebサイトのデザインを考え実際に構築する仕事です。PhotoShopやIllustratorなどのデザインツールが使えるスキルや、HTML・CSSを書けるスキルなどが求められます。また、転職するにはデザインセンスの高さも認められないといけません。
OK例
私は前職で雑誌ライターとして取材・インタビューを行った内容を元に多くの記事を執筆してきました。自分でユーザーにアンケートを取ってその結果を分析し、読者の興味のある分野は何か検討してその内容を多く盛り込むよう工夫したところ、記事の評価が高くなりその年のライターとしての実績1位を獲得しました。
ライターとして培った「ユーザー目線に立ってコンテンツを作る」力はWebデザイナーでも活かせると感じております。私はブログを自分で運営しており、HTML・CSSなどの基礎スキルは持っています。
また、JavaScriptも現在勉強中であり、今月中に資格を獲得する予定です。一刻も早く戦力になりたいと考えております。
OK例のようにWebデザイナーに必要なスキル(HTML、デザインツールなど)を持っていることを示すことが重要です。未経験の場合であっても、趣味などでWebサイトを作った経験を語り、Webデザインに対する意欲が強いことをアピールすることが必要ですね。
NG例
私は前職で雑誌ライターとして働き、ライティングスキルやタイピングスキルを身につけました。Webサイトを作成する仕事に元々興味があり、今回応募させていただきました。Webデザイナーの仕事は完全未経験ですが、一刻も早く戦力になりたいと考えております。
NG例ではWebデザイナーに必要なスキルを持っていることが伝わってきませんね。また、学習意欲が伝わってこないため早期退職してしまう人材だと判断されてしまいます。
最後に
この記事で説明してきた内容をまとめると以下のとおりです。
この記事のポイント
- IT企業は未経験でも転職しやすい傾向がある
- ただし未経験であってもある程度のスキルを保有していることが必要
- IT企業の志望動機を書くポイントは、IT企業について理解しておく/専門用語を使う必要はない/独学で習得したスキルを盛り込む
IT企業はこれから伸びる傾向が強いうえに、未経験でも転職がしやすいので狙い目と言えます。志望動機で自分の保有スキルやIT企業に対する意欲を十分に伝えれば、採用される可能性はありますよ。
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